2016年3月9日に「地球の記録」は、新しいサイト「地球の記録 - アース・カタストロフ・レビュー」に移転しました。今後ともよろしくお願いいたします。






2013年05月18日


朝鮮半島の軍事最前線の「白翎島」で韓国での同日での地震最多記録となる群発地震が発生



kim.jpeg

▲ 今回地震のあった白翎島の周辺には、3月に北朝鮮のキム・ジョンウン第1書記が直接視察に赴いています。東亜日報の「金正恩、白翎島の打撃順番を直接指示」より。



物騒な場所で起きた、自然界の物騒な異変


韓国の沖合にある白翎島(ペンニョンド)という場所で、マグニチュード4.9の地震と、その前後に周辺海域で8回を越えるような余震が起きています。これは韓国では本当に極めて珍しいことです。

白翎島とは下の場所です。

Baekryong_location_2.png


地震の多い国である日本だと、マグニチュード 4.9程度の地震などは何でもないような話ですが、韓国は全土を通して地震というものがほとんどといっていいほど起こらず、まして、今回地震が起きた海域では、地震の発生はほとんどない場所といっていいところです。

しかも、群発地震というものがほぼ記録にない国で、群発地震のようなものが起きているということで、韓国では大きな報道となっています。




その海域は北朝鮮と韓国の軍事的な衝突ポイントでもある場所

この「白翎島」という島、朝鮮半島情勢的にも複雑な場所ある島でして、そのあたりを Wikipedia から抜粋します。


白翎島(ペンニョンド)

朝鮮半島の西、黄海上に浮かぶこの島は、大韓民国(韓国)の施政下にあり、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)と間近に対峙している。

白翎島との間の海域には韓国の北方限界線(NLL) が走っている。一方、北朝鮮はNLLを認めておらず、1999年に独自の「海上軍事境界線」を白翎島の南方に設定したため、この海域の主権をめぐって南北が争っており、2010年には白翎島西南海域で天安沈没事件が発生している。ただし、北朝鮮は白翎島と韓国本土との間の船舶の通航のみは認めている。

このように韓国にとっては北朝鮮との最前線となる島であるため、住民とほぼ同数の 4000人規模の海兵隊第 6旅団が配備されている。



下の図は、 中国のサイトにあったもので、日本語ではないのですが、「北方限界線」などは同じ漢字ですので、なんとなく位置関係としてはおわかりになるかと思います。

pen-map-2.png


こういう物騒なところで、「記録では起きたことのないような地震が起きている」ということがとても興味深かったので、ご紹介しました。

記事は、韓国のメディアの最新のものをご紹介します。




kr-eq.png
 mediatoday (韓国) 2013.05.18


白翎島でマグニチュード 4.9の地震。余震も多数


5月 18日午前、黄海にある白翎島(ペンニョンド)島の南 31kmの海域で、マグニチュード 4.9に及ぶ強い地震が発生した。揺れは首都圏ソウルの一部でも感じられた。

韓国気象庁によると、本日、午前 7時 02分頃、白翎島から南に 31kmの海域でマグニチュード 4.9の地震が検出された。

この日は、午前 3時にも同じような区域(白翎島の南南東 31kmの海域)で、マグニチュード 3.5の地震が発生したのに続き、マグニチュード 4.9の地震の後も 6回も地震が続いた。

マグニチュード 4.9以外のすべての地震は以下の通りだ。

7時24分には白翎島南南東35kmの海域でマグニチュード 2.2の地震
その2分後に白翎島南31kmの海域でマグニチュード 3.3の地震
7時54分には白翎島南南東24kmの海域でマグニチュード 2.4の余震
9時13分には白翎島南32kmの海域でマグニチュード 2.4の地震
9時32分には白翎島南南西36kmの海域でマグニチュード 2.5の地震
11時45分に白翎島南32kmの海域でマグニチュード 3.9規模の地震

このように8回もの地震が一日の中で続けて発生したというのは、韓国での最多記録だ。

109519_112569_5631.jpg


今回の地震は今年、韓国で発生した地震の中では最もマグニチュードが強いもので、1978年以来の記録では、韓国で起きた地震の規模として6番目の大きさに相当する。

今回の地震で白翎島と仁川(インチョン)の周辺だけでなく、首都圏ソウルの一部地域でも地震で建物が揺れる振動が検出され、気象庁や放送局に問い合わせの電話が殺到した。




Sponsored link





人気ブログランキングに登録しました。よろしければクリックして下さると幸いです。