HAARP と最近の関東地震騒動のことにふれて、(日本の)地震と HAARP の関係に懐疑的なことを書いているのですが、誤解があるといけないのでキチンと書いておきますが、私は「HAARP が地震を発生させるものではない」と言いたいのではなく、
「少なくとも公にされている HAARP の仕組では地理を狙って地震を起こすのは難しいのではないのか」
ということを言いたいのです。
要するに、「自由自在に目的の場所に地震を発生させることができるような(軍にとって)夢のようなマシンはまだないのでは」というようなことかもしれません。
さて、 HAARP のことはもう前回の記事で終わりにしておこうと思ったのですが、昨日の記事で
> HAARPのInductionのシグナルを見ると、周波数が非常に低い特徴があることが分かります。僅か 5Hz 程度です。
という、とても興味深いコメントをいただきました。
5Hz というのは大変低い周波で、たとえば生活の中で使われているものでは・・・こちらによると、肩凝り治療などの低周波マッサージ器(ブーンと鳴るやつ)などでしょうか。
また、噴火の前などに記録される低周波地震の周波もそうです。なので、低周波地震を誘発するというような意味では、いかにも地震と直結しそうなのですが、これがなかなか・・・。ここまで低い周波だと、武器に転用するのはどうも難しいとしか思えないのです。
なお、生活の中で指向性(方向を定めて放射する)のある周波は高いものが多く、たとえば、衛星放送などは、このページでは、12〜18GHz(ギガヘルツ)ということで、ギガヘルツを普通のヘルツで表しますと、これは HAARP の周波が仮に 5Hz としますと、12,000,000,000Hz ということで、数十億倍程度にあたるものです。周波に正確な指向性を持たせるには、ある程度の高周波であることが必要なようです。
今回は「なぜ低い周波だと武器にし難いか」ということを書こうと思ったのですが、この「高い周波」とか「低い周波」という概念は難しくて、実際私もよくわかりません。
今回、HAARP の周波の「とても低い」という特性の説明に何かいい例えはないかなあと考えたんですが、「音」ではどうかなあと思い立ちました。
ロック少年たちが体験する低周波の特性
音楽の中には「高い音と低い音」がそれぞれあるものです。
たとえば、ロックやジャズなどのポピュラー音楽には、ギターやリード楽器等の高い音と、ベースやバスドラなどの低い音が含まれていることが普通ですが、これをそれぞれ「高い音=高い波長」、「低い音=低い波長」と置きかえてみます。
(素人考えの例えなので、基本的に間違っていると思いますが、自分でわかりやすくしてみました。間違い等あれば、ご指摘いただければ幸いです。)
ある古い木造の一軒家の二階の部屋で大変にキンキンとしたうるさいロックを大音量で聴いているとします。床や壁がふるえるほどの大音量です。
こんな状況です。
▲ ひどいイラストで申し訳ないです。3分で作ったもので(恥ずかしい)。
これをそれぞれ、
1. 同じ部屋のスピーカーの真ん前
2. 同じ部屋のスピーカーの後ろ
3. 隣の部屋
4. 家の一階の部屋
5. 屋外
で、それぞれ高音(高い周波)と低音(低い周波)がどう聞こえるかということを考えてみます。
基本的には、「1」から「5」になればなるほど、高い音は聞こえにくくなってくると思います。
つまり、一番キンキンと高音が響くのは、スピーカーの真ん前。
もちろん、ここでは低音も響いています。
スピーカーの後ろだと、キンキンした音は少し和らぎますが、他は基本的にうるさいことには同じ。
隣の部屋だと、高い音はかなり聞こえなくなると思います。
それでも、ベースのボンボンとした音や重低音はまだかなり聞こえるはずです。
壁や床もかなりふるえているでしょう。
家の一階に行くと、もうギターやボーカルなどはほとんど聞こえないでしょう。
でも、ベースかバスドラかはわからないですが、「ボンボン」と低音は聞こえるし、その振動もまだ感じると思います。
メロディが聞こえない分、この低音は騒音に感じると思います。
さて、外に行きます。
古い木造の一軒家なので、その低音の輪郭は曖昧になっているとは思いますが、なお、重低音のボンボンとした音はまだ聞こえる、あるいは振動を感じるかもしれません。
つまり、音には、
・高い音になればなるほど、スピーカーの真ん前から離れれば離れるほど聞こえなくなる。方向性も前とハッキリしている。
・低い音は途中で壁があろうが、家があろうが、遠くまで聞こえ続ける。
という特徴があると思われます。
これを他の周波に当てはめると、
・周波の低いものの方が遠くに伝わる、また障害物に強い
ということが、この音の特性でおわかりになるかと思います。
これだと、低周波の方だけが遠くへ届くので優れて(?)いるように思えるかもしれませんが、この「音楽の低音」の例を思い返してみてほしいのですが、「方向性がなく伝わっていく」というのがおわかりになるでしょうか。この家の場合だと、家のすべてで低音が鳴り続けていると思われます。
つまり、二階のある部屋での音楽のベースの低音を、「隣の部屋でだけよく聞こえるようにする」とか「一階の南の方向の部屋でだけ聞こえるようにする」ことは難しいのです。
優れているのは距離(高い音より遠くまで届く)だけで、そこを起点としてボワーッと全体に低音は伝わっていくので、「この方向に低音を聞かせたい」ということはとても難しいと思われます。
これが低周波の特性ではないかというように思っています。
つまり、 HAARP (の一部の周波)が、もし非常に低いものだとすると、二つの特性を持つことが考えられるのではないかと思います。ちなわち、
A 遠くまで、しかも障害物に関係されにくく遠くまで影響
B しかし、方向をつけることが難しい
ということが言えるような気がします。
「障害物に関係されにくいということは海でも地下でも進んでいける」ということで、その点では頼もしいのですが、四方八方に伝わっていってしまうと思われます。
たとえば、音楽の低音を遮ることの難しさというのは、「防音」という特殊な壁や建物の設備がないと難しいことでもわかるように、広範囲で低周波を制御することは大変な技術が必要かと思います。
つまり、「アラスカで大きな音楽を鳴らして、それが、世界の半径数千キロくらいの範囲にベースの「ボンボン」とした音が伝わるほどの大音量だとして、その「ボンボン」の低音を他の範囲には伝わらないようにして、日本の関東にだけ伝えることは、果たしてできるのか」という話です。
上の低周波の特性だと、「確かに地震を起こすことはできても、どこで起きるかがまったくわからない」というふうに考えられるような感じがします。
これは、「HAARP 地震兵器説」の否定ではなく、その方法というものの可能性を知ってみたいという私の思いでもあります。また、そういう新しい技術論を知りたいという話でもあるかもしれません。
関係ないこと
私は思うのですが、とにかくこと自然災害などに関しての話は、できるだけ感情論と思想的主張を排除して話し合ったほうがいいと思っています。しかも、専門家だけではなく、いろんな人が考えるのがいいことだと思うのです。
私はもともと完全ないわゆる文系人間で、今でも物理知識はほとんどありません。なので、小学生の読むようなサイトで勉強したりしています。いや、本当はそれこそ、私のような中年よりも、もっと頭のやわらかい小学生や中学生などの若い人にも考えてほしいです。あるいは、その発想の中に「低周波に指向性をつける」というポイントがあるかもしれないですし。
それが兵器であろうと何であろうと、お仕着せの科学や常識ではない科学的発想がこれから求められるのだと思います。そして、できれば楽しい生活のために使えるようになると、とてもいいことだと思うのです。
とりあえず、直近では HAARP の話題はこれを最後とさせていただきます。これ以上は推定だけになってしまいますので、あとは知識のある方がお考え下さると幸いです。