(訳者注) 昨年、タイでは歴史的にも未曾有といっていい大洪水に見舞われました。タイの今度の約3分の1が被災地域となるという大災害で、アユタヤのハイテク工業団地の日本企業も大きな被害を受けたことは記憶に新しいところです。
▲ 2011年の洪水で水没したホンダのアユタヤ工場。
昨年の In Deep の、
・全土の3分の1が災害地域となったタイで首都に迫る未曾有の大洪水
In Deep 2011年10月13日
などにそのことが書かれてあります。
そして、今年、再びそのタイ北部で深刻な洪水が発生しており、スコータイというタイ北部の大きな街がありますが、そのスコータイ市は全体の7割が浸水しているのだそうです。
▲ 9月11日のスコータイ市の様子。
現在の洪水については、タイのメディアで様々に報道されていますが、その中で、「2011年の洪水の恐怖を繰り返すな」というタイトルの記事をご紹介します。
'No repeat of 2011' flood horror
NATION (タイ) 2012.09.11
2011年の洪水の恐怖を繰り返すな
今年も洪水が発生する季節となったが、政府と洪水管理委員会は、昨年のような混乱の発生を防ぐために、現在起きているタイ北部の洪水による危機の沈静化に全力を上げている。
タイ農業情報研究所の所長と洪水管理委員会のメンバーは、「今回、いくつかの地域を襲っている洪水は、昨年の洪水のような規模にはならないはずだ。雨と嵐の数も2011年より少ないと考えている」と語る。
しかし、ピサヌローク、アユタヤは洪水に見舞われ、スコータイは壊滅状態となっている。
タイの厚生大臣は、スコータイで防水壁による洪水対策をおこなうと語った。
2011年には、タイはこの数十年の間で最悪の洪水に見舞われ、800名の犠牲者を出した。また、アユタヤをはじめとする7つの工業団地、そして、首都バンコクも甚大な洪水被害に遭った。
しかし、タイの環境関係者は、「昨年はエルニーニョ現象の影響下にあり、タイでは通常より雨と嵐が多かったが、現在はラニャーニャ現象の下にあり、雨は昨年より減る」と見ている。
今回のタイ北部の洪水は、前例のない豪雨の結果によるものだという。
この洪水被害で、低い平野部では水の完全な排出までには数週間かかると見込まれる。