2016年3月9日に「地球の記録」は、新しいサイト「地球の記録 - アース・カタストロフ・レビュー」に移転しました。今後ともよろしくお願いいたします。



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2015年08月28日


北朝鮮で台風により甚大な被害。国営通信の発表では、死者40名、被災者1万人超。農業にも深刻なダメージの可能性



8月26日の羅先市の様子
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New Zealand News


日本でも九州などを中心に大きな被害を出した台風 15号(アジア名:コーニー / Goni )は、九州に接近する前に、フィリピンで 26人の死者を出すなど、今年の台風では最も大きな被害を出している台風のひとつですが、これが、8月26日頃、北朝鮮を直撃して、極めて深刻な被害が出ています。

特に、北朝鮮の特別経済区域である羅先(ラソン)市では、壊滅的な被害となっている光景が、北朝鮮の国営通信で公開されています。

朝鮮中央通信が公開した羅先市の様子

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YONHAP NEWS


朝鮮中央通信によれば、この洪水により、40名が死亡し、羅先市だけでも 1万1千人の住民と、484人の中国人観光客が避難している他、1000棟近くの住宅が全半壊しているそう。

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Play TV


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Globalfloods


洪水での被害と共に、強風によるものなのか、部分的に崩壊している高層住宅などの写真が多く見られます。

台風により崩壊したマンション

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RFA


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edaily.co.kr


世界気象機関( WMO )によれば、今回の台風で、北朝鮮の一部地域では、8月25日から 26日の 24時間で 300ミリメートル以上の猛烈な雨が降り続けたと見られているそうです。

まあ、北朝鮮は、6月まで「 100年に1度」とさえ言われたような同国史上最悪の干ばつに見舞われていたのですが、その後、一転して、豪雨などに見舞われることが多くなっていまして、今回の台風による農業被害も、おそらくは深刻なものだと思われます。

北朝鮮の深刻な干ばつについては、6月に記事にしたことがあります。

北朝鮮で「過去100年で最悪の干ばつ」が進行・拡大していることが判明
 2015年06月18日


このあたりを考えますと、今年の北朝鮮の収穫状況が良くなるとは考えにくく、今後の北朝鮮の食料事情はあまり良くない状況になることも予想されます。

北朝鮮は今でも十分に政情が不安定ですが、食料問題が深刻化すると、民衆の不満を逸らすための軍事力などで挑発が多くなりますし、いろいろと不安定要素にはなりそうです。

先日まで、北朝鮮は韓国を挑発していましたが、ロイターの「コラム:北朝鮮が韓国を挑発する本当の目的」という記事には、


北朝鮮で6月に起きた干ばつは、世界食糧計画(WFP)が推測していた以上に同国に打撃を与えただろう。北朝鮮は過去100年で最悪の干ばつだと表現していた。

さらに、北朝鮮政府がエボラ出血熱の水際対策として数カ月にわたって実施した国境閉鎖は、同国の観光業に深刻な打撃を与えた。観光業は小さいとはいえ、貴重な外貨獲得源だ。

こうしたことに加え、中国の習近平国家主席が北朝鮮の金正恩第1書記に冷たい態度を取ってきたことも、今回の暴発につながったとみていいだろう。資金と食料の不足に中国から愛想を尽かされたとの感情が重なれば、北朝鮮が挑発的行動に出ても驚くには値しない。



というようなことで、今回の台風により、農作事情の悪化が明らかになれば、政情の不安定さにもつながっていくものなのかもしれません。

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2015年08月26日


アメリカで今年、ペストに感染する人が異常に増加中



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▲ 2015年08月25日の米国ライブサイエンスより。


今年の 4月1日以来、アメリカでは 11人のペストの症例の患者が確認されていて、これは近年では非常に多いと、アメリカ疾病予防管理センター( CDC )が発表したことが、米国のメディアで報じられていました。

下のアメリカ疾病予防管理センターのグラフを見る限りでは、2006年の 17人に次ぐ数ですが、今年の場合、4月からの4ヶ月間だけで 11人となっているため、このペースでペスト患者が増え続けると、近年では最大ということになりそうです。

2000年から2014年までのアメリカでのペスト患者数
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CDC


また、今年のアメリカのペストを発症した 11人のうち 3人の方が死亡していますので、上のグラフを見る限り、死者の最大は 2人でしたので、死亡数は、現時点でも近年で最大となっているようです。

ちなみに、アメリカでは、ペスト患者の発生は西部に集中していて、下のように、過去 40年間でのペスト発生は下のような分布となっていて、ほぼ西部地域での発生となっています。

1970年から2014年のアメリカのペスト患者発生場所
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CDC


アメリカのペストの現状について、ライブサイエンスの記事をご紹介します。



Plague Cases in US Are Unusually High This Year
livescience 2015.08.25


今年のアメリカはペストの発生が異常に多い


アメリカ疾病管理予防センター( CDC )からの新しいレポートによると、アメリカでは、今年、ペストの発症例が異常に高い数字になっている。

4月1日以来、6つの州で 11例のペストの発症例があったと報告書は述べている。

アメリカでは、1970年から 2012年の間に、毎年平均7例のペストの発症が報告されているが、今年の8月の時点で 11例というのは、かなり多い。

2014年には 10例で、2012年と2013年には 4例だった。

2000年以降で、10例以上のペストの発症が報告されたのは 17例だった 2006年の例がある。

「今年のペストの症例数が通常より高くなっている理由は不明だ」と研究者たちは述べている。

これまでのところ、ペストの報告があったのは、コロラド州で4例、アリゾナ州で2例、ニューメキシコ州で2例、そして、カリフォルニア州、ジョージア州、オレゴン州でそれぞれ1例のペストの症例があったと報告書は述べている。

ペストは、げっ歯類(リス、ネズミなど)とそのノミによって運ばれるペスト菌と呼ばれる細菌によって引き起こされる。

この疾患は、アメリカでは主に西部の農村地域で流行することがある。

治療しない場合、ペストは、症例の約 60%から 90%が死亡するが、しかし現在では、抗生物質治療により、死亡率は約 16%に低下している。

今年のアメリカでは 11人のペスト患者のうち、3人が死亡している。

獣医学の専門家であり、カリフォルニア大学教授のブルーノ・ショメル博士( Dr. Bruno Chomel )は、カリフォルニアの干ばつがペストの症例の増加の原因となっている可能性があると推測している。げっ歯類が干ばつによって食料を得ることが難しくなっているため、動物たちがキャンプ場などで人間の食べ物に近寄っている可能性があるからだ。

CDC は、ペストの感染を防ぐために、病気が流行している地域で野外活動に参加する人たちは、長ズボンを着用し、虫除けを使用することと、病気で死んだ動物に触れたりしないことを勧告している。


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2015年08月23日


アラスカ半島の沿岸で異常な数のクジラの大量死に対して、NOAA は「異常死亡事象( UME )」を宣言



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▲ 2015年08月21日のカナダ CBC ニュース What's killing whales off B.C.-Alaska coast? より。


2015年5月以来、アラスカ半島の西部で、次々と大型のクジラが死亡した状態で座礁し続けていることが CBC ニュースなどで報じられています。

8月14日までの3ヶ月で、30頭の大型クジラが打ち上げられているようです。

これは、アメリカ海洋大気庁( NOAA )の「アラスカ半島西部での大型クジラの座礁数の推移」を見ますと、8月の時点で、すでに、近年のどの年よりも多い座礁が報告されていることがわかります。

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NOAA


座礁したクジラ
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CBC


最初にクジラの座礁が報告されたのは 2015年5月23日。それ以来、 11頭のナガスクジラ、14頭のザトウクジラ、1頭のコククジラ、そして、種別のわからないクジラ4頭の座礁が報告されています。

この事態に対して、NOAA は「異常死亡事象」( Unusual Mortality Event / UME )を宣言しました。この UME は、通常の範囲を超えている大量死の事象に対して宣言され、科学者たちによる調査が行われます。

アラスカ半島東部には、アラスカ州と、カナダのブリティッシュコロンビア州がありますが、カナダでも、この7月と8月に、大型クジラの大量死が報告されているとのことです。

今のところ、大量死の原因はわかっておらず、採取されたサンプルから、病気などの可能性を探っているとのことですが、NOAA によれば、このようなケースでは、死因を突き止めるまでに数ヶ月、あるいは、数年かかるこことがあると述べています。

ちなみに、北米大陸の周辺海域では、海水温の異常高温がずっと続いています。
下の図は 2014年のものですが、この傾向は今も同じだと思われます。

海水面温度の平年との差(赤いほど平年より高温)
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アメリカ西海岸の海水温度の2013年と2014年の差
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▲ 過去記事「海に何が起きているのか:世界の海水の表面温度が観測史上の130年間で最も高くなっているけれど、その理由がわからない」より。

いろいろと、海のシステム自体が変化していますので、海の生態系の異変は、ある程度は今後も続くような気はしないでもないです。

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2015年08月20日


中米グアテマラの干ばつで100万人近くが飢餓に陥っている



完全に枯れたグアテマラのバジャ・ベラパズにあるトウモロコシ畑
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Voice of America


中米グアテマラで、まったく雨が降らない激しい干ばつが続いていて、100万近くの人々が食料不足に陥っていることを国連が発表したことが報じられています。

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▲ 2015年08月14日のトムソン・ロイター財団ニュースより。


現在、大きなエルニーニョ現象が続いていて、それが原因だと述べられていますが、来年の3月頃までは、この干ばつが終息する目処も立っていないようです。グアテマラは、地図では下の位置にある比較的小さな国で、人口は 1500万人ほどです。

グアテマラの場所
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Google Map


このエルニーニョは、これからの世界各地に様々な影響を与えていくことになると思われますが、最近の中南米のニュースでは、寒波や地殻変動のものが多かったのですが、場所により極端な干ばつも進行しているということのようです。

ペルーの寒波によるアルパカなど動物の死亡数は「100万頭」に達し、同国史上、最悪の被害に
 2015年08月14日

南米の近く変動ラインでさらに起きる異変:「エクアドルの富士山」が大噴火し、ホンジュラスで地殻崩壊で住宅が次々となぎ倒される
2015年08月17日


グアテマラの干ばつと食糧危機について、トムソン・ロイター財団のニュースよりご紹介します。



Nearly 1 million people face food emergency in drought-hit Guatemala - U.N.
Thomson Reuters Foundation 2015.08.14


干ばつに見舞われたグアテマラで、ほぼ 100 万人が食料の緊急事態に直面している - 国連発表


中米グアテマラで、極端な少雨による干ばつにより、農産物の収穫状況が悪化しており、約 100 万人が飢餓に苦しんでいると国連食糧農業機関( FAO )は述べた。

エルニーニョ現象と関係すると思われる今年の干ばつは、中米のグアテマラ、エルサルバドル、ホンジュラス、ニカラグアなどの乾燥地域で農業に大きな被害を出している。

特に小さな農家では壊滅的な被害を受けている人たちも多い。

食糧農業機関によると、3年連続で干ばつの被害を受けたグアテマラでは、17万世帯の約 90万人が食料備蓄がまったくない状態だという。

「事態はゆっくりと進行しているように見えますが、すでに子どもたちの慢性的な栄養失調が増えているのです」と、食糧農業機関の職員は述べる。

農村部の最も貧しい先住民コミュニティの家族では、現在、1日に一食程度しか食べることができていない。

国連世界食糧計画( WFP )は、この干ばつが、グアテマラのの主食である豆、トウモロコシに壊滅的な被害を与えているとして、また、この日照りが 2016年の3月まで持続すると予測されており、大幅な収穫の減少につながると警告している。

いくつかの農家では、今月末までにトウモロコシの収穫量において、 50%から 100%を失うおそれがあるという。

グアテマラは、もととも中央アメリカで最も貧しい国の一つだ。人口 1500万人の約半数が貧困の中で生活し、同国は世界で4番目に高い慢性栄養失調率を持つ。

現在でも多くの世帯が、政府と国連の食糧配布に頼ることを余儀なくされている。

グアテマラ政府は、ブラジルからの寄付を使用して、121,000世帯の干ばつの影響を受けた家族に 4000トンのトウモロコシと小麦粉、豆の配給を 8月17日から開始すると発表した。

中央アメリカの乾燥地帯で繰り返し発生する干ばつの問題は、気候変動によってもたらされる極端で不安定な天候によって悪化していると援助機関は言う。

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2015年08月17日


南米の地殻変動ラインでさらに起きる異変:「エクアドルの富士山」が大噴火し、ホンジュラスで地殻崩壊で住宅が次々となぎ倒される



ホンジュラスの首都地殻の丘が崩壊し次々と破壊される住宅
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▲ 2015年08月13日の Weather.com Hundreds of Houses Collapse Off Unstable Hillside in Honduras より。


少し前に、

南米から北米への地殻変動ライン上で… : メキシコのオアハカに巨大な亀裂が出現
 2015年08月13日

という記事を書きましたが、その後の数日間で、この「中南米のライン」で、様々なことが起きています。

エクアドルでは、コトパクシという活火山が 1877年以来 140年ぶりに噴火し、エクアドル政府による非常事態宣言が出されています。

政府は、エクアドルの首都キトで 100万枚のマスクを配付する準備をしているそうで、かなり大規模な噴火が今後も見込まれているということのようです。

噴火するコトパクシ山
Cotopaxi-eruption.jpg
Telegraph


コトパクシは、富士山と似ていることから、日本の登山愛好家たちからは「エクアドルの富士山」と呼ばれることもあるのだそう。


普段のコトパクシ山
Cotopaxi-fujisan.jpg
summitpost.org


日本の富士山から見て、地球の裏側にも近い「富士山の兄弟」系が噴火した一方で、冒頭の写真にありますように、ホンジュラスでは、首都テグシガルパ近くの丘が「崩壊」を始めて、そこに建てられている住宅 250軒のうち、120軒がすでに壊されてしまったという報道がされています。

house-colapse-02.jpg


colapse-003.jpg
Weather.com


現在この地は、エクアドル政府により、「住めない地」とされたようです。


先日の記事から続く「メキシコの亀裂」、「エクアドルの火山噴火」、「ホンジュラスの地盤崩壊」の位置は、それぞれ下のようになります。

Tegucigalpa-oahaka-cotopaxi.gif


この「ライン」では、2011年にも同じように、各地で次々と地殻の異変が起きています。

south-america.gif

▲ In Deep 「中南米の「地殻変動ライン」: メキシコの地割れとグアテマラのシンクホールの位置」より。


今回はどうなるのかわからないですが、日本も含めて、火山や地質の活動は世界中で活溌になっています。


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2015年08月15日


混乱に陥る夏の中国:天津の爆発、陝西省の地滑りに続いて、香港近くの都市部で大規模シンクホール



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▲ 2015年08月13日の即時新聞より。



中国では、8月12日に、15日の時点で 80名以上が亡くなっている天津での大爆発があり、そして、同じ日には、陝西省で 60人以上が行方不明となっている大規模地滑りが発生したりと、非常に混沌とした出来事が続いています。

ch-landslide-2015.gif

▲ 2015年8月12日の kazinform より。


地滑りの不明者60人超に=中国陝西省
時事通信 20105.08.12

新華社電によると、中国陝西省商洛市で12日に発生した大規模な地滑りで、生き埋めになった行方不明者は60人を上回ることが分かった。

習近平国家主席と李克強首相は救出活動に全力を尽くすよう指示し、政府は対策チームを現地に派遣した。



そして、その翌日の 8月13日には、香港の近くの東莞市(ドングァン市)で大規模なシンクホール現象が発生しました。下がその時の写真です。

tongan-sh-02.jpg
hk.apple.nextmedia.com


tongan-map2.gif
Google Map


下は、ニュースで放映されたもので、その時に近くのアパートから、偶然、それを撮影した人の映像です。




このシンクホールによって、1名が亡くなり、数千名が避難したとのこと。

ところで、このシンクホールの「位置」なんですけど、上の画像や映像ではわかりにくいかもしれないですが、ちょっと位置がずれていたら、大変なことになっていた可能性があるのです。

実は、このシンクホールが発生したのは、下の写真でわかりますように、高層ビルの「すぐ隣」だったのです。

sinkhole-Dongguan-china.jpg


sinkhole-Dongguan-china-building-collapse-1.jpg
strangesounds.org


というか、高層ビルの地下の部分にもシンクホールの影響は達している感じです。

危機一髪だった、と言ったほうがいいのか、今後、穴が拡大していった場合はいろいろと大変なことになりそう、と言ったほうがいいのかわかりませんが、都市部にこの規模のシンクホールが多発すると、高層ビルが多い中国の都市部では、わりと厄介なことかもしれません。

経済や金融でも激震の中心にいる中国ですが、他のいろいろなことでも、カオスの幅が広がってきています。

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2015年08月14日


ペルーの寒波によるアルパカなど動物の死亡数は「100万頭」に達し、同国史上、最悪の被害に



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▲ 2015年08月10日のペルー Con Nuestro Peru より。


先月、

ペルーに襲来した数十年で最大の寒波によりアルパカとビクーニャ25万頭が死亡
 2015年07月27日

などの記事で、南米チリやペルーが大寒波に見舞われていて、7月下旬までに、ペルーで 25万頭のアルパカやビクーニャなどの飼育されている動物が死亡したことを記しました。

そして、現在、ペルーの寒波はさらに激しくなっているようで、8月に入ってからの動物の死亡数は、ついに「 100万頭」に達しつつあることが報じられています。

また、寒波の被害はボリビアにも及び始めていて、6万頭の飼育されている動物が死亡したというニュースがありました。

bolivia-cattle.gif
LA Herald Tribune


現在、南米では、下の3カ国の一部地域が過酷な寒さの中で被害が出ているわけですが、経済的にも深刻な事態となってきているようです。

peru-bolivia-chile.gif
Google Map


冒頭のペルーの報道をご紹介します。



Frío mata un millón de cabezas
Con Nuestro Peru 2015.08.10


寒波が100万頭を殺す


カタストロフ的な寒波が、ペルーの動物たちを死に追いやっている。

ペルー国立市民防衛研究所( INDECI )は、寒さによって死亡した動物の数が 8月5日までに 91万2,300頭に達したことを発表し、じきに、 100万頭に達する可能性があると述べた。

その多くがアルパカだ。

死亡した動物の他に、50万 8,000頭の衰弱した動物がいるという。

これはペルーの歴史の中で比類のない大災害だ。もっとも、ペルーのオジャンタ・ウマラ大統領は、このことを長く知らなかったようで、7月28日の大統領のメッセージで、この悲劇についてふれた。

今回の悲劇は降雪によってもたらされたが、悲劇は、最も大きな降雪の被害を受けた地域が、ペルーで最も貧しい農民たちの住居地域だったことだ。

平均6ヶ月の霜や降雪がある、他の世界の降雪農業地域では、こんな大量死は起きていない。

数年前、ペルーのプーノ地区で子どもたちが寒さのために死亡したことがあった。この際に、テレビに映された光景には、子どもたちが、雪の上をサンダルで歩くシーンが流されていた。

それを見たヨーロッパの友人が、「スウェーデンは、プーノよりもずっと寒くなるが、子どもが寒さで死亡するということはない」と口にした。

必要なものは、食品、暖かい衣服、適切な住居、そして、適切な天気予報。

しかし、ペルー政府は福祉に対してのビジョンを欠いていると言わざるを得ない。

プーノの子どもたちに雪から足を守る靴を与える費用がそんなにかかるとでもいうのだろうか?

それでも、政府は、現在の福祉政策で十分だとしている。


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2015年08月13日


南米から北米への地殻変動ライン上で… : メキシコのオアハカに巨大な亀裂が出現



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▲ 2015年08月11日のメキシコ noticiasnet.mx より。


メキシコの、メキシコシティにも比較的近いオアハカにある村で、巨大な亀裂が突如発生したことが報じられています。サン・マテオ・トゥヌチという集落です。

オアハカの場所
oahaka-map.gif
Google Map


どの報道にも、具体的な亀裂の距離は示されていませんが、町から他の町に向かって延びているほどの距離だということと、大規模な調査がおこなわれているようですので、それなりのもののようです。

mexico-crack-002.jpg
e-consulta


メキシコでは、ちょうど1年ほど前の 2014年8月18日にも、巨大な亀裂が発生しています。

2014年8月のメキシコの亀裂
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In Deep


また、2011年にも、チャルコ市という町で、巨大な亀裂が突如発生しました。

2011年7月のメキシコの亀裂
mexico-2011.jpg
In Deep


このメキシコからコロンビアくらいまでの様々な場所では、この数年間、「地殻変動のライン」のようなものが引けるような、まるで線に沿うように地盤の異変が起き続けています。

最近は地質、天候、そして経済も含めて、この「南米と中南米」というキーワードが少し大きくなってきているよう気がします。

チリやペルーでは、

ペルーに襲来した数十年で最大の寒波によりアルパカとビクーニャ25万頭が死亡

という記事でもご紹介した、未曾有の寒波による動物の大量死が続いていまして、次回以降ご紹介できると思いますが、ペルーでは、アルパカなどの動物の死亡数が「 100万頭」に達したことが報じられています

また、南米の今後の大きなイベントのひとつにブラジルのリオデジャネイロオリンピックがありますが、どんな感じになるものなのでしょうかね。

何しろ、8月11日には、ブラジルの格付けがジャンク債間際まで引き落とされるというようなこともあり、もし仮に今後、ジャンク債に落とされた場合、

「ジャンク債の国家でのオリンビック」

という、何だかイメージ的に奇妙なイベントになってしまう可能性もあります。

出場選手がおう吐、下痢…リオ五輪ボート会場でジュニア選手権
 スポニチ 2015.08.11

というものもあり、この原因が会場の水質汚染が原因の可能性が大きく浮上していて、ブラジルのオリンピックを含めて、また、南米の金融・経済状況の複雑化を含めて、今後、南米・中南米が世界の波乱の主役ともなる可能性があるかもしれません。

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2015年08月11日


猿の惑星 : 火を使って料理し、2000語の人間の言語を理解し、パックマンのパワーエサの役割を理解する霊長類「ボノボ」



自らおこした火を使って調理の準備をするボノボのカンズィ

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▲ 2015年08月06日の AMAZINGFACTS UNDEFINED より。


「ボノボ」というチンパンジー系の動物が、「マッチで火をおこして料理をして食べる」光景が載せられている記事を見ました。ちなみに、写真のこのボノボの名前は、カンズィ( Kanzi )というそうです。

私は知らなかったのですが、このボノボという哺乳類は、Wikipedia - ボノボの説明によりますと、

・薪を集め、マッチで火をつけ、たき火をする。
・そのたき火でマシュマロを焼く。
・特殊なキーボードを使い、人間と会話する。
・ルールを正確に理解し、パックマン(ビデオゲーム)で遊ぶ


という能力を持つのだそう。

パックマンの「ルールを正確に理解し」に関しての意味ですが、

パックマン」のルール上では、普段はパックマンが敵に触れるとアウトになってしまうのに対し、「パワーエサ」と呼ばれるアイテムを取ってから一定時間の間は敵に触れることでボーナス点を取ることができる。

つまり条件によって自分と敵との強弱の立場が逆転する。ボノボはこの複雑なルールを理解し、普段は敵から逃げ、パワーエサを取ってから一定時間敵を追いかけることができる。

ということですが、これはすごい。

パックマンは、通常時、プレイヤー(自分)は敵を攻撃する能力を持たないのですが、下のように通路に随所にある「パワーエサ」を食べると、数秒間、相手を追いかけて、食べてしまえるようになります。

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つまり「立場の逆転」現象が起きるのですが、ボノボという生き物は、この複雑なルールを理解するということらしいのです。

パックマンが登場したのは、私が高校生の頃(1980年)ですが、このパワーエサの概念を、すぐには理解できませんでした。あるいは、理解はしてもプレイにその概念を反映させるには時間がかかりました。このあたりを見ると、ボノボは、少なくとも、高校時代の私よりは理解力が高いということになりそうです。

また、ボノボの研究者によりますと、ボノボの言語能力は、英語だと思いますが、「 2000語を理解する」のだそう。

人間の場合、2000語を理解するのは、通常ですと5歳頃ですので、ボノボは5歳の子どもと同じ程度の言語理解力があるということになりそうです。

ちなみに、人間の場合、7歳で理解する単語数は 6000語に達します。

いずれにしましても、このボノボという生き物には、何かありそうな感じです。
今回の写真でも「火を恐れない」光景には驚きました。

人間以外のいかなる哺乳類でも、火を恐れるものだと思っていましたが、このボノボは火の意味(危険なものだが、適切に利用すれば、様々に使用できる)を理解しているようです。

ちょっとこう「古代人種そのもの」というような存在にも感じます。

今回は、ボノボのカンズィが、上の項目にはない「料理」をしている光景です。

「自分で薪を集めて、同じサイズに揃えて、火をおこし、調理して食べるまで」の写真をご紹介しておきます。

女性が一緒に写っている写真がありますが、アメリカの霊長類学者で、ボノボを研究を続けている、サベージ・ランボー博士( Dr Savage-Rumbaugh )という方だと思われます。



Kanzi The Bonobo Lighting A Fire And Cooking A Meal
AMAZINGFACTS UNDEFINED 2015.08.06

ボノボのカンズィは、火をおこして料理する


薪を集めるカンズィ

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薪のサイズを揃えるために割る

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薪を炉に積み上げる

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マッチで薪に火をつける

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調理台を火の上に置き、フライパンを載せる

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できた料理を道具を使って食べる

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デザートに焼きマッシュルームを作って食べる

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2015年08月08日


海氷に何が起きた? 異常な急上昇を示す NOAA のデータ


[追記] その後、グラフは通常に戻りましたので、データ上の一時的な問題だったようです。(2015.08.10)


たまにご紹介することもある、北極、南極、世界の「海氷面積」のデータなんですが、何だか大変なことになっています。

とりあえず、昨日、何が起きたかご覧下さい。


2015年8月6日までの世界の海氷面積
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sunshine hours



2015年8月6日までの南極の海氷面積
antarctic-2015-b1.gif



2015年8月6日までの北極の海氷面積
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明らかに異常なデータとなっています。

これらは、コロラド大学が公開しているアメリカ海洋大気庁( NOAA )のデータをグラフ化しているものですが、普通に考えれば、データ収集機器かプログラムなどに何らかの問題が起きているということなんでしょうかね。

そうだとすれば、明日以降は訂正されると思います。

もし、訂正されないとすれば・・・こんなことが実際に起きている?

明日以降のデータの動きを見守りたいです。

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