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2014年04月19日


豚肉が買えなくなる日 : 豚流行性下痢(PED)のアメリカでの豚の死亡数が「数百万頭」に達するという報道




全米 30州に PED が拡大し、米国豚飼育農家の3割に当たる 5800戸で感染が発生


今月のはじめころの記事、

豚の致死性疾病「豚流行性下痢」が世界中で急拡大。日本でも4万頭の豚が死亡
 2014年04月04日

では、日本で、豚の致死性疾病である「豚流行性下痢」急拡大していて、4万頭の豚が死亡しているという報道や資料をご紹介しました。

農林水産省の資料「世界での豚流行性下痢(PED)の発生状況について」によりますと、日本の 2002年から 2014年 4月までの発生状況は下のようになっています。



日本の2002年から2014年の豚流行性下痢の発生状況の推移

2002年 0頭
2003年 0頭
2004年 0頭
2005年 0頭
2006年 3頭
2007年 0頭
2008年 0頭
2009年 0頭
2010年 0頭
2011年 0頭
2012年 0頭
2013年 8,971頭
2014年 176,701頭





まさに「唐突」という感じで流行しているわけですが、特に、今年 2014年は、1月から3月までで上の数となっています。

そして、今朝の時事通信で下のような報道がされていました。


豚の伝染病拡大 米30州で数百万頭死亡
時事通信 2014.04.19

「豚流行性下痢(PED)」と呼ばれる豚の伝染病が米国の30州に拡大していることが18日、関係団体のまとめで明らかになった。米農務省も危機感を募らせ、養豚農家に感染報告を義務付けるなど、封じ込め対策を強化すると同日発表した。

米国は日本にとって最大の豚肉輸入先。全米養豚獣医師協会によると、昨年4月に国内で初めてPEDがオハイオ州で確認されて以降、各地に急速に拡大。これまでに数百万頭が死亡したとされ、豚肉価格は1年間で4割上昇した。




トップにリンクした過去記事にも、アメリカでも急拡大しているグラフを載せておりまして、アメリカでも深刻な問題となっていることは、何となくですが、知っていた感じもあります。

アメリカの豚流行性下痢の 2013年 4月から 2014年 3月 26日までの発生件数

pde-us3.gif

▲ 農林水産省「世界での豚流行性下痢(PED)の発生状況について」より。


この「急激な増加」は現在も続いているようで、アメリカの養豚などに関してのニュースサイトである Pig Site によりますと、2014年4月18日までの集計では下のようになっています。

2013年4月から2014年4月までのPEDの感染戸数

ped-2013-2014-4.gif

▲ 2014年4月18日の米国 The Pig Site PED Update in US: Outbreaks in 30 States全米30州で豚流行性下痢が発生)より。


上のように 6,000戸近い飼育場で PED が発生しているようで、その結果として、数百万頭の豚が死亡しているということになるようです。

正確な数としては、4月18日の時点で、全米 5,790戸の豚飼育農家で PED が発生していて、これは、全米に 14,797戸ある豚飼育農家の 33パーセントにあたるのだそう。


感染発生州は下のようになっていまして、全米 30州で PED が発生しています。こままのペースで感染の拡大が続けば、養豚場のあるアメリカの州すべてで発生してもおかしくはないというような拡大ぶりを見せています。

2014年4月18日時点で PED の発生が確認された州

14-04-18-PED.gif

▲ 2014年4月18日の The Pig Site より。


確かに、この勢いで、日本でもアメリカでもこの病気が拡大し続けると、豚肉の価格上昇はもちろんでしょうけれど、輸入に大きく頼っている場合、供給そのものに支障が出るというような状況にならないとも限らないかもしれません。

なお、日本の輸入豚肉の約 40パーセントは米国からのものです。

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