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2014年08月23日


アイスランドのバルガルブンガ火山周辺の群発地震活動は回数も規模もさらに増加。噴火の懸念が高まる



bardarbunga-top.gif

▲ 2014年8月20日のインターナショナル・ビジネス・タイムズより。写真の山がバルガルブンガ山。看板には、アイスランド語と英語で、「不安定な状態です」と注意を促す文章が書かれています。


先日の、

200年間以上噴火していないアイスランドのバルガルブンガ火山で、噴火を示唆するかもしれない異常な数の群発地震が発生中
 2014年08月18日

という記事で、8月中旬からアイスランドのバルガルブンガ山( Barðarbunga )の周辺で激しい群発地震が発生していることを書きました。


バルガルブンガ山の位置

Bargarbunga.gif


その記事を書いた 8月 18日までの 48時間には、地震の発生状況は下のようになっていました。

2014年8月18日午前2時(現地時間)までの48時間の地震の発生状況

past48-total.gif


それが、現在( 8月23日)は下のようになっています。

2014年8月22日午後11時(現地時間)までの48時間の地震の発生状況

past48-22-august.gif


このように、地震の総数が大幅に増えています。

その上、地震の規模も次第に大きくなってきていて、アイスランド気象庁のリアルタイム地震インフォメーションページは下のようになっていて、マグニチュード4を超える地震も発生しています。

m3-22.gif
Icelandic Met Office


アイスランド全体でのこの 48時間の地震の発生状況の分布は下のようになっています。
この中で、over-mag3.gifは、マグニチュード3以上の地震です。

all-22.gif
Icelandic Met Office


そのほとんどが、バルガルブンガ山の周辺で起きている地震ですが、ただ「範囲が妙に広いかな」という気もしないでもなく、かなり大きな地質的活動が起きているのかもしれません。

アイスランド気象庁によれば、現在はまだマグマの上昇などの観測されていないということで、すぐに噴火するというわけではなさそうですが、もし噴火した場合、どの程度の規模の巨大噴火となるのかはよくわからないようです。

ちなみに、アイスランドではなく、イギリスの話ですが、記録に残る英国史上で最も人的被害の多かった災害は、アイスランドでの火山噴火によるものでした。

これは、2011年の記事、

英国史上最大の自然災害はアイスランドからやってきた: 1783年のラキ火山の噴火
 In Deep 2011年09月07日

に記したことがありますが、その時に翻訳しました英国 BBC の記事を掲載しておきます。

かつてのイギリスではこういうこともあったのです。
しかも、それは 200年前と、決して大昔というほど昔の話ではありません。




When a killer cloud hit Britain
BBC 2007.01.19

殺人雲が英国を襲った時

200年より少し前、アイスランドで噴火した火山は、ヨーロッパの西部に莫大な量の有毒な火山煙を運んだ。英国でも何万人もの人々が亡くなり、これが英国の現代史の中で最も大きな自然災害だったにもかかわらず、イギリス国内では、ほとんどこの災害の悲劇は忘れられている。

1783年に、英国の詩人ウィリアム・カウパーはこのように書いている。

「数多くやってくるそれらにより、農民たちは収穫が困難となり、労働者たちは仕事にあぶれ、そして多くの人々が死んだ」。

火山煙がイギリスに到達したのは、1783年6月22日のことだった。英国中の新聞が、濃いスモッグに覆われた街の様子を伝え、また、血に染められたかのような色で鈍く輝く太陽のことを連日報道した。

噴火したのはアイスランドのラキ火山で、イギリスから数千キロも離れた場所での噴火であるにも関わらず、数週間の間、西ヨーロッパの多くをその噴煙で飲み込んだ。

そして、噴煙と共に、何百万トンもの有毒な火山ガスがスカンジナビア半島の果てまでも流れ、そしてついに風によって英国にまで運ばれたのだ。

噴煙と火山ガスは、二酸化硫黄と硫化水素などを含み、これらが老若男女を問わず、また、裕福な者や貧しい者を問わずに無差別に英国の人々を襲い、そして死に至らしめた。

この1783年のラキ火山の噴火では、アイスランドでは全人口の約3分の1が死亡したことが文書に残っている。アイスランドでは大きな悲劇として伝えられているラキ火山の噴火だが、信じられないことに、この英国ではこの時の悲劇は今では忘れられている。

集められた証拠から見ると、その時のパニックと恐怖は英国の非常に広い範囲に及び、また、各地でおびただしい死者が出たことはわかっていたが、1783年の英国での死者数の正確な数が記録されておらず、わかっていなかった。

その中で、ウェールズにあるアベリストウィス大学のジョン・グラタン教授は、10年を費やして、1783年のラキ火山での英国の被害についてを調査した。これは、地区の教区の記録をひとつずつ調べていったものだ。

その結果、各々の教区で記録されている死者数は、最初は数百に上り、そして、調査が進むにつれて、死者数は数千、そして、数万へと膨れあがった。

最終的にグラタン教授は、イギリス全土で、ラキ火山の噴煙と火山ガスによって 23,000人の人が亡くなったと見積もった。これは、現代の英国史の中で最も大きな被害の自然災害となる。

そして、この悲劇が再び起きる可能性は決してゼロではない。アイスランドは、この100年程度の中で最も活発だった火山のうちの 18の火山を持っている。





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