スーパー南京虫というのは、市販の殺虫剤に対しての「1万倍」以上の抵抗性を持っている現代の南京虫のことで、 In Deep で2010年頃に、アメリカがそのスーパー南京虫の大繁殖で大変なことになっていることを下のような記事にしたことがあります。
・アメリカを侵略している南京虫は DDT にも耐えられるスーパー南京虫
2010年10月03日
その後、個人的に忘れていたのですが、昨年 2012年の12月に NHK の「クローズアップ現代」という番組で放映されていたそうで、日本でも被害が増えているということのようです。下はその番組内容にある文章です。
忍び寄る“スーパーナンキンムシ”
クローズアップ現代 (NHK) 2012.12.06
深夜、音もなくしのび寄り人の血を吸う害虫、ナンキンムシ。戦後、DDTの大量散布で一度は駆除されたかにみえたこの虫が今、再び海外から持ち込まれ、その被害が増加している。しかも押し寄せているのは遺伝子を変異させ、市販の殺虫剤にかつての1万2千倍の抵抗性を持つに至った「スーパーナンキンムシ」。アメリカではすでに被害が拡大し、ニューヨークの大型衣料品店が一時、閉店に追い込まれる事態となった。スーパーナンキンムシはいつどこで、なぜ発生したのか。そして殺虫剤の効かない相手をどうやって駆除していけばいいのか。
スーパー南京虫の日本語での正式名は、トコジラミで、英語では Bed Bug (ベッド虫)で、どちらにも「人間が眠る場所」の名前がついているように、そういうようなところに潜みます。
その理由は、彼ら南京虫のエサが人間(人間の血)で、寝床には夜に鳴門人間が来て眠るからです。エサが来るのを待っているわけです。
いずれにしてもアメリカ「発」かどうかはわからないですが、アメリカで被害報告が多発して3年目くらいになりますが、「トラベラーズ・トゥディ」という旅行者むけのサイトで、「2012年のアメリカでもっともナンキンムシの被害が多かったのはシカゴ」というタイトルの記事がありましたので、ご紹介します。
こういうニュースの意味は何かというと、ナンキンムシは「人の移動と共に移動している」と考えられるからです。衣服などに潜んで、他の地域へと移動していく状況も確認されています。
つまり、旅行や移住の際に持ってきちゃうんですね。
なので、米国と日本を含む各国との往来の状況を考えますと、世界中にスーパーナンキンムシが拡大するのも時間の問題かと思われます。
Worst Bed Bug Cities 2012: Chicago Tops The List as Worst in the U.S.
Travelers Today 2013.01.18
ナンキンムシ被害の米国ワースト1の街はシカゴ
米国の大きな問題となっているナンキンムシはニューヨークのような大都市に住んでいるものと考える人が多いが、意外にもニューヨークがナンキンムシのワーストの街ではないことが調査でわかった。
2012年に関しては、シカゴがワースト1だった。
この「米国ナンキンムシ・ワースト・ランキング」では 2011年ではシンシナティだった。
2012年では、コロラド州のモンテローズ、ミシガン州のグランドラピッズなどの小都市がリストの 50位内に入っていた他、デトロイト、ロサンゼルス、デンバーもリストのトップに含まれる。
害虫駆除会社 Safer Pest Control Project の副社長によると、「かつて、ニューヨークははひどい被害が報告されていたが、対策を打ったせいで、上昇率は抑えられているが、シカゴではほとんど対策がとられておらず、被害件数は増える一方だ」と言う。
全米で多数の顧客を持つ同社では、ナンキンムシの蔓延に対処する方法のトレーニングやアドバイスを提供するために、様々な都市と提携している。
シカゴ市では 2011年にナンキンムシに関する被害の通報が 1365件だったが、 2012年には 1533件となった。
Safer Pest Control Project 社は、ナンキンムシ対策へのガイドライン作成支援のための新たな条例を策定するためにシカゴ市と提携した。現在のナンキンムシには、プロの知識がないと対処できないという。