▲ 2014年4月22日のラジオ・フリー・アジア韓国より。
北朝鮮の話題というと、4度目の核実験がおこなわれるのではないか、ということや、あるいは、「北朝鮮の国営放送で、金正恩氏の子ども時代の写真が初めて報道された」とかいうものだったりします。
朝鮮中央通信が4月21日に放映した金正恩氏の幼少期の写真
▲ 2014年4月21日のウォールストリート・ジャーナルより。
しかし、それらとは別に、北朝鮮に深刻な「干ばつ」が訪れているようです。
昨年は北朝鮮は記録的な豊作でしたが、今年は種まきの時期の春の時点から干ばつに見舞われているとのこと。
最初に貼りましたラジオ・フリー・アジア(自由アジア放送)の記事からご紹介したいと思います。
記事の中に出てくる地域、
・咸鏡北道(ハムギョンプク道)
・両江道(リャンガン道)
・咸鏡南道(ハムギョンナム道)
・慈江道(チャガン道)
は下の丸で囲んだ地域で、主に北朝鮮の北部が干ばつに見舞われているようです。
▲ 北朝鮮料理より。
ここから自由アジア放送の記事です。
北朝鮮、激しい干ばつのため種まきも難しく
自由アジア放送 2014.04.22
農家の人々が畑を耕す時期になったが、北朝鮮では深刻な干ばつと昼夜の大きな温度差により、種まきすら難しい状況となっていることが最近知らされてきている。消息筋によれば、農民たちは毎日、空を眺め、今年の農作業に不安を語る。
自由アジア放送と連携している咸鏡北道(ハムギョンプク道)の消息筋は、4月19日、「今の気候の状態が続くと、農作物だけではなく、人も生きていけない」と表現した。
国境沿線に位置する咸鏡北道、茂山(ムサン)、会寧市(フェリョン市)一帯は、3月末頃に霧雨が少し降っただけだという。空には雲がいつも多く、雷が発生する時もあるのに、雨そのものは数滴ほどしか降らないと消息筋は述べる。
咸鏡北道では、4月12日前後から耕耘が始まり、5月1日には種まきが開始されることになっているが、土地が種まきに適しておらず、芽が出るかどうかわからないと付け加えた。
両江道(リャンガン道)の消息筋も「吉州(キルジュ)以南の地域は干ばつがひどすぎて、小麦、大麦が黄色く枯れている。今すぐにまとまった雨が降らなければ、今年の農作業はすべて台無しになるだろう」と20日、明らかにした。
それとともに、咸鏡南道(ハムギョンナム道)の協同農場は、干ばつがひどすぎ、まだトウモロコシを植えていないと言った。 それでも、吉州以南の地域に比べると、両江道はこれまで雨が数回降っており、「マシな方だ」と述べる。
一方、消息筋は、深刻な干ばつだけではなく、昼夜の大きな温度差も全体的な農作業を困難にしていると指摘した。
4月21日に連絡が届いた慈江道(チャガン道)の消息筋は、「続く干ばつと、昼夜の大きな温度差で、早生種のトウモロコシの葉が全て虫食いのようになっている」と言った。 これは作物が正常に成長していないことを意味しているという。
このような状況を伝えた消息筋は、「今年の経済で最も打撃があるのが農業になるのではないか」と嘆く。
「今年は農作業がすべて台無しになるのではないかと農民たちは心配している」と、先行きの明るくない今年の北朝鮮の農業事情を強調した。