
▲ ケニアの Standard Media より。写真は国連の食糧農業機関( FAO )によるもの。
フィリピンの台風の被害はまったくすさまじいものですが、ヨーロッパでは、アフリカのソマリアでの熱帯性サイクロンの被害について大きく報道されています。
死者は上の報道の見出しでは 100名となっていますが、これはまったく正確ではないもので、報道により300名など数値は様々です。
この情報の不正確さには、今回のサイクロンの被害が大きかった「ソマリアの中の場所」の問題もあるのかもしれません。それは、「プントランド」という場所なのです。
聞かれたことのない方も多いかと思われます。
ソマリアそのものは地図では「国家全体として」アフリカ大陸の下の場所に記されています。

しかし、この「ソマリア」というのは無政府状態の上に、国家もバラバラの状態となっています。
ソマリア - Wikipedia にはこうあります。
ソマリア
1991年勃発の内戦により国土は分断され、事実上の無政府状態が続き、現在の国土は暫定政権の南部と、1998年7月に自治宣言したプントランドの北東部、91年に独立宣言した旧英領のソマリランド共和国の北部に大きく3分割されている。
1991年勃発の内戦により国土は分断され、事実上の無政府状態が続き、現在の国土は暫定政権の南部と、1998年7月に自治宣言したプントランドの北東部、91年に独立宣言した旧英領のソマリランド共和国の北部に大きく3分割されている。
そのうちの、プントランドが、今回、熱帯サイクロンで大きな被害を受けたのです。
位置関係は下のようになっています。

▲ アルジャジーラより。
プントランドには選挙も存在し、現在はファローレ大統領という人が国を治めているようですが、政府がどのように機能しているのかはよくわかりません。
今回のサイクロンは、ソマリア各地で被害が出ているようですが、最も被害の大きかったのがプントランドで、政府は非常事態宣言を発令しています。
下のはソマリランドのメディアの報道です。

▲ Somaliland Sun より。
正直、救援活動がどこまで期待できるものかはよくわからないですし、ソマリアは国のすべてにおいて、一般の外国の救援が入ること自体が難しい場所ですので、何が起こったのか、そして今起きているのかということの「本当のところ」は外国の私たちにはわからないままなのだと思います。
今回は、中東カタールのアルジャジーラの記事を載せておきます。
Tropical cyclone kills scores in Somalia
アルジャジーラ (カタール) 2013.11.11
ソマリアで熱帯サイクロンにより多数が死亡
ソマリアのプントランドで熱帯サイクロンにより大きな被害が出た模様だ。
プントランドのアブディラマン・モハマド・ファローレ (Abdirahman Mohamud Farole) 大統領は、少なくとも100人が死亡し、サイクロンの直撃を受けた地域では電気、電話などのインフラが使用できなくなっているという。ファローレ大統領は、援助機関からの支援を訴えている。
大統領によれば、被災地では数百棟の家が破壊され、何千頭もの家畜が死亡した。
サイクロンでの風速は 90キロを記録し、総雨量は 350ミリにも達した。
この地域は年間の雨量が 250ミリしかない。
プントランド政府は自然災害の緊急事態を宣言したが、まだ何百人もの人々が行方不明となっているという。



