今回は昨日の「地球から消えていく水」の2として、カザフスタンで消滅した湖の「アラル海」のことを書こうと思っていました。ところが、昨日、今まで見たことのない HAARP モニタのグラフの変動があり、ちょうど先日書いたHAARP絡みの記事の直後に、メキシコで大きな地震が起きたということもあり、少し気になって、もう一度少しだけですが、地震のことなど調べていました。
その時に・・・
ピーンとひらめきが(軽いなあ)。
どこまでうまく書けるかわからないですが、書いてみます。
まずはその HAARP モニタのグラフの変動。
単位のnTはよくわからないですが、この数値、すなわち1000で振り切れるのを見たのは、私は初めてですし、多分、滅多にないものだと思われます。
HAARP の公式な動作
いろいろと想像しても仕方ないので、HAARP の公式のサイトのテクニカル・インフォメーションを読んでみました。ものすごく簡単に書くと、 HAARP は、
1. ハイパワーの高周波を北極から送信
2. 電離層への効果の観測
ということをしているそうなのですが、このページの中にある「During active ionospheric research」(活発な電離層に関する研究をしているあいだ)を読んで、「ああそうか」と気づいたのです。
NASA の宇宙開発の例でも散見できますが、目的が軍事であろうと、他であろうと、国家の科学的研究は民間とは別の進み方をしているはずで(民間より進んでいるとは限らないですが)、すべて公開する必要は特にはないわけです。特に電離層のように、研究に比較的大規模な設備が必要とされそうなものでは、確かに国家などの大きな組織のほうが有利そうです。
となると、電離層について、より多くのことを知っている、あるいは HAARP 成立以来の数年間で「解明されてきたことがあれば」ということが前提なら、それで地震を起こせる可能性は確かにあるかもしれないと、ふと思ったのです。
今思い出す宇宙線と地震の関係
このことは、VAN法というギリシャで90年代に開発された「地中を流れる微弱な地電流の変化によって地震を予知する」という地震予測の方法があるのですが、その原理を見ていて気づいたものです。
この図は、VAN法を解説しているものです。
地中で起きている予兆を先にとらえるというような構図となっているのがおわかりかと思います。このVAN法もそうなのですが、今、世界中にある民間などを含めた予測の大前提が、地震の前に地中から電流などの予兆が出るということになっています。つまり、「地震がある前に地中から発生する予兆がある」という理屈です。
しかし、私は基本的にこの意見を今ではまったく支持していません。
わりと長い間、群発地震や何やらを観察していて、そして思うのは、長期間の変動とは別に、地震というのは「いきなり起きる」と痛感しています。
さて、ここで私が昨年の6月に書いた過去記事をリンクしておきます。
・宇宙線と地震や火山の噴火の関係
です。
下の動画はその時に貼ったものです。
東京工業大学・大学院の丸山茂徳教授がここで話しているのは、
・地震を起こすトリガーとなるのは宇宙線
・つまり、地震の起きるシステムは今まで語られていた「力学的」なものではない
・浅い場所ほど宇宙線の影響を受ける
というようなことで、つまり、「宇宙線が地殻にケミカルな影響を与えて、(岩盤が破裂するような原理で)地震は起きる」ということです。これはこれまでの突然起きた巨大地震の唐突さを物語っていますが、宇宙線の正確な観測はできていないので、このことは実証されていません。
さて、ここからは私の意見ですが、地震という現象は、地中や地殻で単体で異変(地震)が起こるのではなく、宇宙線など上から異変が来て、地中でケミカルな反応を起こし地震が起きるのではないかと私は今では思っています。
これは、VAN法などの言っている前提とは逆なのですが、上からの異変も地中へ到達する前に機器に反映されるので、結果的には予測に反映されてくるということです。もちろん、予知機器には他の様々な電波も入りますでしょうし、これは予知地震の信頼度の問題の話ではなく、ここで書いているのはあくまで「地震の発生原理」の話です。
これを読んでお気づきになるかもしれないですが、「地震に関係する宇宙線の種類」というものが存在するのかもしれません。いつも同じ宇宙線が地球へ来ているわけではなく、地震発生時に来る宇宙線があるのかもしれない。それは、下のほうに書いた「銀雲」という高々度にできる雲のエピソードとも関連します。
何しろ、宇宙線のことはまだ多くが解明されていないので、このあたりは解明待ちということになるのでしょうかね。しかし、思い込みを含めて言わせていただければ、地震の発生の原因(の一端)が宇宙線というのは間違いなく感じます。ただし、300km以上の深さなどの非常に深いところで起きる地震に関しては、また違うのかもしれないです。
電離層の破壊と宇宙線の関係
この意見を前提に考えていただきたいのですが、HAARP の公式のサイトにある説明の
・ハイパワーの高周波による電離層への影響
は、できるかどうかは別としても、「電離層の破壊の試み」も含まれている可能性はあります(やってみたい科学者はたくさんいそう)。
電離層は、こちらに書かれているように、厚さが580キロもある非常に暑い層ですが、超短波ならこのように最上部に位置するF2層という層を突き抜けていくことができるようです。
もちろん、超高周波は突き抜けるだけで「破壊することなどできない」はずですが、まあ、そこは国家のマシン、できるのかもしれない(適当ですが。笑)。
さて、破壊できたとして、問題となるのは、そもそも「電離層は宇宙線の通過と関係あるのか」ということがあります。宇宙線は地球をも突き抜けていくほどの小さな存在。電離層などあってもなくても同じなのではないか、とは思います。まあ、そこはわからないです。ただ、試験的に電離層の破壊を繰り返して、「地震が起きるかどうか」のデータくらいは取れると思います。ダメならやめるでしょう。ここ最近は確かに大きな地震と HAARP は連動しています。
そういえば、昨年の夏に書いた記事に銀雲(silvery clouds)というものが出ています。これは、高度60kmくらいの高いところにできる雲で、宇宙飛行士くらいにか見ることができないのですが、これが見えると必ず地上で災害が起きるそうで、宇宙飛行士たちの間では、「銀色の雲と地上の災害、とくに地震とは何らかの関係がある」というような共通認識があるという話です。
雲の生成と宇宙線に明確な関係があることは、私は先日知って、太陽活動と宇宙線。そして、地球の天気という記事に書いたのですが、普通はできない高々度の雲と宇宙線も関係あると考えると、「銀雲が出る時だけ地球に来る宇宙線」があると考えても、さほどおかしくないのではないかと思います。
アメリカには NASA があります。銀雲の観測はあるいは日常的にできるのかもしれない。つまり、「銀雲の観測 → 電離層の破壊 → 結果」というデータは取れるのかもしれません。
いずれにしましても、地震の原因の多くは宇宙から来ているというのが最近の私の結論です。最近は何でもかんでも宇宙からで申し訳ないですが(笑)、そう考えるのがむしろ自然に思えます。
仮に、HAARP が地震発生装置なら、それを巧みに利用する試みということかもしれません。まあ、宇宙を利用できるほど人間はかしこくないと思いたいですが。
[追記]他の要因について
上に書くのを忘れましたが、以前、記事書いたように、同時に NASA などでは、太陽フレアやCMEとの地震の関係。、あるいは月の引力と地震の関係というものも調べられていますので、宇宙線を含む「それらの相乗効果」という側面はあると思います。
しかし、少しでもこのあたりが真実に近ければ、地震の予知は数千年先でなくともできるようになるかもしれないですね。地球が少し残っていれば。
[追記2]地磁気嵐と CME
現在、太陽のCMEの影響で、地磁気嵐というものが活発になっています。これは太陽活動の影響で磁気が乱れた状態となることで、あるいは、今回の HAARP の乱れたグラフの一端にもなっている可能性もあるかもしれません。
また、昨日、「地球に向けて噴出されたCME」が発生していて、大規模ではないようですが、数日内に何らかの影響(通信障害など)がある可能性もあります。
こちらは、NICT 宇宙天気情報からの抜粋です
6日1時(UT)頃、太陽面現象としてCME(コロナ質量放出)が確認されました。SOHO衛星のLASCOカメラからは、太陽面の東側への放出が淡く確認されますが、STEREO衛星のCORカメラからは、ほぼ地球側への放出が確認されており、地磁気活動へ影響を与える可能性があります。
影響があった場合、到達は8日から9日が予想されます。
なお、以前より、太陽フレアと HAARP のグラフには多少の連動性が見られますので、明日以降の大規模な HAARP グラフの乱れはこの CME の可能性はあるかもしれません。ただ、このあたりの因果関係はあくまで推定で、何ともわかりません。
ちなみに、 NICT のこちらによると、「高エネルギー電子」というものがオレンジゾーンに突入しています。
この高エネルギー電子というのがわからない。東京大学宇宙線研究所の森正樹さんという方の書かれた「高エネルギー電子、ガンマ線」というのを読みましたが、ますますわからなくなってしまいました(笑)。これを読むと、要するに宇宙線のことのようですが・・・太陽からも出ている? あるいは「高いエネルギーの電子」という意味の一般名詞なのかな。