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2013年11月17日


風力発電のタービンによりアメリカでは昨年だけで 600,000匹以上のコウモリが死亡していることが調査により判明



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日本ではあまりイメージが湧かない感じですかもしれないですが、アメリカではコウモリは明らかに有益な動物のひとつとされていて、特に、広い農場の多いアメリカでの、受粉、害虫の駆除などを担っています。

また、蚊などの病原菌の媒体である昆虫の制御もコウモリがおこなう部分が多いのだそうです。


ナショナルジオグラフィックの2010年2月17日の「コウモリを死に追いやるカビ、米で流行」という記事に、テネシー州野生生物資源局の担当者が以下のように述べている部分があります。




「ほとんどのコウモリの種は主に昆虫を大量に捕食するため、害虫防除という点で公共サービスに多大な貢献をしていると言える。仮に50万匹のコウモリが消滅すれば、災難はわれわれに降りかかってくる。(コウモリがいなくなれば)数百から数千トンもの昆虫が近所の町や農場、そして森林を飛び回る。そのことを想像して欲しい」




そのコウモリが、風量発電などで使われるタービンにより、年間数十万匹が死んでいるということがアメリカのデンバー大学の調査でわかりました。

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▲ デンバー大学のニュースリリースより。


なんとなく「エコ」な感じの強い風力発電ですが、そうなってくると、むしろ風力エネルギーは、少なくともアメリカの環境においてはかなり悪い影響を与えている可能性も強いかもしれません。

アメリカのコウモリといえば、上のナショナルジオグラフィックのニュースにありますように、数年前より、「白い鼻症候群」と呼ばれる病気によって、コウモリの大量死が全米に拡大しています。

全米に拡大を始めたカビによるコウモリの大量死
 2010年02月17日

白い鼻症候群によるコウモリの大量死が全米11州に拡大
 2010年03月27日


ミツバチやコウモリなど、人間の生活に重要な動物がどんどんと減っていっているという現実があります。


今回は、上のデンバー大学のニュースリリースをご紹介します。




STUDY SHOWS WIND TURBINES KILLED 600,000 BATS LAST YEAR
コロラド大学 ニュースリリース 2013.11.15


昨年、風力タービンが 60万匹のコウモリを殺したことを最新の研究は示唆する

コウモリは、農作での受粉と昆虫の害をコントロールする

米国コロラド州のデンバー大学の最近の研究によると、 2012年に、 60万匹以上のコウモリが風力エネルギーのタービンによって殺されたことがわかった。コウモリは農作での受粉と、昆虫の制御に大きく貢献している生物であり、農作に深刻な打撃が与えられている。

調査したデンバー大学のマーク・ヘイズ( Mark Hayes )博士は、

「風力エネルギー施設の発展と拡大が、北米でコウモリの群に大きな脅威となっている」

と語る。

多くの死亡したコウモリが、アメリカの各地の風力タービンの下で発見されており、この 60万匹という死亡数の推定値も控えめな数であると博士は語る。

ヘイズ博士によると、テネシー州バッファローのようなアパラチア山脈の近くの領域と、ウェストバージニア州が、コウモリのち致死数で最大の数値を記録しているという。

それらの風力タービンは、毎時 280キロの速度で回転する 40メートルの風車のブレードを持ち、それらにコウモリが殺されているという。

コウモリの死亡数の推定値は、調査の最初の頃は、 33万匹から 88万匹の間だったが、その推定値は、他の多くの死亡したコウモリの存在などを考えると、控えめであると考えられ、少なくとも、 90万匹以上のコウモリが死んでいるかもしれないと言う。

米国には 45種類の既知のコウモリの種があるが、彼らコウモリは、重要な経済的影響を持つ。彼らは、たとえば蚊のように飛んでいる昆虫を制御するだけでなく、彼らはまた、花、作物、そして、サボテンなど様々な植物の授粉を担う。

15年間コウモリを研究しているヘイズ博士が考える対策としては、ひとつは、コウモリが飛ばない傾向の時間にタービンを高速回転させることだという。

実際に、ペンシルベニア州における最近の研究では、動作速度の調整で、コウモリの死亡数を大きく減少させたという。

ヘイズ博士は、将来的には風力エネルギーの拡大と共に、おそらく、より多くのコウモリが死んでしまうだろうと懸念している。

博士はこう述べた。

「私は風力エネルギーそのものに反対ではないです。それはクリーンなものだと思います。しかし、コウモリの例に見るように負の影響がある。それでも今後、解決できる問題だとは思っています」。

風力タービンの場所で見つかったコウモリの死亡数に関するデータを分析した研究は、科学誌サイエンスに来週掲載される。






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