▲ ペルーの首都リマ市に出現した「大気中の水分から飲料水を作る」という看板。リマ国立工科大学( UTEC )が出したもの。
--
今から3年くらい前に、
・バックミンスター・フラーの忠告
という記事を書いたことがあります。
バックミンスター・フラーというのは、Wikipedia によりますと、
アメリカのマサチューセッツ州出身の思想家、デザイナー、構造家、建築家、発明家、詩人。その生涯を通して、人類の生存を持続可能なものとするための方法を探りつづけた。
という人ですが、ウェブ・ボットの代表者であるクリフ・ハイがエッセイの中に、バックミンスター・フラーの名前を引用していたことがあり、そのことが印象的だったことを書いた記事でした。クリフ・ハイは、バックミンスター・フラーが「自然の力とは戦ってはならない。使うのだ」と言っていたとして、次のようなエッセイを書きました。
クリフ・ハイ巻末エッセイ
2009年3月配信 ALTA レポート 1309
ところで、太陽系全体で大きな変化が起こっている。ここで思い出して欲しいのは、「自然の力とは戦ってはならない。使うのだ」というバッキー・フラーの忠告だ。
2009 年は変容が始まる年である。太陽系のこの変化によって人間性の変容のプロセスは加速されるのである。その意味では、まさにいまわれわれは巨大な転換点に立っていることになるのだ。
これから様々な意味で混乱するだろう。その中でわれわれは変容することを積極的に選択しなければならないのだ。いずれにせよわれわれは変容せざるを得ないのだから。先ほどのバッキー・フラーの言葉を言い換えるなら「自然の力をこちらから捕まえてそれを使うべきだ」ということになろう。
今年は選択と意思決定、そしてリスクを伴う行動のときだ。変容の過程が進行中であることをあなたは感じるだろうか? もしまだなら、感じるまでの時間はわずかである。待っていないで変容の過程に飛び込んでゆくべきなのだ。
というものでした。
まあ、今回ご紹介することに関しての前振りとしては大げさだったかもしれないですけれど、ペルーで、大気中の水分を生活用の水に変換する装置をペルーの大学生たちが実用化しているというようなニュースを読みまして、少し思いました。
ニュース自体は詳しいことが書かれていないので、どの程度のものなのか、あるいは価格などについてもわからないことばかりですが、大気中から飲料水を得ることができるというのは、「当たり前のような気がしているけれど、はじめて聞いた」というような話にも思えます。
今回はその報道を、ブラジルのメディアからご紹介します。
この方法は、たとえば、日本の梅雨時などでは大気中の湿度は相当な高さになると思いますので、方法だけでも知っておくと何かの時などに役に立つ技術かもしれないです。
日本は水が豊富だとはいえ、今でも水は河川、つまり「雨頼り」であるわけで、毎年のように各地で断水や取水制限が起きます。
そして、今後は環境の変動も大きくなる可能性はあるわけで、大雨が続くというような可能性がある一方で、大変な干ばつという可能性はどこの国でも起きる可能性はあると思います。たとえ僅かな量でも(飲料水だけでもという感じの意味で)、大気から水を得られる装置には興味があります。
それではここから記事です。
Outdoor gera água potável no Peru usando ar
Info Abril (ブラジル) 2013.02.25
屋外の空気を使ってペルーで飲料水を生成
▲ 給水装置に並ぶ人たち。
ペルーの首都リマでは現在も、特に貧困層の人々にとって、清潔な水を得ることには難しさが伴う。多くの住民たちが衛生的ではない井戸水を飲用としていることによって危険にさらされている。
リマは砂漠に接しているためにほとんど雨が降らないが、大気中の湿度が 98パーセントに達するという特徴を持っている。この環境を利用して、リマ国立工科大学( UTEC )では、営利目的と共に、リマでの住民と学生たちとのコミュニティを親密化する「ふたつの目的」を達成するために、大気中から飲料水を作り出すというキャンペーンをおこなっている。
湿度から飲料水を作り出す装置は、屋外に設置され、5つの浄化された水の貯蔵タンクを備えている。キャンペーンの看板には、毎日、9450リットルの水を生成できるとあり、これにより、何百もの世帯の衛生的な飲料水として使えるという。この水は装置の蛇口から出た水をそのまま飲むことができる。
リマ国立工科大学のウェブサイトによれば、利益と学生たちの技術の進歩のために、ペルーの環境を使っての「持続可能な自然エネルギーの活用」を目指している。