先日、HAARPに関しての記事を書いて、コメント等でいろいろなことを教えていただき、HAARPの原理や、あるいは地震の発生原理そのものまで思いを馳せることができたことにとても感謝しています。ありがとうございます。
その後、「検証」という、一番大事な作業をしていないことに気づきました。作動の原理は知っていても、現時点で HAARP と地震がどの程度関係しているのかを調べないと、どの程度のものなのかわからないです。
そんなわけで、大まかですが、検証してみました。
こんな感じについてです。
・期間は2009年の今日まで
・対象は全世界の地震からM6以上の地震をカウント
・HAARPの監視グラフに反応が強く出た時から72時間以内の地震発生状況
などについてです。
強い反応は、プラス・マイナス共に「500 nT」を越えるものとしました。(nTって何の単位なのか知らないのですが)

ちなみに、今年は昨日まで、マグニチュード6以上の地震は90回起きています。
今日までの日数の約250日間というあたりから考えると、2日から3日に1度はM6以上の地震が起きているということを念頭に置いてもいいかと思います。
今年、HAARPが大きく反応したのは、8回。
下のがそのすべてです。
8月30日に大きな反応
(2日後)09/09/02 07:55:01 7.77S 107.32E 49.5 7.0M A インドネシアのジャワ
(2日後)09/09/02 18:00:10 29.23S 178.83W 261.3 6.2M A ニュージーランドのケルマデク諸島
7月22日に大きな反応
(3日後)09/07/25 01:42:24 6.48S 154.93E 35.0 6.0M A パプア・ニューギニア東部ブーゲンビル
6月29日に大きな反応
(3日後)09/07/01 09:30:09 34.24N 25.48E 10.2 6.4M A ギリシアのクレタ
5月29日に大きな反応
(3日後)09/06/02 02:17:07 17.72S 167.88E 37.4 6.3M A バヌアツ
5月15日に大きな反応
(1日後)09/05/16 00:53:46 31.52S 178.89W 10.0 6.4M A ケルマデク諸島
5月11日に大きな反応
72時間以内に該当する地震はなし
4月30日に大きな反応
72時間以内に該当する地震はなし
2月14日に大きな反応
(1日後)09/02/15 10:04:51 5.84S 80.88W 35.6 6.2M A ペルー北部
というわけで、どうやら、データだけから見ましたら、むしろ HAARP 作動後は地震が少ないと言えそうです。
マグニチュード6以上の地震は世界で90回起きているのですが、上のはそのうちの7回。
「72時間以内」という条件をつけているので、この250日間の間での90回の地震の発生可能日数は「270日」ということになり、72時間以内という条件では、ほぼ毎日かそれ以上のカウントがされることになると思います。
つまり、この条件で、「 HAARP が地震発生と関係ある」と考えるためには、HAARP の反応後72時間以内に少なくとも「2回以上の地震」が起きることが必要となるような気がしますが、その頻度では起きていません。
従って、あくまで数字上の話ですが、データだけでは、 HAARP と直近の地震発生の関係は少ないかと思われます。また、「 HAARP 発動後24時間以内の地震の発生が通常より少ない」ということになっています。90回起きているM6以上の地震で HAARP 作動の翌日までに起きた地震は2回。計算上で3回以上あれば「多い」ということになりそうなので、「HAARP 作動日から翌日には大きな地震は少ない」と判断できます。
もちろん、だからといって、 HAARP が地震と関係ないという結論ではないです。
「72時間以内」という制約にも根拠はないですし、発動後、半年か5年とかのスパンで見ればまた変わるかもしれないですので、まあ、これはひとつの参考データです。
ただ、「 HAARP グラフに反応が出たからといって、すぐに大きな地震が起きるわけではない」ということは言えそうです。「いつかはどこかに」来るかも知れません。
ちなみに、マグニチュード7以上の地震は10回でした。その内訳は、
09/01/03 19:43:54 0.51S 132.78E 35.0 7.6M A インドネシアのイリアン・ジャヤ
09/01/03 22:33:42 0.69S 133.28E 35.0 7.3M A インドネシアのイリアン・ジャヤ
09/01/15 17:49:39 46.86N 155.17E 36.0 7.4M A 千島列島の東
09/02/11 17:34:50 3.90N 126.40E 20.0 7.2M A インドネシアのスラウェシ北部
09/03/19 18:17:40 23.05S 174.67W 34.0 7.6M A トンガ
09/05/28 08:24:45 16.73N 86.21W 10.0 7.3M A ホンジュラス沖
09/07/15 09:22:29 45.75S 166.58E 12.0 7.6M ニュージーランド南部西沖
09/08/09 10:55:56 33.14N 138.04E 303.1 7.1M A 日本の中部南沖
09/08/10 19:55:39 14.01N 92.92E 33.1 7.6M インドのアンダマン諸島
09/09/02 07:55:01 7.77S 107.32E 49.5 7.0M A インドネシアのジャワ
となっています。
HAARP の反応があった後、72時間以内に起きた地震は9月2日のインドネシアの地震のみです。世で言われているような人工地震があるとすると、 HAARP 以外でのものかもしれません。
それにしても、インドネシアがすごいですね。
火山国ですしね。
インドネシアの火山はこんなにあります。

最近、世界の火山活動があまり話題にならないですが、Earth File などでも、着々と世界の火山活動が進行している様子が見てとれます。
まあ、人の考え方は様々ですが、私自身は「コントロールできる人工地震より、コントロールできない自然現象のほうがずっとこわい」と思っています。
[追記]行徳の静岡・清水に昨日から少し気になる波形がでています。

▲ 9月11日
この静岡・清水は、特に垂直方向でも8月11日に静岡駿河湾の地震の前にも大変よく反応していました。

▲ 8月10日(駿河湾の地震の前日)
波形が違いますし、反応も8月10日より低いですが、ふだんはあまりない形ですので、一応気にしてもいいかと思われます。
以前、こちらの記事で書いた「空白域」は次第に埋められてきているのですが、相模湾がまだ埋められていません。下の図で「3」の部分です。

この相模湾は1923年の関東大震災と同じ震源域です。