▲ 6月中旬にインド北部の山間部で発生した大洪水は、今でも6000人近くの方の行方がわからないまま、捜索は終了しました。上の記事の写真は、行方不明の人たちの家族などが町に写真を張り出しているもののようです。AFP より。
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In Deep でインド北部での大洪水について書かせていただいたことがあります。
・世界中で止まらない「黙示録的な洪水」の連鎖
2013年06月20日
▲ インド北部で早いモンスーン到来により記録的な洪水と鉄砲水が発生。写真は洪水に飲み込まれたウッタラーカンド州にある聖地リシケシのシヴァ神の巨大な像。6月18日。
それから約1ヶ月が過ぎましたが、今でも約 6000名もの方々の行方がわかっていません。
インド政府はその行方不明者を死亡したと見なし、今後は家族への補償などにあたるそうですが、地元では今なお行方不明の人々家族などが消えてしまった家族を探している日々のようです。
これについて、ニューヨーク・タイムズのインドニュースからご紹介します。
India Declares 5,748 Missing in Himalayan Floods
NYTimes 2013.07.15
インドの州政府は、ヒマラヤ地方での洪水による行方不明者が 5,748名にのぼると発表した
▲ ウッタラーカンド州のジョリーグラント空港に貼られる行方不明者たちのポスター。6月21日。
大規模な鉄砲水がウッタラーカンド州の北部の地域を襲ってから1ヶ月が経過した。同州当局の大臣は、行方不明が宣言された 5,748人の家族に義援金の配布を開始すると明らかにした。
州大臣ヴィジェイ・バフグナ氏は、7月15日までに発見されなかった行方不明者の家族は 50万ルピー( 約83万円)の補償を受ける権利があると先週述べていた。
補償を希望する家族は、行方不明となった家族や親戚が洪水時にウッタラーカンドで姿を消したことと、そして、見つかった場合には保証金を返却することを誓う宣誓供述書にサインする必要がある。
行方不明の検索は続いている。バフグナ氏は、「これは私たちにとって大きな悪夢である。しかし、希望は常にある。行方不明者たちがどこかに生きていることを祈りたい」と語った。
洪水での公式での死者数は 580人となっている。
巡礼や観光のピークのシーズンだった6月16日から17日にかけて、鉄砲水はウッタラーカンド州の全13地区に影響を与えた。
行方不明者約 6,000人のうち 4,824人は地元の人ではなく、他からやってきた巡礼者や観光客たちだった。
洪水の際には、ウッタラーカンド州当局は、空路や陸路で 108,653人を避難させ、また、軍隊をはじめとした様々な公共機関による 10,000人以上の部隊と、ヘリコプター70機が救助活動にあたり、それは 25日間の昼夜に渡って続けられた。
空軍のヘリコプターの墜落により、軍人からも20人の犠牲者が出た。
当局にとっては大きな課題は、巡礼と観光が収入源だったこの地域から洪水の後、観光客たちが離れていってしまったことで、この収入源を再度築かなければならないとしている。