サモアでマグニチュード8の大きな地震がありました。被害等はまだまったくわからないですが、場所的には津波の被害があるとは思われます。
興味深いのは、その後の「余震のようなもの」です。
サモアの本震の後の6時間程度で起きている余震(のようなもの)で、M2.5を越えているものは24回程度起きているのですが、USGSでは見事にすべて「深さ 10km 地震」となっています。下にそれらをすべて記しておきました。これは深度10km地震ウォッチャーとしてはすごいとしか言いようがなく、圧巻であります。
サモアの地震の後の余震(のようなもの)全データ
地震発生後6時間ほどの時点では、すべて深さ10kmとなっています。
M 5.1 2009/09/30 01:39:50 -15.483 -173.383 深さ10.0 km トンガ
M 4.9 2009/09/30 01:30:40 -15.526 -172.581 深さ10.0 km サモア諸島
M 4.9 2009/09/30 01:16:18 -15.577 -172.043 深さ10.0 km サモア諸島
M 5.1 2009/09/30 01:09:30 -14.972 -173.612 深さ10.0 km サモア諸島
M 5.2 2009/09/30 01:05:35 -14.914 -173.245 深さ10.0 km サモア諸島
M 5.1 2009/09/30 00:40:52 -15.460 -172.931 深さ10.0 km サモア諸島
M 4.8 2009/09/30 00:27:53 -15.029 -173.137 深さ10.0 km トンガ
M 4.9 2009/09/30 00:22:38 -15.380 -173.481 深さ10.0 km トンガ
M 5.0 2009/09/30 00:11:38 -15.992 -172.243 深さ10.0 km サモア諸島
M 4.9 2009/09/29 23:51:43 -15.134 -171.944 深さ10.0 km サモア諸島
M 5.9 2009/09/29 23:45:03 -15.840 -172.531 深さ10.0 km サモア諸島
M 5.4 2009/09/29 23:32:57 -15.539 -173.322 深さ10.0 km トンガ
M 5.5 2009/09/29 23:11:52 -15.565 -173.365 深さ10.0 km トンガ
M 4.9 2009/09/29 22:41:46 -15.200 -172.899 深さ10.0 km サモア諸島
M 5.1 2009/09/29 22:08:30 -15.345 -173.387 深さ10.0 km トンガ
M 4.9 2009/09/29 21:51:01 -16.174 -172.533 深さ10.0 km サモア諸島
M 5.0 2009/09/29 21:28:57 -17.205 -173.002 深さ10.0 km トンガ
M 5.2 2009/09/29 18:57:59 -16.067 -173.125 深さ10.0 km トンガ
M 5.0 2009/09/29 18:46:02 -14.953 -173.329 深さ10.0 km サモア諸島
M 5.4 2009/09/29 18:40:11 -15.347 -173.296 深さ10.0 km トンガ
M 5.1 2009/09/29 18:34:30 -14.871 -172.493 深さ10.0 km サモア諸島
M 5.0 2009/09/29 18:29:26 -15.948 -173.231 深さ10.0 km トンガ
M 5.8 2009/09/29 18:21:43 -16.197 -173.069 深さ10.0 km トンガ
M 5.6 2009/09/29 18:08:22 -15.467 -172.092 深さ10.0 km サモア諸島
ところで、「余震(のようなもの)」と余震と断定しない書き方をしていますが、「余震ってこんなに範囲が大きかったっけ」と地図を見て思ってしまったのです。
これが「余震のようなもの」の分布図で、本震は右の方のもっとも大きな青い四角のものです。
パッと見る分には余震っぽくはあるのですが、これをたとえば同じ縮尺程度だと思われる日本と比べてみるとちょっとその範囲が広すぎるようにも感じます。
これだと、東京湾で本震が起きた後に、余震が群馬や埼玉や名古屋あたりでも起きているというような感じにも見えます。
なんとなくサモアの地域全体が群発地震めいているということなのかもしれないですが、まあ何ともわかりません。様子を見るしかないようです。
なお、ちょうど昨日、久しぶりに「最近の深さ 10km の地震」マップを作っていたところで、理由は「また深さ 10km の地震が増えてきたから」です。
こちらが9月22日から9月29日までの1週間のもの。
右の方の赤いあたりのケルマデク島というところの10km地震は3日ほど前ですが、今回のサモアと近い場所です。
あと、ちょうど、9月21日から2ヶ月ぶりくらいに黒点が太陽に現れたことも、10kmの地震のデータ収集と関係があります。
こんなに長期間、黒点が出ない時期が続くというのは100年くらいなかったそうですので、またしばらく体験できないかもしれないですし、黒点の状況と地震の発生の関係を見ておきたいというのもありました。
結局は、「黒点が出ている時に大地震が起きた」ということになり、「黒点が出ている間は太陽活動が強いせいで宇宙線の地球への影響が弱まることにより地震は少なくなるかも」というワタシの推測とはまったく反対の状況になっています。
ついでに、最近話題にしていたので、HAARPの直近のグラフなど。
9月27日と9月28日にちょっと反応しています。
ただ、アラスカからでは、日本と同じくらいの距離があります。
サモアはちょうどアラスカの基地から5000kmの円の外周あたりですかね。
まあ、しかし関係はわからないです。
[追記]低周波の伝わりかたについて
先日、HAARPの関連の記事で、低周波について書いたのですが、こちらに興味深いQ&Aがありました。
「音としての低周波と、電磁波としての低周波の違いを教えて下さい」という質問なのですが、答えの中に、
> 音は真空中では伝わりませんが電磁波は真空中でも伝わります。
> 海中では電磁波は伝わりませんが、音は伝わります。潜水艦の探知は音です。
とありました。
海中では低周波の電磁波は伝わらないということのようです。
となると、(HAARP と地震が関係あると考えた場合の)海中で起きる地震(たとえば今回のサモアの地震のようなもの)への解釈もまた変わるような感じです。
空中からでの放射では海で遮断されてしまうので、ずっと地中を通らせていく必要がある・・・ということなんですかね。
ついでに、「低周波の速度」について調べてみようと思ったのですが、こんなページに突き当たって挫折。
例えば、比誘電率が 2.3 である、ポリエチレン絶縁同軸ケーブルの場合は、
Vp = 2.99792458e8 / sqrt(2.3) = 1.97677293e8 (m/s)
で、真空中の光速の 66 % になります。
・・・・・。
計算式の意味自体わからない・・・ orz
この件は本当に難しいですね。
中学生の勉強あたりからやり直さないとダメっぽいです。
[追記] サモア地震の際の現地の様子のようです。