アメリカ国立科学財団が「21世紀のキャリントンの嵐」への警告
太陽活動のことや、CME と呼ばれる太陽から大量のコロナが放出される現象(巨大なフレアというように考えてもそんなに差はないかと思います)については何度かふれたことがあります。
参考過去記事
・月や太陽フレアと地震についてのこと 2010年02月02日
・人類と太陽(サイクル24の活動期を迎えて) 2009年10月27日
いろいろな専門家などが、現在の太陽活動であるサイクル24の最大活動期に起きる可能性のあるCMEが地上の文明に大きな影響を与える可能性があると述べてきていたわけですが、先日、アメリカの連邦機関であるアメリカ国立科学財団が、「次に起きる太陽嵐が現代社会に大きな悲劇を連鎖的に起こす引き金となるかもしれない。」という内容の文章をリリースしました。
Taking the "Surprise" out of Surprise Solar Storms
アメリカ国立科学財団 ( National Science Foundation ) 2010年03月17日
完全な訳ではないですが、こちらに、日本語での説明があります。
この中で、国立科学財団は、1859年に起きた「キャリントンの嵐」と呼ばれる、人類の近代文明史上でもっとも巨大だったと思われる CME が地球に及ぼした影響を書いていて、それと同じようなものが起きる可能性があり、もし起きた場合の被害は悲劇的なものとなるかもしれない、としています。
国立科学財団は、こういう発表には慎重な機関らしく、それなりに懸念も増しているということかもしれません。

▲ NASA のリリースしたCMEのイメージ。
キャリントンの嵐に関しては、 Wired Vision の2009年09月09日の記事、巨大磁気嵐と人間の文明:1859年の太陽嵐が示すものなどに説明されていますが、その時に起きたことを簡単に書きますと、
・当時で最もハイテクな通信装置であった電報システムが世界中で破壊
・電信局の交換台が世界中で使用不能に
・オーロラが南下し、キューバや、アメリカのフロリダで目撃される
などです。
それほど被害が大きくなかったのは、そもそもに「IT設備が限られていた」時代だからに他なりません。
それにしても、1859年で、西洋には電話とか電報システムが構築されていたのですね。1859年というと、日本では安政6年で、まあ、多分、ハイテクな通信機器はほとんどなかったでしょうし、当時の日本は影響なかったと思いますが、今は違います。
日本や韓国、台湾などの東アジアの国々は世界でもっとも生活基盤をITに依存している率の高い国々です。つまり、「ハイテク通信網がやられた場合にもっとも影響を受けやすい国」となっていると思われます。
というか、まあ、もし、上のアメリカ国立科学財団が懸念しているような規模(1859年ほど巨大な)CMEが地球に向けてやってきたら、受けた地球の半球全域の文明は一時的にせよ、もうダメになりそうです。
こちらの記事によると、上のような CME が仮に北米大陸を直撃した場合、「被害額は最初の1年で100兆円から200兆円」で、「完全復旧には4年〜10年かかる」と試算されています。
東アジアを直撃した場合も同じような感じでしょうか。まあ・・・再生する経済余力のない国の場合はどうにもならないこともあり得るかもしれません。
太陽活動が活発になれば、CMEが発生するのは仕方ないことで、最近では、すでにたびたび発生していますが、規模の問題と、そして向きの問題の影響が大きいです。上記の Wored Vision の記事では、もっとも大きい CME が発生するとしたら、太陽活がもっとも大きくなるとされている2011年から2012年頃とのことです。
防げるものではありませんので、ひたすら「地球のほうに来ないでね」と願うしかないようです。
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[追記] 3月20日にも発生していた CME

NASA の宇宙天気情報サイトのスペースシャワーの3月20日の記事によると、この日に太陽の西側の方で CME が発生していたようです。地球の方向に向いていませんので、地球には影響はないようです。



