▲ Extinction Protocol より。
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世界で最も巨大な火山のひとつであるイエローストーン
以前記しました「7つの超巨大火山」の中でも、その知名度の高いアメリカのイエローストーンで、地球物理学者の言葉を借りると「普通ではない地震活動が起きた」という内容の報道がありました。
イエローストーン火山の基本的な説明は下のようになります。
米国イエローストーン
最後の大噴火:64万年前
噴火の規模 :セントヘレンズ山の大噴火のおよそ1000倍
噴火によって:噴火山灰は上空約3万メートルにまで達し、噴出物は西部一帯を覆い、南はメキシコ湾にまで達した。
2009年のナショナルジオグラフィックの特集記事「超巨大火山 イエローストーン」には「超巨大噴火のたびに、影響は地球全体に及んだはずだ。噴出したガスは成層圏にまで達し、水蒸気と混ざり硫酸塩エアロゾルの薄い層が形成され、太陽光をさえぎっただろう」という記述もあります。
イエローストーンだけではないですが、超巨大火山の噴火というのは、上のように地球全体に影響を及ぼす可能性を持つもので、それだけに、それらの火山の動向は常に観測され続けています。
そんな中で、イエローストーンに今までにはなかった地震活動が起きたということのようです。
ただ、イエローストーンはこの数年内にも何度も群発地震を起こしていまして、たとえば、2008年 12月 27日から 30日までの数日間、下のような群発地震を起こしています。当時のアメリカ地質調査所( USGS )のデータで、すべてがイエローストーンを震源とした地震です。
また、2010年 1月にも「 1000回を越える群発地震」が起きています。
これに関しては、
・1月 17日からのイエローストーンの群発地震が 1000回を越える
In Deep 2010年01月31日
という記事にあります。
それらに引き続いて、今回、群発地震の報道があるわけですが、その報道を現地メディアからご紹介します。
今回の群発地震がこれまでのものと違うのは、「群発地震が違う3カ所で同時に起きていた」ということで、これは、イエローストーンの地震観測を始めて以来、初めてのことだそうです。
Earthquake Swarm Rocks Yellowstone
Gurdian Express 2013.09.22
群発地震がイエローストーンを揺さぶる
最近、非常に珍しい3つの群発地震がイエローストーン公園で発生したことが報告された。
長年、イエローストーンを観測しているユタ大学地球物理学のボブ・スミス( Bob Smith )教授によれば、この 53年間のあいだ、3つどころか、2つの群発地震が前後して同時に起きたことすら見たことがないという。
しかし、今回、3つの群発地震地震活動が前後して同時に起きたのだ。
今回の出来事については、スミス教授は「注目すべき現象だ」と言う。しかし、そのメカニズムについては、たとえば、ひとつの群発地震が他の地震のトリガーとなったのかどうかということもわからないという。
なぜなら、このような同時に起きた群発地震を検出したのはこれが初めてのことだからだ。
イエローストーンの今回の一連の地震は 9月 10日に始まり、 9月 16日に終わった。
その間、マグニチュード 0.6 から マグニチュード 3.6 の地震が 130回起きた。
9月 15日には、マグニチュード 3.0から 3.6の地震が発生し、揺れも感じた。
イエローストーンでは、地震そのものは毎年 10回前後程度発生するが、このような規模での地震活動がイエローストーンで観測されるのは極めて珍しいとスミス教授は言う。