ロシアの声を見ていたら、下の記事があったんですよ。

「なんだ? このタイトルのニュースは」
と読んでみました。
ペルーの肉食ハエの幼虫が観光客の頭部を食す
VOR 2013.07.18
ペルーを旅行した英国人女性、ラシェーリ・ハイスさん(27)は頭痛を訴え、病院で検査を受けたところ、頭部には肉食のハエの幼虫が見つかった。幼虫は皮膚を破って内部から頭を食していた。インターナショナル・ビジネス・タイムズが報じた。
ハリスさんは旅行中、頭にハエがとまっていたのには気づいたものの、特に注意を払わなかった。ところが帰国と同時に頭部に激痛を感じ、病院に駆け込んだ。
医師らはハリスさんを詳しく調べたところ、頭部に、肉食虫の Cochliomyia hominivorax の幼虫8匹が見つかった。
幼虫はハリスさんの頭部をかじり、すでに12センチの長さのトンネル状の穴を開けていた。今のところ医師らが駆除に成功したのは8匹のうちわずか2匹。幼虫がハリスさんの脳にまで達した場合、死にいたる危険性があるため、医師らは手を尽くして残りの虫の駆除にあたっている。
この虫は160年前に全滅したと思われていたが、実は生き残っていることが最近になって明らかにされている
というものでした。
恐ろしい感じもしますが、興味もありましたので、調べてみました。
ちなみに、ブラジルなど現地に近いメディアでも、このニュースは数多く報道されていて、このラシェーリ・ハイスさんという英国人女性のお姿なども写っているのですけれど、何とも愛らしい感じの女性で、今回のニュースの語感とは合わない感じです。
下の女性です。

▲ BBC Brasil より。
ニュースの内容としてはどの報道でも大体、上のような感じなのですが、他のメディアでは「頭部」という書き方はしておらず、「耳管」や「三半規管」など、耳の奥で発見されたということですが、場所としては確かに頭部ですので、表現の違いだけのようです。
また、他の報道では、ハエの幼虫はすべて排除されたというようなことが書かれてあるものもありますので、上の女性はとりあえず危機を脱したようです。
ところで、このハエは何なのか?
その手がかりは、上の記事中の「 Cochliomyia hominivorax 」というハエの種類の英語名で、読めないですけれど、調べてみますと、日本語では「ラセンウジバエ」というもののようです。
日本の Wikipedia には項目はなかったですが、英語の Wikipedia に説明がありました。
概要を記します。
Cochliomyia hominivorax
ラセンウジバエ、あるいは、スクリューワームは、その幼虫が温血動物の生体組織を食べる方法で知られている寄生ハエの一種だ。
ハエの幼虫による生きている脊椎動物への寄生は、医学的には「ハエ幼虫症」と呼ばれている。多くの種類のハエの幼虫は死んだ肉を食べる。時折、生きている人間の腐敗した傷に沸くこともあるが、健康な組織を攻撃することは希だ。
しかし、ラセンウジバエは、生きている人間の傷口、そして生まれたばかりの動物のへそを含む温血動物の露出した肉部に 250個から 500個の卵を産む。孵化した幼虫は、宿主の生体に重大な組織の損傷または、死を引き起こす可能性がある。
米国では、公式に不妊虫技術を使用して1982年にラセンウジバエを根絶。1995年にエルサルバドルとホンジュラスでも根絶、1994年にはグアテマラとベリーズで根絶された。
ラセンウジバエの根絶キャンペーンは、米国農務省からの財政支援を受け、メキシコ、ニカラグア、コスタリカ、パナマ、ジャマイカで継続している。
ということで、どうやら南米には今でも根絶されずに残っているハエのようです。
それにしても、いろいろなニュースがあるものです。
そして知らない様々な動物や昆虫がいるものだと思います。