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2009年09月19日


安政東海地震の前兆現象



ネットを見ていると、相変わらず「首都圏の大地震が近い」というようなものが多くて、そういうのを見ていると何となく落ち込むし、想念が現実を引き起こすというような概念も世にはありますので、最近はそのテのブログなどは見ないようにしています。

それにしても、行徳などのグラフや宏観などにしても、基本的に穏やかで行徳の静岡・清水はここ1週間不思議なグラフを描いていますが)、これで直近で関東に大きな地震が来たなら、今までの地震の予測は無意味だったということになり、それはそれで「地震予測はしない方がいい」と、またひとつやめていいことが増えて嬉しいですが、考えれば、「地震の発生トリガーが不明」の現況では、それも仕方ないかなあと思います(地震のトリガーにはいろいろと説はあっても、それぞれが仮説という意味です)。

最近、日本大学文理学部の「静岡県地震対策課」がまとめた「安政東海地震の前兆現象」というファイルの存在を知りました。安政東海地震というのは、今でいう東海地震の震源域で1854年に起きたマグニチュード8.4の大地震で、当時の日本の文献から前兆現象と思われるものを拾い出した資料です。





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▲ 安政東海地震の震源地。(中部電力のホームページより


この資料の良いところは、各種の郷土資料など、いろいろな文献から拾い出しているので、「前兆を証言した人たちの地震に対しての思い込みや確証バイアスがかかりにくい」という点にあります。まず、注目したのはこの表です。

「安政東海地震の先行現象出現地点の震央距離ヒストグラム」というものです。

zenchou-distance.gif

ヒストグラムなどと難しい書き方となっていますが、要するに、「震源地からの距離と前兆現象の関係」で、簡単にいうと「震源地から近くなればなるほど前兆報告がたくさん文献から見つかった」ということを表しています。震源地から150km以内のものが圧倒的に多いようです。ここから考えますと、「震源域から近い場所では確かに前兆はあるらしい」ことがわかりますが、逆に言うと、「震源域から離れた場所で観測される前兆現象は関係ないかもしれない」ということも言えるのかもしれません。

内容そのものについては、膨大なので、各自ダウンロードされて読んでいただきたいですが、暫定的結論というものが挙げられていて、それを簡単に記してみると、

1. 前兆現象としては、地殻変動、鳴動、前兆としての小さな地震、動物の異常行動、地下水や温泉の異常などがメイン。

2. 前兆現象の起きるピ一クは数日前が顕著(ただし、1時間前から200日くらいまで様々)。

3. 地震前、長期間にわたって震源地周辺は地盤が沈下し続けていた。(今の東海もそう)


ということになるようです。

先行時間の長いものは、私自身、すでに昨年から感じていることも多いのですが、やはり、数日前から直前の前兆現象を知りたい場合が多いと思いますので、そういうものを挙げてみます。

ちなみに、一番多いのは「鳴動」で、要するに、地鳴りや空でゴロゴロ鳴るということが多数報告されているということです。

このあたりに、私はまたも宇宙線と地震との関係を考えたりするのですが(こちらの記事をご覧下さい)、まあ、私の思い込みは置いておいて(笑)、報告のほうを見てみましょう。



▲ 東京工業大学・大学院の丸山茂徳教授は地震だけではなく、「雷の発生」も宇宙線と関係があると述べています。



鳴動の報告

鳴動には、地鳴りと空からの音、そして、「どこから鳴っているのかわからない」というような、それぞれの種類があるようです。報告数が多いですが、代表的なものをは、たとえば、「菊川町史」という文献にあるこんなものです。

「数日前から大音がごうごうと鳴り、人々が呆然と不思議がって暮らすうちに・・・」

とあり、地震の数日前からそれまで聞いたことのないような音を聞くというパターンの報告が多いです。数日前から数時間前が多いですが、こういうのもあります。

「前年より間断なく不気味な鳴動があったといわれるが・・・」(「川根町明治百年」より)

要するに、「なんだかずっと音が鳴り続けていた」と。

実は私は今の東京はこの状態だと思っていて、正体不明の鳴動に気づき始めてから1年以上経ちます。家族と「またゴーゴー鳴ってるね」とよく言っているのですが、多くは飛行機だと思いますが、わからないものもあります。

地鳴りや空の音は少なくとも1854年の安政東海地震の時には前兆としてはオーソドックスだったようです。



他の前兆

この資料には、他に、地殻変動、地震(前震のこと)、動物の異常行動、異常気象、地下水と温泉、超能力という項目があり、それぞれについて該当文章の部分が挙げられています。大学の文献に「超能力」という分類があるのは驚きましたが、それぞれから少しピックアップしておきます。

地殻変動で面白いのは、「袖師町誌」というものに、

「嘉永六年二月大地震、海岸遠浅となる」

とあり、この報告がなんと1年9ヵ月前。海岸の遠浅現象が、海中での地盤沈下と関係あるのかどうかわからないですが、ダイナミックな前兆です。また、「安政大地震よろずひかえ帳」というのには、

「地震の前はだんだん浜がこわされて新田は残らず浜になってしまいました」

とあり、この時の大地震の前兆の地殻変動の大きさを物語ります。

今年もすでにこの「安政大地震よろずひかえ帳」と似た大きな地殻変動の兆候は日本全国で見られていますが、さて、関係があるのかどうか。

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[参考ニュース]

» 山形県・七五三掛集落の地すべり災害(今年の5月から始まる)

» 浅草寺境内 敷石の怪 『突然バラバラ音たて隆起』 (2009年7月15日)

» 重さ2千トン、貯水池浮き上がる! 千葉・東金(2009年7月10日)

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動物の異常行動については、キジが鳴いたり、ネズミたちがいなくなったなどがありますが、思っている以上に報告は少ないです。地鳴りの3分の1にも満たないですので、意外と動物たちも地震前には漫然と過ごしていた可能性があります。

また、非常に多い項目として「異常気象」があるのですが、関連自体が今ひとつわかりにくいです。気候はその時々の人の気分を反映したりもしますので、文献の中でも地震の後にまとめられたものでは、「そういえば、あの頃は気候も変だったよね」というようなことにはなりやすい感じもします。

目につくのは、地震当日の天候として、

「当日は特に天気晴朗にして、ひとすじの雲なかりき・・・」(「日本地震資料」)

というのもあれば、

「太陽は黄色に輝き、あたり全体も黄色く染まって見えた」(「中村家の古文書」)

というのも、

「お日様が赤く濁ったように見え始めた昼下がり、突如・・・」(「熊野の国の物語」)

というのもあり、人によっていろいろな天候に見えたようです(苦笑)が、ただ、当日は地震発生少し前まではふだんではないほど明るく晴れていたようです。

地下水と温泉に関しては「数日前から前日ににかけて濁った」という報告が多数。

このあたりまでに関してはこれまでも言われている前兆現象と同じですね。

ただ、それらが同時多発的に起きているということがポイントで、そういうようなニュースなどがたくさん起こり始めたら、地震もあるのかもしれないです。(ないかもしれません)


また、「超能力」という項目に関しては、たった5件の報告なのですが、おもしろいものを挙げておきます。超能力というより、日本昔話のような話が多いです。

「地蔵堂から「ここに集まれ!」と子どもを呼ぶ声が聞こえたので、本堂にいた子どもたちが地蔵堂の前の広場に集まったところ、突如大地震が起こり・・・」(「実話と伝説」)

「ある時このお地蔵さんが、まっ赤な血に染まっていた。村人たちはこれはただ事ではない。何かの異変があると避難した。その後に大津波がきたが・・・」(「血塗り地蔵」)

などです。

お地蔵さんが地震を教えてくれたという、いい話です。
特に、子どもがお地蔵さんに助けられる話は、「なるほど、日本はいい国だった」と感じ入るものがあります。今後もし大地震が起きるとしても、この話のように子どもたちが地蔵さんに助けられて、大人は全部死ねばいいのにとつくづく思います(おいおい・・・)。


さて、長くなりましたが、今回ポイントをまとめますと、直近の前兆として顕著なのは地鳴りなどの音である点。そして、あとは「お地蔵さんに注目」という感じでしょうか。



[追記]

今回の記事とは関係ないですが、調べていた中で、海外のこんな記事を見つけました。

Japanese Quake and Tsunami Predicted July 22 2009

日本で起きるとされる地震予測の記事ですが、予測はともかく(予測の時期はすでに過ぎていて、予測は一応当たっているようです)、ここに、こういう図などがあって、興味深く思いましたので、今度訳してご紹介します。この図は今年あった日食と引力の関係を表しているようです。

eclipse-quake.jpg

この人は、引力により、

1. プレートが持ち上がり
2. 潮がいつもより上昇して
3. 地下溶融状態のマグマがプレートを浸して、上げることにより

地震が発生すると言いたいようです。
本当にいろいろなことを言う人たちがいます。



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