
▲ 2014年3月26日のアメリカ NBC ニュース Experts in Chile Fear Catastrophe as 300 Quakes Hit in One Week より。
マグニチュード4.5以上の地震だけでも40回を越えている
チリで現在、異常な地震活動が起きています。
南米のチリは環太平洋火山帯にほぼ全土が含まれているという、日本とよく似たような地質状態の上にある国で、日本同様、地震が多い国です。

▲ 環太平洋火山帯。日本とチリは太平洋をはさんで、対極にある「同じような土地の上にある国家」といえます。
日本同様、巨大な地震も多く、20世紀からの巨大地震上位5の地震は下のようになっていて、1960年の「チリ地震」が現在でもマグニチュードでは、近代世界の中で発生した地震の中では最大のものとなっています。データは、 Wikipedia からです。
1 チリ地震 マグニチュード 9.5 / 1960年5月22日
2 スマトラ島沖地震 マグニチュード 9.3 / 2004年12月26日
3 アラスカ地震 マグニチュード 9.2 / 1964年3月28日
4 アリューシャン地震 マグニチュード 9.1 / 1957年3月9日
5 東北地方太平洋沖地震 マグニチュード 9.0 / 2011年3月11日
5 カムチャツカ地震 マグニチュード 9.0 / 1952年11月4日
そのチリで、この1週間で「 300回以上の地震が発生する」という出来事が起きていて、地震の規模そのものは大きくないものの、「このようなことは前例がない」として、チリの地震学者、あるいはチリ政府も、「何か起きるのではないか」と懸念しているようです。
これで何事か起きた場合、カムチャッカの火山活動や、日本の地震活動などの状況によっては、環太平洋全体に何か大きな動きが出ているような可能性も浮上してきてしまうのかもしれません。
アメリカ NBC ニュースの内容をご紹介します。
Catastrophe as 300 Quakes Hit in One WeeK
NBC 2014.03.26
300回の地震が1週間のあいだに起きているチリで、専門家たちがカタストロフ(破局的災害)の発生を恐れている

▲ チリ北部沖で過去1週間に発生したマグニチュード 4.5以上の地震を示すアメリカ地質調査所( USGS )のデータマップ。
チリ北部の海岸で1週間の間に 300回以上も発生している地震に対して、地震学者たちは、長期的な視点での災害の前兆かもしれないと警告している。
これらの地震のほとんどは、大地上では体感できないほど小さな規模のものだが、海外沿いの地域に住む人たちの中には、1日に十数回の震動を感じている人たちもいるという。
これらの一連の地震の膨大なデータを分析する専門家たちが増えている。
そして、あるいは今回の地震活動は、この地域で 137年ぶりとなる壊滅的な地震の発生の徴候かもしれないと心配している。
1877年にチリ沖で起きたマグニチュード 8.5の地震では、ハワイや日本にまで到達したほどの致命的な津波が発生して、何千人もの人々がの命が奪われた。
チリ大学地震学センター次長は、
「これは非常に珍しい現象で、私たちは何がこの現象を引き起こしているのかを見いだそうと努力しています」
と述べる。
アメリカ地質調査所( USGS )による分析では、過去7日間にマグニチュード 4.5よりも強い地震がこの地域で 41回起きたことを示した。
チリは 4000キロメートルの海岸に沿って、ナスカプレートと南米プレートが横たわっている場所にあり、世界で最も地震が多発する国のひとつだ。