2月4日のこのブログの記事で、
・火星のトカゲ
2013年02月04日
というものをご紹介しました。
火星無人探査機「キュリオシティ」が送信してきた写真の中に「トカゲ」のような、あるいは、そのような形が見られると話題となっているというものでした。
下の写真です。

数日前のことですが、 NASA がこの「物体」について、唐突に「説明書類」をリリースしました。 下のようなものです。

PDF 書類で、誰にでもダウンロードできます。
場所は、NASA のジェット推進研究所の以下の URL にあります。
http://www.jpl.nasa.gov/images/msl/20130211/ventifacts.pdf
です。
NASA の見解は「岩の浸食状態によるもの」という説明なのですが、しかし、誰も公式に NASA に質問したわけではないのに、ここまで詳細な PDF 書類をウェブで公開するという異例なことで、むしろ私などは「奇異な感じ」を受けました。
英語の説明の内容はややわかりにくいものですので、最初の2ページの英語の部分を日本語にしました。
1ページ目

「あまり浸食されていない固い表面の岩では、しばしば風によって、表面に塊や突起ができている光景を皆さんも見ることがある思う。以下さらに詳細に説明する」
「これは風によって浸食された岩の表面だ。時間の経過とともに表面に影響を与える多くの微粒子(塵、砂)によって引き起こされる。この岩の模様の意味は、岩の柔らかい部分は、微細な風で他の部分より強く浸食されることを意味する」
「風によって直接浸食されていない表面がある一方で、風が吹きつけた表面は塵のない状態になりやすいことに注意してほしい。これは薄い層、あるいは赤みがかった塵か岩の風化した層になると思われる」
2ページ目

「この突起の部分は、突出部の端の岩の異なる種類のものだ。異なる岩で構成されているか、あるいは岩粒径のサイズがより小さいものだと思われる。この突起部分の岩は、風に対しての浸食に強いものだと考えられ、下にある岩を浸食から保護しているのだろう。
岩が光っているのは、この岩が微細な粒子を有しており、また比較的硬いものであることを示していると思われる。微細な粒子を有する硬い岩は、風によって研磨されることで、なめらかな表面になることが知られている。これは、地球の南極にある岩の例などで説明できる」
3ページ以降は、下のように地球の南極の岩の説明などになりますので、そちらは割愛します。

いずれにしても、今回の NASA の不自然ともいえる反応は、むしろ「別の意味で」世界中の注目を集めることになってしまっています。
こんなものは放っておけば、他の火星の様々な「奇妙なもの」と同様に忘れられたものだったろうに、このような発表をしたおかけで、さらに多くの人が知ることになってしまいました(苦笑)。
ちなみに、これが何かはともかく、少なくとも「動いたり変化したりしないものかどうか」を調べるのは簡単なことで、もう一度、キュリオシティが同じ場所を撮影すればわかります。



