
今日の朝日新聞で「富士五湖のひとつである河口湖の水位が下がっている」ことが報道記事となっていました。
その記事を最初にご紹介します。
河口湖の水位が低下 「湖上のお堂」徒歩で行けるように
朝日新聞 2013.03.24

▲ 湖底の一部が露出し、歩いて渡ることができるようになった河口湖の六角堂。多くの観光客らが訪れている=21日、山梨県富士河口湖町
河口湖(山梨県富士河口湖町)の水位が下がっている。普段はボートでしか近寄れないお堂に歩いて行けるため、話題になっている。一方、魚の産卵場所の露出や水質悪化の心配も。降水量が少ないことが原因とみられる。
県によると、河口湖の水位は1999年以降の3月の平均水位と比べ、約1メートル低下。このため、湖岸から170メートルほど離れた湖上に立つ「六角堂」まで歩いて行ける。観光に訪れていた東京都杉並区の医師米山公造さん(55)は「この様子が見られるのは一生に一度かも。見ることができてよかった」と話した。
富士五湖のうち、山中湖は2年前の台風後の増水の影響が残り、平年と比べ30センチ上昇したまま。だが、精進湖、本栖湖、西湖でも河口湖と同様に、15〜30センチほど水位が低下している。
朝日新聞 2013.03.24

▲ 湖底の一部が露出し、歩いて渡ることができるようになった河口湖の六角堂。多くの観光客らが訪れている=21日、山梨県富士河口湖町
河口湖(山梨県富士河口湖町)の水位が下がっている。普段はボートでしか近寄れないお堂に歩いて行けるため、話題になっている。一方、魚の産卵場所の露出や水質悪化の心配も。降水量が少ないことが原因とみられる。
県によると、河口湖の水位は1999年以降の3月の平均水位と比べ、約1メートル低下。このため、湖岸から170メートルほど離れた湖上に立つ「六角堂」まで歩いて行ける。観光に訪れていた東京都杉並区の医師米山公造さん(55)は「この様子が見られるのは一生に一度かも。見ることができてよかった」と話した。
富士五湖のうち、山中湖は2年前の台風後の増水の影響が残り、平年と比べ30センチ上昇したまま。だが、精進湖、本栖湖、西湖でも河口湖と同様に、15〜30センチほど水位が低下している。
というわけで、現在の水位を見てみました。
富士五湖の水位は、ほぼリアルタイムで状況を確認できます。
河口湖の現在の水位
テレメータ水位 河口湖 2013年03月24日

河口湖は水位のデータ自体が表示されておらず、これは計測できる水位を下回っていることを意味している可能性があります。
参考までに他の富士五湖のいくつかの水位は下のように、例年よりは低いということですが、極端な変化が見られるということではないです。
テレメータ水位 山中湖

テレメータ水位 西湖

富士山を巡る懸念は増大しているけれど
富士山については、いろいろなことが言われていますが In Deep の過去の記事で、
・ 鎖国と「富士山大噴火」を生み出した前回マウンダー極小期
2011年11月09日
というものを書いたことがあります。
また、昨年、茨城県つくば市の防災科学技術研究所の調査により、「富士山のマグマに強い圧力がかかっている」という研究結果が発表されたりもしています。
その時の記事も参考として抜粋しておきます。
日本経済新聞の記事です。
震災で富士山マグマに圧力 研究チーム「警戒を」
日本経済新聞 2012.09.06
1707年の宝永地震より強い力
2011年 3月11日の東日本大震災と4日後に静岡県東部で起きたマグニチュード(M)6.4の地震によって、富士山のマグマだまりに噴火を引き起こしかねないほどの大きな圧力がかかったことが防災科学技術研究所(茨城県つくば市)などのチームの研究で分かった。
圧力の高まりだけが噴火の要因ではなく、現在のところ、噴火の兆候は観測されていない。ただ富士山の直近の噴火である1707年の宝永噴火で直前の宝永地震により富士山に加わった力より、今回の力は強く、チームは「地震から数年たってから噴火する可能性もあり警戒が必要」としている。
国は2004年、富士山の噴火による経済的な被害は最大で約2兆5千億円に上るとの想定を報告。山が大きく崩れた場合、被災者数は約40万人になるとの専門家の試算もあり、噴火による被害は甚大とみられる。
日本経済新聞 2012.09.06
1707年の宝永地震より強い力
2011年 3月11日の東日本大震災と4日後に静岡県東部で起きたマグニチュード(M)6.4の地震によって、富士山のマグマだまりに噴火を引き起こしかねないほどの大きな圧力がかかったことが防災科学技術研究所(茨城県つくば市)などのチームの研究で分かった。
圧力の高まりだけが噴火の要因ではなく、現在のところ、噴火の兆候は観測されていない。ただ富士山の直近の噴火である1707年の宝永噴火で直前の宝永地震により富士山に加わった力より、今回の力は強く、チームは「地震から数年たってから噴火する可能性もあり警戒が必要」としている。
国は2004年、富士山の噴火による経済的な被害は最大で約2兆5千億円に上るとの想定を報告。山が大きく崩れた場合、被災者数は約40万人になるとの専門家の試算もあり、噴火による被害は甚大とみられる。
確かに、富士山の噴火は迫っているようにも見えます。
ただ、私個人は富士山の噴火の被害が、世間で言われているような「カタストロフ的なもの」とはまったく思っていません。
1707年の宝永噴火でも、江戸の日本橋には富士山の噴火を見るための見物客が押し寄せていた記録などが残っており、もちろん、富士山周辺の地域は大変な被害になるとは思いますが、メディアなどで語られる富士山噴火の被害想定は「大げさ」だと思います。むしろ生きている間に富士山の噴火を見られるなら、「日本人として幸せだ」とさえ私は思っています。
というのも、私は「富士山は日本人の存在の精神的な意味を担っている」と考えるからです。
そんな富士山が悪魔のような形相で日本人を苦しめるとは決して思っていません。
そもそも、富士山は「火山爆発指数」という火山の爆発のエネルギー示す指数でもわりと低いほうで、1707年の宝永噴火でも「4」となっています。1991年にフィリピンで起きたピナツボ火山の火山爆発指数が「6」でしたので、比較の数値は目安ですが、ピナツボ火山の噴火の 100分の1以下程度のエネルギーだったと考えられます。

▲ 火山爆発指数 - Wikipedia に私が注釈を加えたものです。
小惑星の衝突などと比較すると、富士山や他のどんな火山も、日本にある火山の噴火は決してカタストロフを呼び起こさないと思います。
ただし、北朝鮮の白頭山とか、米国のイエローストーン、あるいはインドネシアのトバ山あたりのレベルとなると、確かにカタストロフかもしれないですが。
そのあたりは下の記事などをご参考にしていただければ幸いです。
・日本・中国・韓国・北朝鮮の共通の最大の懸念のひとつである「白頭山の噴火」
2012年05月07日

・世界の7つの超巨大火山のひとつが存在するニュージーランドで起きている巨大な徴候
2012年08月14日
・7つの超巨大火山
2010年01月06日



