▲ 2014年6月20日の CBS News より。
今年3月に、西アフリカのギニアで発生したエボラ出血熱は、その時の、
・ギニアで発生した「死亡率 80パーセント」に迫るエボラ出血熱が周辺国にまで拡大
2014年03月23日
という記事から、最近の、
・シエラレオネがエボラ出血熱により非常事態宣言。国境および学校も閉鎖
2014年06月13日
まで、何本かの記事で途中経過を報告してきましたが、ここに来て今回のタイトルのように「もはや制御不能」という発言が国境なし医師団から発せられる事態となっています。
このエボラ出血熱に関してニュースを執拗に書いてきたのには、やはり、エボラ・ウイルスの恐ろしさというものがあります。
・現在の地球上のウイルス性疾病の中でも最強クラスの致死率
しかも、
・ワクチンもなく、薬による治療法もない
ということがあります。
そして、過去何度かアフリカで発生したエボラ熱のアウトブレイクの中で、今回は「これまでの最大」の流行であることがほぼ確定していて、そして、3ヶ月経っても終息の兆しもありません。
▲ 1976年にザイールで流行した際のエボラ出血熱で死亡した患者のお墓を訪れた看護婦さんの姿。File:Nurse-nun visits graves of victims of 1976 Zaire Ebola outbreak より。
このような感染症が、「制御不能」というようなことになってくると、事態は西アフリカだけでは収まらない可能性もあります。
6月18日までのエボラの感染状況は下の地図のようになっています。
地図中にあるマークは下のような意味を表します。
5月23日から29日までという項目があるということは、その間の感染者が特に多かったということなのかもしれません。
2014年6月18日までの西アフリカでのエボラ出血熱の感染状況
▲ ReliefWeb より。
なお、その後、死亡者が急激に増えたようで、6月23日時点での死亡者数は 337人となっています。
AFP の報道を要約して掲載しておきます。
西アフリカのエボラ出血熱、「もはや制御不能」 国境なき医師団
AFP 2014.06.24
西アフリカで流行しているエボラ出血熱について、国際医療支援団体「国境なき医師団(MSF)」は23日、感染が深刻な地域が60か所を超え、「もはや制御不能」な状態だと語った。
「国境なき医師団」は報道発表文のなかで、「現在のエボラ出血熱流行は地理的な拡大、感染者および死者の数において前例をみない規模にある」としている。
致死率が最大90%とされるエボラ出血熱のまん延が、あまりに急速なため支援団体や医療関係者らも手に負えず、感染地域の住民たちは恐怖に陥っていると、MSFのオペレーション・ディレクター、バート・ジャンセンズ氏は言う。
「新たな感染地域がギニア、シエラレオネ、リベリアで見つかっており、(エボラ出血熱が)他の地域へも拡大する危険が現実に迫っている」
世界保健機関(WHO)の先週の発表によると、今回のエボラ出血熱の流行でこれまでにギニア、シエラレオネ、リベリアの3か国で少なくとも337人が死亡した。