Update 2 - 8月12日に、ふだんは反応することのない行徳の静岡観測点が突然反応しました。地震との関係はともかく、珍しいので記しておきます。
さきほど、地震がありまして、そのことと、先日の記事「宇宙の雲と地震(と国内大地震は近いの?問題)」でちょっと興味を持った部分がリンクしていますので、簡単に記しておきたいと思います。
まず、今日、8月9日の地震ですが、
2009年8月9日19時56分ごろ
震源地 深さ 約340km
緯度・経度 北緯33.1度 東経138.5度
地震の規模 マグニチュード 6.9
となっています。
アメリカ地質調査所 (USGS) では、
マグニチュード7.1
深さ 303.1km
マグニチュード7というのは、浅い場所、あるいは都市などの直下型だと確実に震災レベルのわけですが、深さ300kmという深さに救われた感がありますね。
今回の記事はその「地震の深さの分布」と関係のあることです。先日の記事のHi-net 自動処理震源マップを見て思ったのですが、「深い地震が起きる場所と浅い地震が起きる場所が明確にわかれている」ことを初めて知ったのです。
赤が浅い地震で、青になればなるほど深い場所で起きた地震となります。
たとえば、関東周辺はこんな感じです。
伊豆から伊豆沖までは青ばかり、つまり深い場所での地震ばかり起きていて、また、関西から日本海側にかけては赤ばかりで、浅い地震ばかり起きていることがわかります。千葉から茨城沖のほうも黄色や緑などで、そこそこ浅めの地震が頻発しています。
そして、今回の震源はここになります。赤い×印のところ。
青印の深い地震ばかりが起きているところで大きな地震が起きたのですが、いつもと同じ深い場所での地震だったので被害はほとんどなかったという今回発生した地震の構図がわかります。
どこが震源になると厄介なのか
ところで、今回の話は「たった1カ月の間の深さの分布の偏り」から導いている話で、何の確実性も、何の信頼性もないヨタ話ですので、娯楽としてお読み下さい。
さて、上のように地震深度の分布が比較的はっきりしているということは、今回のように「深い地震がよく起きている場所で起きた地震」とは逆の「ふだん浅い地震ばかり起きている地帯」があるのではないかと。
つまり、「その浅い地震が多く起きているあたりで大きな地震が起きるとよくないのでは」という場所というのもあるのではないかと思って記事を書いた次第です。
ものすごいやっつけでHi-net 自動処理震源マップから青い部分を排除して、赤いマーキング、つまり浅い深度の地震が多く発生しているところを地図と重ねてみました。関東近辺のものですが、大体こんな感じになりました。
赤の部分は浅い地震ばかり起きている場所です。
どれも無感か、小さな地震ばかりです。
関東圏では、神奈川から大島、三宅島に至るライン、静岡から南アルプスにかけて、あたりが特に浅い地震が集中していることがわかります。
ここに、先日作成した「関東での地震の空白域」である駿河湾、伊豆半島、相模湾、のあたりを考慮して考えると、地震が起きるという予想ではなく、「起きては困る場所」というのが浮かび上がるような気がします。
▲ ここ1カ月の地震空白域。
ちなみに、Pisco がこちらの記事で想定している震源域はこちらとなります。
というわけで、ワタシには(あるいは誰にも)地震発生の予測はできないですが、Piscoの地図での大正地震、すなわち1923年の地震の地域で起きると、浅い地震になる可能性はあるということにもなるのかもしれません。
もちろん、そんな予測など通用しないのが自然だと思った方がいいのでしょうけれど。
台湾の台風もそうですが、最近のワタシは完全に大自然の前に呆然となっている状態で、もし東京に大きな地震があって、マンションに押し潰されて死んだとしても、その瞬間には「ふむふむ」と感心しながら死ねるような気がします。
ワタシも大人になったのう(なんか違うような)。
[追記]
あと、まあ・・・なんか物騒な感じなので最初は書くのやめたんですが、深さの分布でどうしても気になるのがこれです。オレンジで太い線を引いたところ。
青のポイント、つまり深い地震の頻発帯が一直線に並んでいるんですよね。
このライン上で深い地震が起き続けている。
そして、この図。
まさに糸魚川・静岡構造線。
つまり、フォッサマグナの西辺。
そこの奥深くが活発に活動を開始しているということのようです。
地震の深さから考えると、地表での宏観はあまり出ないような気がします。
つまり、ある日突然・・・・(なんだ? 何が起きる?)。
そんなのわかんないですよね、誰にも。
[追記]8月11日の静岡の地震について
今朝、最大震度6弱の地震が起きましたので、記しておきます。
2009年8月11日5時7分ごろ
震源地(震央) 駿河湾 (御前崎の北東 40km付近) 深さ 約20km
緯度・経度 北緯34.8度 東経138.5度
地震の規模 マグニチュード 6.6
アメリカ地質調査所 (USGS) では、
マグニチュード6.4、深さ26.8km
となっています。
これは上の記事での3つの空白域の中にあり、番号をつけると、下の「1」の駿河湾の部分に当たります。
他の2つの空白域はいまだに小さな地震も起きておらず、空白のままになっています。
また、8月9日のマグニチュード6.6の地震との位置関係はこうなります。
フォッサマグナの西縁のあたりを北上したような感じですね。
気象庁はさきほど、「東海地震に結びつかず」と結論づけたようですが、根拠はよくわかりません。
ただ、今の問題は東海地震ではなく、関東の地震のような気もしています。
上の空白域で言えば、空白域の周囲で浅い地震が頻発している空白域3の相模湾のあたりは気になります。Piscoの想定しているのもこのあたりではないでしょうか。
今回の地震でいえるのは、「震度6弱くらいまでなら都市機能も結構大丈夫」ということで、それを越えたものとになると、現代日本の都市部では未知の領域ということになるのでしょうか。それと、「津波がなければ被害は限定される」ということもいえるのかもしれません。
津波を誘発する可能性のある地震が起きる可能性のあるところで、私が一番懸念しているのは、正確な地名がよくわからないのですが、地図で矢印をつけると、このあたりとなります。小笠原諸島のあたりになるのでしょうか。
このあたりは先月の皆既日食が完全な状態で観測された地域ではもっとも浅く大きな地震が起きているところで、過去、皆既日食の年には観測地域周辺でかなりの確率で大きな地震が起きています。理由はともかく、データ的には日食観測地域は(世界全部ですが)注意してもいいのかもしれないです。
[追記2]行徳・清水観測点の異変
なんだかどんどん追記が積み上がっていく・・・。
ふだんは滅多に動くことのない、行徳の静岡・清水観測点が8月12日の午前11時に非常に大きく反応しています。
反応の幅も大きいのですが、ここは本当にふだん反応しないところなので(私は今は観測していないと思っていたので、驚きました。それほどふだんは全く反応しない観測点です)、一応記しておきます。
▲ MAX 2000 はなかなか大きな反応です。
静岡清水は先日地震あった駿河湾沿岸あたりとなります。