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2009年08月01日


食糧クラッシュ Vol.1(国内農作)

7月は日本では異常気象が話題となりましたが、普通に考えれば、通年での豪雨や台風など自然の被害が大きくなるのはこれから秋までの数ヶ月ですので、自然の猛威が収まることはまだないのかもしれません。

また、日照不足と気温の不安定からくる農作物の不作予想はかなりのもので、ニュースなどでは「野菜の値段が上がった」などということだけを取り上げていますが、そういう局所的な問題だけではないような気もします。


以前も少し書いたことのある「決定的な食糧不足」の口火が早ければこの秋にも切られるのではないでしょうか。これから来る食糧問題は、これまで何度も起きてきた食糧問題とは少し違う面もあります。

予想される食糧危機の大きな原因としては、

・国内農家の不作

・長引く経済崩壊による農家の疲弊、廃業

・海外農家の不作(一部作物の輸入の減少や停止)


などがあると思います。
もちろん、それだけではないですし、それぞれに今までとは違う環境面や外交的な理由はあるとは思うのですが、現在の社会の食べ物に関してのもっとも基本的な構造である「作って、輸送して、供給される」というシステムの崩壊が近いということかもしれません。




国内の不作関係

» 道産小麦ピンチ、低温多雨で10年来の不作(2009年7月31日 読売新聞)という記事が今ありました。

この記事の何が印象的かというと、「道産小麦は日本で使われる小麦粉の18%程度を占め」という部分です。

こちらの表をご覧下さい。

komugi.png

小麦の生産トップ10と日本の輸入先 (帝国書院)。2006年のものですが、日本の小麦の国内生産は当時で13%。多少変動があるだろうとはいえ、「北海道の小麦は国内産のほぼすべての小麦」といえそうです。


また、稲作気象指数の動向によると、現在の全国の作況指数は91程度となっていて、現時点で、ここ20年ほどの間で下から5番目となっています。

sakkyou.gif


このグラフの一番下の紺色の線は「1993年 米騒動」のあった1993年のもの。今回、その時と同じになる可能性が農業関係者たちから言われています。

これから気温が上がって日照時間が増えるかどうかが大事なのですが、これに関してもどうも気象庁などからは、「日照時間が少ない見込み」という厳しい中期予想が出ています。


前回1993年の時は海外からタイ米などを輸入していたりしたのですが、穀物は今年(今年以降)全世界的に不足することが予想されていて、すでに、

» インド 寡雨による穀物不足を恐れ、小麦と非バスマティ米の輸出を全面禁止(7/25)

» アルゼンチン 干ばつで1世紀来初めての小麦世界市場から撤退の可能性(6/29)

など、農業大国の食糧の自国確保が顕著になっています。

日本と直接関係する国は小麦では、アメリカ、オーストラリア、カナダで、アメリカのカリフォルニアとテキサスが異常な干ばつに襲われている他はまだ作況状況はわかりませんが、食糧は世界全体を回っているものですので、仮に、これから日本国内の不作が明らかになってきた場合は、いろいろと厳しいことになる可能性はあります。

・・・まあ、とはいえ、個人的には、いずれにしても数年したら、この世には食べ物はほとんどなくなると考えていますので、それが局所的に何年か早く来るか来ないかというだけの問題でしょうが・・・。

あるいは、何か、革命的な新しい農作や食糧技術が出ることもあるかもしれませんし、未来は誰にもわかりません。


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