メキシコ湾で起きている原油流出に関して言えることのひとつとして、「原油の流出はこれまでにも起きていた」ということと、そして、「それはある程度は回復してきた」ということで、その回復の部分は多くが海の微生物による分解によるもののようです。
そもそも「原油」というものは、こちらのサイトを見ますと、次の4つの成分からなる物質のようです。
・飽和分
・芳香族分
・レジン分
・アスファルテン分
私にはそれぞれ何のことだかわからないですが、これらのそれぞれの成分に対して、それぞれの分解や、分解に類する能力を持った微生物が海には存在していて、そのことによって海は自浄能力でまた元に戻っていく、ということになるようです。
様々な物質を「個別に」分解できるおびただしい種類の微生物の個々の活躍により、結果的には「いつかは」海は綺麗になっていく。
「いつかは」と書きましたが、ここが問題なのだと思います。
今回のような人類の近代文明史の中で経験したことのないような大量な原油の流出の場合、確かに海の微生物たちはいつかは海の状態を回復させてくれるのでしょうが、上のサイトの石油分解の専門家らしい方も「私たちが生きている間かもしれませんし、孫の時代かもしれませんが、こういう作用によってきれいになっていく」と書かれているよう、「いつか」というのはわからないわけです。
1989年のエクソン・バルディーズ号の原油流出事故でも、こちらによると、「当初は除去作業や微生物による分解で、数年後に原油はほぼ消えると期待されていた」のですが、事故から20年後の今年2010年の調査で、まだ原油は海から消えていないことがわかっています。
エクソン・バルディーズ号の原油流出量は24万バレルと言われています。
今回のメキシコ湾での流出は前回の記事での
石油掘削装置を動かしているBP社の環境に関するファイルによると、「最大で1日162,000バレルが流出する」と推定している。
という最悪の例まで見なくとも、すでに事故から20日間が経過しているわけで、一日1万から2万バレル程度の原油が流出していたとしても、すでに数十万バレルの原油が流出している可能性があります。もちろん、上のPB社の試算の量が流出しだしたら、エクソン・バルディーズ号の原油流出事故の量など2日間で越えてしまいます。
そのエクソン・バルディーズ号の事故で流出した石油でも、20年後の今、「まだ海から消えていない」という事実。
仮に、今回の原油流出で、海が「1000年後にやっと回復した」とします。最終的には回復するわけで、地球にとっては問題ないわけですが、その間の「海の機能の麻痺と人間の生活の問題」というのは現在生きている私たちにとっては重要といえるかもしれません。
要するに、「今回の原油流出で、われわれが生きている間には海の機能は元通りに回復せず、海の食物連鎖が麻痺してしまうのではないか」というような懸念であります。
たまには予言的な話など
アイスランドの火山噴火や今回の原油流出や、各地の異常気象など、あまりにもカオスな最近の自然現象を見ていると、どうしても「終末的」な心境は感じます。あるいは最近の市場の乱高下やユーロの危機などの経済的な終末の様相も含めて、何となく「いろいろと始まってしまうのかなあ」という感じは正直あります。
今回は、そういう心境を代弁しているようなものの中で、「海の生態系の破壊の問題」について書かれてある「予言などにある文章」を抜粋して載せておきます。
私は予言やオカルトに関して、特に信奉しているわけでも特に否定しているわけでもありませんが、最近では予言や聖典のたぐいを読むと、「何だか、そうなっちゃってるかもなあ」という感じはあります。
今回は3つ。
新約聖書の「ヨハネの黙示録」と、セルビア人の家庭には「一家に一冊彼の予言本が置いてある」というセルビアの予言師である19世紀のミタール・タラビッチの予言、そして、「英語圏の人々の集合無意識」を文章化して発表しているコンピュータオタク集団 WebBot Project の2009年のレポートからです。
・ヨハネの黙示録 第8章 6-10
『口語 新約聖書』日本聖書協会、1954年
そこで、七つのラッパを持っている七人の御使が、それを吹く用意をした。
第一の御使が、ラッパを吹き鳴らした。すると、血のまじった雹と火とがあらわれて、地上に降ってきた。そして、地の三分の一が焼け、木の三分の一が焼け、また、すべての青草も焼けてしまった。
第二の御使が、ラッパを吹き鳴らした。すると、火の燃えさかっている大きな山のようなものが、海に投げ込まれた。そして、海の三分の一は血となり、海の中の造られた生き物の三分の一は死に、舟の三分の一がこわされてしまった。
第三の御使が、ラッパを吹き鳴らした。すると、たいまつのように燃えている大きな星が、空から落ちてきた。そしてそれは、川の三分の一とその水源との上に落ちた。この星の名は「苦よもぎ」と言い、水の三分の一が「苦よもぎ」のように苦くなった。水が苦くなったので、そのために多くの人が死んだ。
・ミハール・タラビッチの予言全訳
ヤスの備忘録 2010年02月19日
多くの数字が書かれた本を読んだり書いたりするものが、自分たちがもっともよくものを知っていると考える。これらの教育のある人々は、自分の人生を計算に基づいて送ろうとし、数値の命ずるままに行動する。こうした人々の中にも悪人と善人が存在する。悪人は悪い行いをする。彼らは空気と水、そして河川や土地を汚染し、このため人々はさまざまな病気で突然と死ぬようになる。善人で賢いものたちは、彼らの努力にはなんの価値もなく、ただ世界を破壊するだけであることを悟り、数字に答えを見いだすのではなく、瞑想を通して真実を発見しようとする。
彼らが瞑想すると神の知恵に近付いて行く。だが、ときはすでに遅すぎた。悪意をもつものたちが全世界を荒らし回っており、巨大な数の人々がすでに死にはじめているからである。人々は都市から逃げ出し、田舎に避難する。人々は十字が三つ並んだ山を探す。その中では人々は息をすることができ、水も飲むことができる。この中に逃げ込んだものたちは、自分も家族もともに救うことができる。だが、それは長くは続かない。なぜなら、すごい飢饉が襲うからだ。町や村には十分に食べ物がある、だが、それらは汚染されている。飢えた人々はそれを食べるが、食べたとたんに死んでしまう。早く死んだものたちこそ逆に生き延びるのだ。なぜなら、聖霊に助けられ神に近付くことができるからだ。
・非対称型言語傾向分析報告書 来るべき未来の形 0巻0号
WebBot Project 2009年6月17日配信
・ 2009年から2010年にかけて、海洋の異常は主要メディアで報道される。だが、なによりも海洋の異常は食料の不足を引き起こすのである。海洋の食物連鎖が大規模に破壊されるので、一年で約10億人分の食料が影響を受け、これらの人々の健康に影響する。
・ 海洋の変化は深海や潮間帯における激しい生物バランスの変化となって現れる。2009年の秋から冬にかけての漁業のシーズンになると、漁獲高が大幅に激減する。そのため、2010年になると世界の民衆は海洋生物のシステムになにか根本的な変化があったことに気づくようになる。
・ 海洋のシステムの変化は、陸上の食物生産に大きな影響を及ぼす。海洋の大気の循環が変化するため、世界の農業生産地域の配置を大きく変えてしまう。
です。
ちなみに、新約聖書の「苦よもぎ」(ニガヨモギ)に関しては、ニガヨモギの近縁種にウクライナ語で「チョルノブイリ」と呼ばれるものがあり、このために、これが1986年のチェルノブイリ事故のことではないかといわれることがあります。
しかし、確かに大きな事故だったとはいえ、いくらなんでもこの事故で、ヨハネの黙示録にあるよあに「(世界の)水の三分の一が苦よもぎのように苦くなった」ということはなかったと思われ、また、 Wikipedia でも、
> チェルノブイリ事故による放出は、広島に投下された原子爆弾の放射性の汚染の400倍多いが、20世紀中頃の大気圏内核実験で起こった汚染の100から1,000分の1だった。チェルノブイリ事故は局地的な災害であって、全地球的災害ではないという考え方もできる。
とあります。
関係ないとするのが一般的な話のようです。
ちなみに、英語の聖書でのニガヨモギは「Wormwood」となるようです。
まあ、そんなわけで、どれもこれも暗い予言ですが、しかしまあ、実際、今のご時世が明るく感じるかというと、そのあたりは何とも微妙な感じはします。
とはいえ、世界で起きることと「個人の生」はまた別ものでもありまして、こういうことから意味なく悲観的になるのもまたあまり意味のないことで、要するに、海のことにしても何にしても、「淡々と現実を眺めて、あとは自分の生活を大事に(できれば楽しく)生きていく」というのがよろしいのではないですかね。
ただ、以前も書いたことがありますが、食糧に関しては、農業の世界的な不振の可能性は強く、この先どうも食糧の供給に関しては怪しいと思います。特に、自給率の極度に低い東アジアの諸国では、なかなか厳しいことも続きそう。口蹄疫は日本でも拡大が食い止められていないですし(すでに6万頭の家畜が殺処分されていますが、収束の目処は立っていません)、食糧に関してだけはある程度のご用意をされるのもいいのかもしれないですね。
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[追記] アイスランドのエイヤフィヤトラヨークトル近辺での地震が数が突然増加しています。
アイスランド気象庁の地震情報を見ますと、当地と日本の時差がわかりませんので、アイスランド時間で書きますが、アイスランド時間5月10日の午前から、アイスランド全域での群発地震が多発しています。
こちらのグラフを見ても、突如と増えているのがおわかりかと思います。
赤いマークが4時間以内に起きた地震で、オレンジは12時間前からのもの。
そして、今噴火しているエイヤフィヤトラヨークトル氷河の周囲なのですが、エイヤフィヤトラヨークトルはアイスランドの南、つまり、地図で下の方になります。
分布図を見ると、エイヤフィヤトラヨークトル周辺で群発地震が増えたことがわかります。これが、カトラ火山などを含む新たな火山活動の兆候なのかどうかはわかるはずもないですが、ただ言えることは、「火山活動はまったく衰えていないようだ」ということです。
アイスランドのエイヤフィヤトラヨークトル氷河周辺の火山の位置は大体ですが、以下のようになっています。
まだ、カトラ火山のほうでは地震は起きていないようです。