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2010年05月18日


米国とメキシコの海岸に漂着し始めた大量のイルカとウミガメの亡骸

Update - コメントで、「メキシコ湾の原油流出を核爆弾で止める」というような記事があると教えていただきました。最初はロシアのタブロイド紙から出た話でしたが、オバマ大統領も核使用の検討を始めているようです。いろいろな意味で困ったことになってきましたね。 下にリンク等を追記しておきます。




今日は、さきほど、1997年の台湾の口蹄疫という記事をアップしたばかりなので、ちょっと慌ただしいペースなのですが、ロシアの通信社プラウダで興味深い記事を見つけましたので、翻訳してアップすることにしました。

dolphin1.jpg

原油流出が続くメキシコ湾の周辺の海岸に100匹以上のイルカとウミガメが死んで打ち上げられているというものです。実は、昨日、中国の新華社のニュースでも「メキシコのアカプルコに50匹以上のウミガメが死亡して打ち上げられている」という写真報道がありました。下のは翻訳されたものです。

アカプルコの海岸に50匹以上のウミガメの亡骸が打ち上げられる


下のプラウダの記事の書き方では原油流出と関係があるというような感じですが、ただ、昨日のアカプルコの打ち上げられたウミガメたちの死体の写真を見ると、非常に傷ついていて、中には体が千切れた状態で打ち上げられたものもあり、単純に「原油が原因」というようなことではない可能性もあるかもしれません。

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・5月17日にメキシコ・アカプルコに打ち上げられたウミガメ。すべて死んでいて、体の破損が激しい。


あるいは死んだ後、長いこと海を漂っているうちに波などで体がズタズタになってしまったというようなこともあるかもしれません。

そんなわけで、原因は不明ながらも、いずれにしても、「海で何か起きている」ということは間違いないことだと思います。


(翻訳ここから)



USA: Over 100 Sea Animals Washed Up Dead
Pravda 2010.05.17

米国で100匹以上の海の動物が死んだ状態で打ち上げられた

米国ルイジアナ、ミシシッピー、フロリダ、およびアラバマの海岸に、この2週間で、7匹のイルカと117匹以上のウミガメが死亡した状態で打ち上げられている。 それらがBPの石油流出災害と関係があるという証拠はないが、この偶然の一致には大きな意味がありそうだ。

科学者たちは、この動物たちの死の原因を突き止めるために調査をしているが、4月20日以来、1日100万リットルの原油をメキシコ湾に噴出し続けている原油流出が原因であるという視覚的な証拠は挙がっていない。

米国政府の海洋哺乳類委員会の責任者であるソランギ博士は、「彼らの棲む海域に油があることには疑いの余地はないが、しかし、イルカやウミガメの死と油の関係は今のところわかっていない」と、ロイター通信に語った。

原油の流出は4月30日に始まり、その10日後に海域に棲む動物たちが石油に見舞われて始めているので、このイルカやウミガメの検死結果は今月末までに明らかになることが望ましい。


破局が迫っているのだろうか

また、ソランギ博士はこのインタビューで、イルカが「炭坑のカナリア」(危険を告げるものの意味)として行動をとり、差し迫っている破局を人類に警告しているのかもしれないと言っている。 イルカやウミガメは食物連鎖の頂点にいる動物たちでもある。したがって、今回のことが、仮に彼らが汚染された魚を食べた後に起きたことだとしたら?

しかし、当局は結論を出してはおらず、また、このイルカやウミガメが、浅瀬に打ち上げられていたことと、これらの動物の中に慢性の病気の兆候を示していたものがいたということで、この死を重油の流出とは関連づけていない。

しかし、この領域に生息するウミガメのうち5つの種は絶滅危惧種という事実がある。彼らの死の原因が重油の流出だとしたら、これは、氷山の一角の出来事なのかもしれない。



(ここまで)


[追記] メキシコ湾の原油流出に核使用を検討か

コメントで Over60さんにいくつかのリンクを教えていただきました。
深刻な感じの記事ばかりですが、紹介しておきます。

「メキシコ湾原油流出は核爆弾で止められる」と露新聞報道
スラッシュドット・ジャパン 2010年05月13日

メキシコ湾原油流出事故、核利用をまじめに検討中
スラッシュドット・ジャパン 2010年05月18日

Barack Obama sends nuclear experts to tackle BP's Gulf of Mexico oil leak
オバマ大統領は核の専門家をメキシコ湾の石油流出現場に向かわせた
Telegraph 2010.05.14

下のテレグラフの記事によると、オバマ大統領はどうやら BP 社の対応に見切りをつけ始めているようで、核爆弾などを使って原油流出を止めることを検討し始めているようです。かつてロシアでは何度か成功していたのだそう(全部成功しているわけではない模様)。オバマ大統領が集めたメンバーの中には水素爆弾を世界で最初に設計した82歳の技術者なども含まれていて、とても軽い次元の話ではなさそうです。

また、現在の流出した原油の対流にはニューヨークタイムズの記事によると、長さ 16 km、幅 5 kmに達するようなものもあるそうです。

Giant Plumes of Oil Forming Under the Gulf
メキシコ湾の下に形成される巨大なプルーム
New York Times 2010.05.16

そこまで巨大な原油の対流が海中で起きているとなると、該当地域の大型生物(数センチ以上など)はあまり生き残れないとは思います。しかし、海の生態系で大事なのは実数の少ない大型生物よりも微生物だと思われるのですが、これは推測ですが、現在、多分、海中に「原油を分解する微生物」が極端に増えていっていると思われ、以前記事でふれた砂浜実験区における原油の微生物分解実験あたりから考えると、毎日10の何乗とかの途方もない単位で増え続けていると思います(何しろ栄養源の原油が途絶えることなく流れ続けてくる)。

彼らは原油を分解してくれているわけですが、しかし、その「海中での占有率」が問題になるかもしれません。

プランクトンの異常発生である赤潮や、藻が異常繁殖したアオコなどの状態なども、どちらも「生物」によりもたらされる事態ですが、それがどういう影響を与えるのかを考えてみると、生物の爆発的な増殖のこわさが少し想像できる気がします。

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レコードチャイナより2008年の中国安徽省の湖のアオコ

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三浦半島デジカメ便りより2008年の野比海岸の赤潮。


まあ、このまま海は死んでしまう可能性もないとは言えなくなっています。
何千年か、あるいは何万年かが経てば再生するのでしょうけれど。
そういえば、新約聖書のヨハネの黙示録の第8章にこんなくだりがあります。


第二の御使が、ラッパを吹き鳴らした。すると、火の燃えさかっている大きな山のようなものが、海に投げ込まれた。そして、海の三分の一は血となり、海の中の造られた生き物の三分の一は死に、船の三分の一はこわされてしまった。



 > 海の三分の一は血となり

赤潮の写真を見ると、この状況は理解できなくもないです。
タグ:メキシコ湾

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