(訳者注) 関東あたりは昨日(8月7日)あたりから、猛暑は若干落ち着いた感はありますが、韓国では猛暑での人的被害と共に、家畜の被害が続いています。
AFP通信の報道によれば、韓国農務省は、8月8日までに、
ニワトリ 786,512羽
アヒル 40,780羽
ウズラ 約 3,000羽
豚 336頭
牛 5頭
が、韓国で 7月20日以来の猛暑で死亡したと発表しています。
そして、通常以上の気温が続いている中、海産物、野菜価格なども高騰し続けているようです。
この家禽類を含む「農作物への天候の世界的な影響」というのがどうも拡大しているような気がいたします。
現在、「農業輸出大国」としては、
アメリカ
ロシア
インド
などが洪水被害か、あるいは干ばつかのどちらかの大きな影響を受けています。
現在の「食糧」というものは、ある程度の正常な国際関係の中でこそ何とか回っているものですが、この流れにキシミが生じると、結構厄介かもしれません。
とはいえ、夏が終わるまでは静観するしかないのかもしれません。
また、南米の各国や、オーストラリアなどの南半球の「農作シーズン」は秋から始まります。そのあたりの天候状況次第ということかもしれません。
今回は、韓国の猛暑による農家の悲鳴が記事にされていたものをご紹介します。
ソウル新聞 2012.08.08
猛暑に苦しむ朝鮮半島。死んで行く家畜たち
▲ 8月7日、忠清北道忠州市で水を屋根にまく農家。韓国では、7月20日以来、猛暑でニワトリ数十万羽が死亡するなど被害が出ている。
続く猛暑に家畜が次々と死亡している。野菜と果物の価格も高騰中だ。また、海では赤潮が発生する可能性があり、漁民たちも心休まらないという。8月7日、韓国農水省食品部によると、8月6日までに家畜 42万頭が猛暑で死亡した。このうち鶏が 40万羽と 95.9%を占めた。 暑さに強い豚も今回の猛暑には勝てず、100余匹が死亡した。 養殖場のアサリも死滅している。被害農家は143所に上る。
現在、農漁業災害保険の「猛暑特約」に加入している 1066世帯の農家の中で被害を届けた農家は 108ヶ所だが、被害申告は増える見込みだ。
農水産食品流通公社によれば、8月7日時点で、 キューリ10個の小売価格は 6218ウォン(約 400円)で例年より 5.9% 上がった。ほうれんそうは1キログラムで 6390ウォン(約 450円)で 9.3% 上昇した。
農業経済の研究員によれば、高温で成長が遅くなっているため、今月の出荷量はさらに減少すると見込んでいる。そのため価格はさらに上がるだろうという。
40万羽以上が死亡したニワトリの価格は 14.3% 上がり、イカの価格も 31.2%上がった。イカは収穫は多いのだが、猛暑の中の流通のために多くの氷が必要なため価格に跳ね返っているという。
7月末までは作況が良かった果物も、高温による害虫発生が増え、また、日差しによる損傷などで作況が不振に振れている。そんな中で、トマトや他のフルーツ類の価格も上昇している。
今回の韓国の猛暑では 8月6日までに 13人が熱中症で死亡している。