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2010年05月25日


米国政府が天然痘ワクチンの備蓄を強化

最近、自然災害と共にずっと気になっていたのが、ウイルスや真菌などの病気に関する報道です。日本では最近では海外の病気に関しての報道は目にしませんが、実は今、世界中で「新たなウイルスの脅威」が芽生えていることを感じます。こちらの疾病と大量死カテゴリーを見ても、連日のように病気のニュースは拡大しています。もちろん、通年同じように発生する病気もたくさんありますし、そうでないものもあります。

「感染する人類の病気」として考えられるものの中で、もっとも恐ろしいもののひとつに「天然痘」があります。今回翻訳した記事によると、20世紀の100年間で、戦争で死んだ人は世界で約1億5000万人もいました。戦争の死の数も大変なものです。

しかし、天然痘は同じ100年で「5億人を殺した」ということです。
時代全体の人口を考えると、ものすごい数だと思います。

今朝、 USA トゥディをボーッと見ていましたら、「smallpox」という文字が。この「スモール・ポックス」という可愛い響きの単語が、100年間で5億人の人間を殺した天然痘の英語での名称です。

それによると、アメリカ政府が天然痘ワクチンの備蓄を強化し、アメリカのほぼ全人口分のワクチンの備蓄(3億人分)を完了したというニュースです。意味はともかく、この現実にはいろいろと考えさせられるものがあります。

また、この記事には天然痘の恐怖だけではなく、ワクチンの副作用の強さや、また、このワクチンが「サルでの臨床だけで人間に使用されようとしているのかもしれない」ことなど、最近の新型インフルエンザワクチンでの問題などを含めて、非常にいろいろな問題を含んでいるような感じがしたので、訳してみました。

私には今回、「良い」、「悪い」の判断ができない部分があります。
天然痘はワクチン以外では防げないし、しかし、そのワクチンの安全性にはあまりにも疑問符がつく。仮に天然痘がまた世の中に出てきた場合、どうすればいいのかなはわかりませんが、そのあたりを様々に考えていただければ幸いかとも思います。



(ここから)



U.S. government stockpiles new, safer smallpox vaccine
USA TODAY 2010.05.25


米国政府が、より安全な新しい天然痘のワクチンを備蓄を開始

合衆国政府が、天然痘ワクチンの備蓄を強化している。
バイオテロで感染しやすい何百万人分かの新しいバージョンの天然痘ワクチンだ。

デンマークのワクチンメーカーであるバーバリアン・ノルディック社製のワクチンは、改変されたMVA(ワクシニアウイルス)、アンカラから作られている。これは、何世代も使い続けられている牛痘ワクチンの安全な代替手段だ。最初の積荷は先週、アメリカの戦略的国家備蓄(SNS)へと運ばれた。

数千年もの間、天然痘は世界で最も多くの人を死に至らしめた病のうちのひとつだ。天然痘が存在した最後の世紀(20世紀)には、天然痘で少なくとも5億人が死んだと見られている。同時期に全世界での戦争での死亡者数は、約1億5000万人なのだ。「天然痘 vs 戦争」のコンテストでは戦争は完敗したと、ベストセラー「ホット・ゾーン」の作家であるリチャード・プレストンは自身の著作に書いた。


天然痘ウイルスはまだ生きている

天然痘の脅威はいまだに完全に収まったわけではない。自然での感染こそ終息したが、ウイルスはアトランタの疾病管理予防センター(CCD)と、そして、おそらくロシアの研究所での冷凍室でいまだに生きている。ロシアでは、かつてのソビエトの科学者たちが何トンもの戦争用の天然痘を作り続けていたと信じられている。ソビエト連邦の分裂と国際テロへの脅威の高まりが、米国にワクチンの備蓄を促した。

非営利の大量破壊兵器研究所のCEOランダル・ラーシェンは、「2001年6月に、我々はアメリカの2億8000万人の人口に対して、天然痘ワクチンを1200万人分用意した。」として、また、「国家備蓄は、標準的な天然痘ワクチンの3億人分の準備がある」といい、「そのことから、実質的に我々は大量破壊兵器のカテゴリーから天然痘を排除している」。

ワクチンは、感染の後でも天然痘の発症から防御することができる。

しかし、標準的な天然痘ワクチンは、ひどい副作用を引き起こす可能性がある。天然痘ワクチンは、天然痘の親戚である牛痘を弱めた状態で使用する。このワクチンの生きているウイルスは人間の体内で繁殖し、そして、その人は彼らの周囲の人々を感染させてしまうことができるのだ。免疫系の弱い人や、皮膚炎などの基礎疾患のある人たちは致命的なワクチン由来の感染症にかかりやすい。それらの副作用の起きる割合は米国の人口の25%にも上るかもしれないと専門家は言う。


2003年の奮闘は拒絶された

2002年から2003年には、政府が医療従事者に対しての天然痘の予防接種のキャンペーンを行ったが、多くの医療従事者たちが副作用の問題からワクチン接種を拒絶し、このキャンペーンは終了した。

米国アレルギー感染症研究所の責任者は、「私たちが数年前に人々に予防注射をしようとしたとき、大きなネックは安全問題だった」と言う。

新しい天然痘ワクチンは、基本的には人間の体内で複製するための遺伝子を失ったウイルスだが、免疫反応を誘発するために必要な遺伝子を保っている。過去5年の間、バーバリアン・ノルディック社は、皮膚炎患者やHIVの多くの患者と、多くの高齢者たちに臨床をを実行した。「古いワクチンでの副作用を、それらの新しいワクチンでの臨床例ではまったく見ていない」と、バーバリアン・ノルディック社のCEOは言う。

「傷跡が副作用に繋がるので、皮膚に傷をつけずに注射するのだ」

バーバリアン・ノルディックの最初の契約は、1000万人分を保護するための2000万回分のワクチンが米国に供給される。ここには、さらに4000万回分購入できるオプションがついている。

米国食品医薬品局は、この天然痘ワクチンが古いワクチンのような免疫反応が起きないかどうかの安全に関するプロフィールと試験に基づき、このワクチンを備蓄用として認可した。バーバリアン・ノルディック社は、あと3,000人の患者で臨床を行い、安全性の確認を行う予定だ。もちろん、人のボランティアを天然痘に感染させると考えているわけではないので、天然痘のためのサル痘を使い、猿が人間の代役を務めるのだろう。

「これが成功すると、動物ルートで承認された最初のワクチンになるだろう。」とCEOは言う。

ノルディック社のワクチンで対抗できるウイルスは天然痘だけではない。ノルディック社では現在、MVA(ワクシニアウイルス)ベースの炭疽菌とHIV、そして、はしかのワクチンをテストしている。同社は現在、炭疽菌に対する免疫反応を見るために、ウサギで5つのプロトタイプの炭疽菌ワクチンをテストしている。





(ここまで)


文中に出てきた、リチャード・プレストンという作家の書いた「ホットゾーン」とは、エボラウイルスの恐怖を描いたノンフィクションのようです。楽天のホット・ゾーンにある解説によると、

【内容情報】(「BOOK」データベースより)

脳、内臓を溶かし、目、鼻、口など、体中の穴という穴から血の滴が滲み出てくる…。アメリカの首都ワシントン近郊の町、レストンのモンキー・ハウスに突如出現した、恐怖の殺人ウイルス「エボラ」。その致死率は九十パーセント。感染者十人のうち九人は死に追いやられる!核攻撃さながらの最高度機密保持態勢のもとに展開された、「エボラ」制圧作戦の全貌を余すところなく描き出した、“ホラー小説よりはるかに怖い”迫真のノンフィクション。感染の恐怖に耐えながら、ウイルス制圧に命を懸ける兵士や学者の素顔も鮮やかに描き出される。


とのことです。


タグ:天然痘

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