
▲ 2014年3月25日の AFP 報道を引用した Extinction Protocol Canada grapples with possible Ebola case – patient in isolation, seriously ill より。
先日の記事、
・ギニアで発生した「死亡率 80パーセント」に迫るエボラ出血熱が周辺国にまで拡大
2014年03月23日
では、現在の感染症の中で最も感染力と致死率の高い疾病である「エボラ出血熱」が、ギニアで発生し、それが隣国のシエオラレオネまで拡大しているということを記しました。
ところが、その後さらに拡大が続いていて、ギニアとシエラレオネに隣接したリベリアという国でエボラ出血熱の感染者が発生し、60名近くが死亡しているということが報じられました。

▲ 2014年3月25日の CNN Ebola outbreak kills dozens より。
リベリアの場所は下の位置です。

▲ アフリカ大陸基本情報-リベリアより。
このリベリアという国は、アフリカ大陸基本情報によりますと、
内政は乱れており、政治的に周辺諸国を巻き込んだ同国の内戦は250,000に上る人命を奪い、経済を破綻させ、余剰な武器の流入を招いた。未だ内戦の傷跡は深く、首都ですら電気・水道といったインフラが整っていない。
という国で、医療に関しても絶望的な状況が見込まれます。
現在、ユニセフや国境なき医師団などの緊急医療部隊が薬剤等を搬送しているということですが、
・有効な治療薬が存在しない
・効果のあるワクチンが存在しない
という病気ですので、多分は隔離と対症療法が中心となるのでしょう。
何より、実際には感染者の数も死亡者の数も「把握できていない」というのが現状のようで、今後、どのように拡大するのかも予測はできていません。
また、病院の状態も良いとは言えないようで、現地医療スタッフへの感染のおそれもあります。


▲ エボラウイルスの検査を行っているギニアの首都コナクリ( Conakry )の病院。患者の血液サンプルなどを試験していますが、この衣服では、このお医者さんたちも危険なのでは・・・と、ふと思ってしまいます。 2014年3月25日の CNN より。
カナダにもエボラ出血熱が上陸した懸念
そして、さらには、リベリアから帰国したカナダ人男性が、カナダで「エボラ出血熱の疑いのある病気を発症」しています。3月25日の Bloomberg Businessweek が AFP の報道として伝えています。
カナダ保健省のスポークスマンによれば、エボラウイルスが大陸を渡り、カナダに上陸した可能性を AFP に語ったということです。男性は現在、隔離されていますが、状態は深刻とのことです。
最近の混沌とした状況を様々に見ているだけに、カナダに拡大した可能性のあるエボラ出血熱の今後の動きが気になります。