だいぶん収まってはきましたが、基本的にまだ続いています。
そんな中、数日前からもうひとつの群発地震が始まっています。
米国カリフォルニア州です。
この群発、ひとつひとつの地震の規模は小さいですが、頻度が強烈で、USGSで数えてみても、10月1日から本日10月5日までに、マグニュード2.5以上の地震が60回ほど発生しています。これは大地震の後の余震以外ではあまり見ない頻度かと思われます。
日々の内訳は、
10月1日 16回(M4以上が1回。M5以上が1回)
10月2日 4回
10月3日 40回(M4以上が5回。M5以上が1回)
10月4日 8回
となっています。
こちらが10月に入ってからのカリフォルニアのすべての地震。
アースチェンジ・メディアのメールマガジンでもこのことにふれられていますが、中に、
This subduction zone has the potential to create mega-quakes which could reach 9.0 magnitude and larger. It has a history of such which in 1700 after a 9.0 earthquake…
(この地帯では、西暦1700年の時のようにマグニチュード9.0以上の巨大な地震を起こす可能性がある。)
というような記述があり、このブログ等で過去何度かふれている「北米大陸で懸念されている巨大地震」との関連を考える人も多いようです。
この地震については過去何度か記事にしたこともありますので、ご参照下さい。
» 米国で起きるかもしれない超巨大地震について(2008年10月28日)
» 北米プレートでの地震について(2008年12月10日)
などです。
ここで詳しいことは書かないですが、アメリカからカナダの太平洋側にサンアンドレアス断層のカスケード沈み込み帯という巨大な断層があり、309年前(西暦1700年)に最後の地震を起こしていて、その時の規模は
・地震の規模がM8.7−9.2
・断層の長さは1100km
・平均すべり量は14m
というものすごいものだったことがわかってきています。
そして、この巨大地震が今後50年以内に発生する確率が75%とされています。
どうやら、アースチェンジ・メディアはそのことを心配しているようです。
ただ、少なくとも最近では「群発地震が巨大地震に発展した例は少ない」はずで、今回のカリフォルニアの群発がどういうことになるのかはよくわからないですが、ほとんどの群発地震は「群発地震として消滅していく」ので、まあそうあってほしいですね。
なにしろ、懸念の北米カスケード沈み込み帯での過去の地震の規模はマグニチュード9前後。想定される規模が普通の地震とは違うのです。
また、最近の一連の記事との絡みでというと、地震の基本は「トリガー」(いろいろな種類が考えられるにしても)だとワタシは思っていますが、それが何なのか正確にはわかりません。
ちなみに、もっとも集中して群発地震が起きているのは、USGS の地図では、カリフォルニア中のオランチャという町のあたりのようです。
上に挙げたカスケード沈み込み帯との関係を地図に表しますと、こんな感じとなります。
ちなみに、オランチャという町は、よく映画の撮影で使われていて、その理由は多分、「典型的な砂漠の町の感じ」だからというような気がします。
これはこのオランチャで撮影された1990年の映画「トレマーズ」というモンスター映画のスナップですが、オランチャ全域がどうなっているのかはわかりませんが、こういう感じの地域も多いのかもしれません。
毎日起きているマグニチュード6規模の地震
それと、実は9月29日からのこの1週間、世界でほぼ毎日どこかで、マグニチュード6以上の地震が発生しています。
これも珍しいことです。
9月29日 マグニチュード 8.0 サモア
9月30日 マグニチュード 7.6 南スマトラ
10月1日 マグニチュード 6.6 南スマトラ
10月2日 マグニチュード 6.1 トンガ
10月3日 マグニチュード 6.1 台湾
10月4日 マグニチュード 6.6 フィリピン
29日のサモアと30日のスマトラの2つの地震をキッカケに全世界で地震の周期に突入した感はあります。
ただ、個人的には、日本に関しては、8日くらいに接近が予定されている台風18号にも注意かと。
10月4日現在、中心気圧が910ヘクトパスカルという、とんでもない台風で、日本に到達するまでにどの程度の勢力に落ちるのかわからないですが、先日までの台湾やフィリピンの台風被害などをみても、今の台風は過去のものとは違う気もします。
台風情報にご留意下さい。
[追記] 台風は直撃コースのままで、勢力も衰えてないです。
直近のアジア諸国での台風被害について映像等リンクしておきます。今年の台風は例年とはひと味違います。
インド(10月5日)
フィリピン・マニラ(9月26日)
台湾南部(8月9日)
[追記 2]
ナショナルジオグラフィックニュースに「サモアとスマトラの地震の関連性は?」という記事があり、全体のトーンはともかく、こういう部分があり、なんとなく注目したりいたしました。
2004年のインドネシアの地震の振動によって、カリフォルニアのサンアンドレアス断層に液体が流入し、この断層を震源とする小規模な地震が発生する頻度が高まったことを、同研究チームは発見した。このような液体の流入によって断層が液状化し、断層の両側の地盤が互いに滑る可能性が高くなるのである。
今回の、サモア→インドネシア→カリフォルニアの群発 という流れも今までにあったことなのかもしれないです。面白い話だとは思いますが、しかし、結論はいつ出るのか、あるいはもう出ないのか。