▲ Red Orbit より。
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今年8月の In Deep の、
・心地よい死の園からの帰還後に気付いたイルカの大量死と人間の大量死をつなぐ曖昧なライン
2013年08月10日
という記事に、アメリカの東海岸でイルカの大量死が続いていることについて、異常事態を宣言したという報道をご紹介しました。
下のような報道です。
イルカの死亡数の上昇につき、米国は「異常な大量死の事象」と宣言
ロイター 2013.08.08
連邦政府所属の科学者たちは、アメリカの東海岸におけるバンドウイルカの異常に高い死亡数を調査した。海岸に打ち上げられたイルカの死体の数は、通常の7倍の率に上っている。
東海岸のニュージャージー州からバージニア州では、6月からだけでも 120頭以上の死亡したイルカが打ち上げられているのが見つかっていると NOAA は述べる。科学者たちは、この出来事を「通常ではない大量死事象」だと宣言し、原因を調査している。
現在のところ原因は判明していない。
というもので、その際には下のような数のイルカの大量死が報告されていました。
その後、アメリカ海洋大気庁( NOAA )が、 9月 2日までの最新のデータを発表しています。
上の報道は8月の上旬までのことを報じたものですが、そこに「6月からだけでも 120頭以上の死んだイルカが打ち上げられている」とありますが、その後、さらに増えています。
ここらの表やグラフはすべて、 NOAA の、
2013 Bottlenose Dolphin Unusual Mortality Event in the Mid-Atlantic
2013年のアメリカ東部沿岸のバンドウイルカの異常大量死
というページからです。
なお、アメリカの州は略称で記されていまして、次のようになります。
NY = ニューヨーク州
NJ = ニュージャージー州
DE = デラウェア州
MD = メリーランド州
VA = ヴァージニア州
NC = ノースカロライナ州
となります。
下の表は今年の 7月 1日から 9月 2日までに打ち上げられたイルカの数です。
全体で 430頭という総数も大幅な増加を示していますが、何となく「加速度的に増えている」という感がしないでしょうか。最後の週では少し減少していますので、歯止めがかかっているのかもしれないですが、相当なことになっています。
特に増えているのが、ニューヨーク州とニュージャージー州の沿岸です。
下のグラフはこの地域での 2007年からのイルカの座礁数の推移です。平年の3倍をはるかに越える座礁数となっています。
大量死の原因はいまだに確定していませんが、多くのイルカに病変の痕跡が見られるそうで、何らかの病気などではないかという意見が強くなっているようです。
これに関しては NOAA のサイトが更新されましたら、また掲載させていただこうと思います。