▲ 2014年9月13日の Iceland Review より。
アイスランドのバルダルブンガ山は 8月 29日に氷底噴火を起こしましたが、その後に氷河の中から大量の溶岩と共に二酸化硫黄を空中に放出しています。
その様相は、 In Deep の記事にも写真を載せましたが、圧巻という他ない光景を作り出しています。
・Mashable
しかし、現在問題となっているのは、これら溶岩ではなく、「噴煙」のほうです。
二酸化硫黄を含む噴煙での大気汚染レベルが、アイスランドでの観測史上で最悪の水準に達していることが報じられています。
冒頭の記事をご紹介します。
なお、記事中のレイバフルールという地名の表記は、アイスランド語の発音を聞くことのできる FORVO で聴いたものを日本語にしたものですので、正式な日本語表記というわけではありません。
Eruption Pollution at Record Level – Residents Warned
Iceland Review 2014.09.13
噴火での大気汚染が記録的な水準に - 住民たちに警告
9月13日、バルダルブンガ山の噴火によるクレーターの北側でマグニチュード 4.7の地震が発生したが、噴火と溶岩流の規模はこの数日と同じ程度だと思われる。
そして、大気汚染が非常に高い水準となっている。
レイバフルール( Reyðarfjörður )では、9月 12日の夜に1立方メートルあたり に、4,000 μg(以下、マイクログラム / 1マイクログラムは100万分の1グラム)の二酸化硫黄を記録した。
この地域のすべての住民の方々は、外出を避け、屋内に留まることを強くお勧めする。また、窓を閉め、室内の気圧を大きくするためにストーブの温度を上げることも平行しておこなってほしい。
アイスランド環境省によると、1立方メートルあたり 3000マイクログラム以上の数値を警告水準としている。
この1立方メートルあたり 3000マイクログラムという数値は 1970年に実際にアイスランドで観測された数値を基準としており、つまり、今回の 4,000マイクログラムというのは、観測史上最悪の汚染水準となる。
汚染レベルは、一時、200マイクログラムまで下がったように見えたが、環境省は、さらに汚染水準は上昇するだろうと述べる。
そして、アイスランドから 800キロメートル離れているノルウェーにも、アイスランドの火山による二酸化硫黄の煙が流れてきていることも報じられています。
下は、9月12日の weather に掲載された、衛星写真での解析ですが、ノルウェーのモルデという街などに差し掛かっていることがわかります。
氷河の下で噴火が起きていることで、通常よらも強く地上での火山ガスの影響を受けているということなのかもしれませんが、長引いた場合は、アイスランドだけではなく、北欧などにも健康被害などが広がる懸念はあるようです。