2016年3月9日に「地球の記録」は、新しいサイト「地球の記録 - アース・カタストロフ・レビュー」に移転しました。今後ともよろしくお願いいたします。






2016年03月08日


メキシコの湖全域の水が真っ赤に変色



水が赤くなったメキシコの湖を報じる報道局のツイッター
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zborbolla


メキシコで、「一夜にして湖が真っ赤に染まる」という出来事が起きたことが報じられています。

空中撮影の写真を見ますと、かなり広い範囲で水が赤くなっていることが確認されます。

ラ・サリナ湖周辺の空中撮影写真
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水が赤くなることは、最近ではあまり珍しいことではないですが、メキシコでの例は、おそらくこの数年では、これがはじめてのような気もしますので、ご紹介させていただきます。

ちなみに、最近で印象的だった「赤い水」の例としては、以下のようなものがあります。

ロシア・アゾフ海 2012年7月
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赤の意味…


中国浙江省の温州市 2014年7月25日
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赤い血と赤い月、そして大量の犠牲が続く中で…


レバノン・ベイルート市内 2012年2月17日
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原因不明の理由で真っ赤に染まったベイルートの川


他にもこの数年は、数多くありましたが、その中のいくつかは藻などを含む、水中の微生物などによる影響とされ、いくつかは「原因不明」のままでした。

今回のメキシコのものも、サリナ湖という場所が水質汚染で有名なところらしく、藻ではないかとされていますが、これまで起きたことがないということでは、やはり一種の「異変」といえる現象ではありそうです。

報道をご紹介します。

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Harmful algal bloom turns La Salina lagoon into blood red, Mexico
THE WATCHERS 2016/03/07


有害な藻類の繁茂がメキシコのサリナ湖を血の色に変えた


水質汚染で知られているメキシコのラ・サリナ湖が、2016年2月25日に「赤色」に変色した。

湖全体が血の池のようにも見える。

UMAR (メキシコの大学)の専門家たちは、この現象について、水質汚染と、雨、そして高い湖の水温によって引き起こされた藻類の繁茂と説明している。

住民たちは、湖の水中生物の大量死を報告しており、また、自分たちに対しての健康被害への不安も口にする。地元当局は解決策をとろうとしていないとして、住民たちは、グリーンピースや世界自然保護基金、およびメキシコ環境保護庁に呼びかけている。

環境保護家たちは数年前からこの湖では深刻な汚染を警告していたと地元メディアは報じている。

有害な藻の繁茂は、その毒性が人や魚、海洋ほ乳類、鳥類などに深刻な影響を与えるとされており、また、繁殖はコントロールができないほど成長していくことがある。

藻の繁茂は自然に発生するものではあるが、生態系を乱す人間の活動によっての水中の栄養過多、汚染、食物連鎖構造の変化、水流の変化などによって藻の繁茂が増加している傾向がある。


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2016年03月06日


メキシコ:シンクホールの発生と共に「一晩で」地底へと消えた川



消滅したメキシコのアトヤック川
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El Universal


メキシコで、シンクホールが発生した後、一晩のうちに「川が消えた」という現象が起こり、地元の地質学者たちが調査をしています。

消えたのはアトヤック川(Atoyac)という川で、シンクホールが開いた翌日、「川の水が消えていた」のだそうです。

現地を調査する当局者
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・Mas Noticias RTV


アトヤック川というのは支流を持つほどの川らしいですので、全体としての川の水の量はかなりのものとなるような気もしますが、それが消えたということになるようです。

それだけの規模の大きな地質活動を伴っていたということなのかもしれませんし、地表から見るよりも「内部」では、大きな地質活動が起きたということも考えられなくもないです。

最近のメキシコでは、何だかいろいろなことが起きていまして、そのあたりは、「メキシコでの現象の関連リンク」にありますが、メキシコを含めた中南米では、まだいろいろと起きそうです。


今回のメキシコの事象についての報道をご紹介します。


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Atoyac River disappears overnight after large sinkhole opens up, Mexico
THE WATCHERS 2016/03/04

メキシコ:大規模なシンクホールが発生した後、アトヤック川は一晩で消滅した

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メキシコ・ベラクルス州の中央山岳地帯に位置するアトヤック川は、2016年2月28日に巨大なシンクホール(陥没穴)が発生した後に、その水が完全に消失し、干上がってしまった。

アトヤック川を横切るように開いたシンクホールの穴は、川の源流から約3キロメートルに出現した。この川は、周辺の 10,000人以上の人々が飲用水として使用している。

この地域に住む住民のフアナ・サンチェスさんは以下のように言う。

「私たちは 2月29日に川の水が消えてしまっていることを発見しました。いったい何が起きているのかを知るために川岸へと行きましたら、そこで川をブロックするように大きな穴が開いていることを知ったのです」

地方当局によると、穴は幅は約 20メートル、深さは約 30メートルとのことだ。また、穴は地層内部の奥深くにまで達しているように見えることが報告された。

近くに住む住民たちは、穴が開いた時に大きな爆発音を聞き、大地が揺れたと報告した。


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2016年03月03日


ペルーでエルニーニョによる歴史的な大雨による壊滅的な洪水が発生。そして、大雨は3月いっぱい続くと見られる



2016年3月1日のペルーの報道より
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Peru Reports


ペルーは、前回の記事、

アマゾンの黒い河 : ペルーの国有石油会社のパイプラインで大規模な原油流出が発生し、非常事態が宣言される
 2016/03/02

でご紹介したように、石油パイプラインからの原油流出で、アマゾンの川の一部が壊滅的な被害が進んでいるところですが、その地域も含むペルーで、大規模な洪水が発生し続けていることが報道されていました。


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euronews


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strangesounds.org


報道では、原因はエルニーニョのによるものということになっていますが、原因はともかく、これは単発的なものではなさそうで、今後しばらく同じような大雨と洪水の被害が継続する模様で、その降水量は歴史的なものとなるとも予測されています。

この「洪水」。

今年に限ったことではなく、ここ数年は非常に多くなっていますが、今年も北半球で洪水のシーズンが近づいていて、世界的に相当な規模で洪水が発生する可能性があるように思います。

また、これも南米だけの懸念ではないですが、

「大雨や洪水が頻発すると、蚊が発生しやすい条件が整いやすくなる」

ということは言えそうで、南米で拡大が続くジカウイルスの今後というものとも、関係してくるかもしれません。

そして、アジアなどでも今後、雨の多い季節に入った時の気温などの条件次第では、アジアでもジカウイルスが拡大する可能性は否定できません。

ペルーの洪水について、ペルー・リポートの記事をご紹介いたします。

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Five killed as El Niño rains batter regions throughout Peru
Peru Reports 2016/03/01


ペルー全土の各地でエルニーニョによる大雨で5名が死亡


エルニーニョ現象に起因する豪雨がペルー全域でインフラを破壊し、また、首都リマから全国にサービスを提供する主要な高速道路を麻痺させた。

現在のエルニーニョ現象そのものは、特別珍しい出来事ではないが、そのために、ペルーの北部、南部、そしてジャングル地域が大雨に見舞われている。

大雨によりあふれた河川の水は、家屋を破壊し、数十万人が影響を受けた。また、ペルーの全国で、洪水による道路の閉鎖が相次いでいる。

この洪水によって、アプリマクで地滑りで3名が死亡。
クスコの農村部でも2名が地滑りで死亡した。

ペルーの気象学者は、「大雨の状況は3月を通して続く見込みです。降雨量は歴史的な水準に達する可能性があり、1997年から 1998年夏にかけてのエルニーニョの時の大雨より降水量が多くなるかもしれません」と述べている。

北部の都市トゥンベスでは、2日間で1か月間で降る量の4倍の雨が降り、8000エーカー(約3200万平方メートル)以上の面積で作物が失われてしまった。

これまで干ばつで作物の被害が出ていたアレキパでは、今度は予想外の豪雨で、1400万ドル(約17億円)分の作物を消失した。

首都からペルー全国に食料を配送しているペルー中央高速は地滑りで閉鎖された。

再開の見込みは立っていないが、他のルートで配送が可能であり、今のところ食料供給に影響は出ていない。

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2016年03月02日


アマゾンの黒い河 : ペルーの国有石油会社のパイプラインで大規模な原油流出が発生し、非常事態が宣言される



真っ黒に染まったペルーのモロナ川
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Pipeline Break Spills Oil Into Amazon Waterways


最近の南米や中米は、ジカウイルスの蔓延や、地質活動と火山活動の活発化などでどうにも大変ですが、「人災」も起きています。

ペルー北西部石油会社のパイプラインが破裂し、川に原油が流出しているのです。

流出現場は、アマゾンの先住民族たちが暮らしているところで、多くのコミュニティが、川から水や食料を得ている場所で、その領域の川が完全に汚染されているということで、人道的な問題も含めて大きな事態となっているようです。

2月終わりに、ペルー政府は非常事態を宣言しました。

原油を回収する国有石油会社ペトロ・ペルーの作業員たち
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・AJ Plus


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vozdelatierra


原油流出の現場となっているペルー・チリアコの場所
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・Google Map


現地の様子を取材した中東カタールのアルジャジーラの報道からご紹介します。

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Peru declares emergency after oil spill hits rivers
Aljazeera 2016/02/29


原油の流出が川に影響を与えている事態を受け、ペルー政府は非常事態を宣言


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パイプラインの破損により、チリアコにあるモロナ川に 3,000バレル(約 48万リットル)の原油が流出し、ペルー当局は地元のコミュニティに、川の魚を食べないように通達を出した。

石油パイプラインが破損したのは3週間前だが、原油の流出がペルー北西部の二つの川に影響を与え始めたことを受けて、ペルー政府は非常事態を宣言した。

流出した原油は、いくつかの先住民たちのコミュニティにとっての水や食料の主な源であるモロナ川などに大量に流れ込んでいる。

現地に住むテオリンダ・ロペスさんによれば、彼女の家族は現在、バナナとユッカ(現地に自生する植物)を食べて凌いでいるとアルジャジーラに語った。

彼女は言う。

「それら(原油)が流れてくればくるほど、さらに多くが汚されていきます。病気もやって来ました。私たちが以前食べていた魚たちも、人間も今は病気になってしまっています」

このエリアでは、少なくとも8つのコミュニティに暮らす先住民の人々が川の水に依存しているという。

壊れたパイプラインは、ペルーの国営石油会社ペトロ・ペルーが所有するもので、報告によれば、1日あたり 5,000〜 6,000バレルの石油が輸送されていた。

ペトロ・ペルーの流出原油への緊急対応担当代表者は、「魚は現在は安全だ」と、アルジャジーラに述べた。

流出への対応の遅れを非難されたペトロ・ペルーは、 200人以上の人々が健康被害を受けた後に、食料、水、医療チームの派遣などの提供を開始した。

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