▲ 2014年9月13日の CNN より。
以前、
・エボラウイルスのゲノムが判明。その遺伝子数は「たった7個」。そして現在、エボラウイルスは急速に「突然変異」を続けている
2014年08月30日
という記事で、西アフリカを中心として猛威を奮い続けているエボラウイルスが「非常に早いペースで、しかも、数百回規模で突然変異し続けている」という記事を記しました。
エボラウイルスは、現在は血液や嘔吐物などの体液感染しかしないウイルスであり、空気感染はしません。
咳やくしゃみなどでも、飛沫が直接ふれるのでなければ、感染はしないとされています。
しかし、そのあまりにも早い突然変異により、今後、空気感染を起こせるウイルスに「進化」するのではないかとう懸念が、専門家たちから出ています。
冒頭に貼りました記事は、米国ミネソタ大学感染症研究センターのマイケル・オスターホルム( Michael Osterholm )博士が、
「あまりにも多くの遺伝子変化を見せているため、今後のウイルスの変化は、空気感染するようなことも含めて、何も予測できない」
と述べたことを報じた記事です。
そして、今度は、医学博士ではなく、計量経済学という学問の専門家が、
「仮にエボラが空気感染するようになった場合、120万人が死亡するだろう」
と予測したという記事を知りました。
▲ 2014年9月14日の Liberty Voice If the Ebola Virus Goes Airborne, 1.2 million Will Die Expert Predicts より。
計量経済学とは、経済学の理論に基づいての統計学の方法によって分析するというような学問のようです。
今回はその記事をご紹介します。
If the Ebola Virus Goes Airborne, 1.2 million Will Die Expert Predicts
Liberty Voice 2014.09.14
もし、エボラが空気感染するようになった場合、120万人の死者が出ると専門家は予測する
米国ミシガン州立大の計量経済学の専門家フランシス・スマート( Francis Smart )博士は、エボラウイルスが空気感染するウイルスに変異した場合、120万人がこの疾患で死亡すると予測している。
これはスマート博士が、他の学者によって行われた研究に基づいて、計量経済学の予測からシミュレーションした数値を発表したものだ。
現在、世界保健機関(WHO)は、エボラウイルスは今後6ヶ月以内に2万人を殺すだろうと予測している。
しかし、スマート博士は、この WHO の予測数値は、ウイルスが空気中を移動し感染するような突然変異は起こさないという仮定に基づいているものだと述べる。
WHO は今後の6ヶ月でエボラが徐々に終息に向かうとし、6ヶ月以降についての見通しについては楽観的な見通しを持っている。
しかし、 もし、エボラが空気感染するウイルスへと変異した場合、この見通しはまた違ったものとなる。
米国ミネソタ大学の感染症研究の専門家マイケル・オスターホルム博士は、「そのような突然変異を起こさないと考えることが間違いである可能性」について言及している。
なぜなら、現在流行しているエボラウイルスとは異なる株であるエボラ・レストン( Ebola Reston )は、かつて、突然変異によって空気感染するウイルスに変化する能力を獲得したことが実証されているのだ。
もし、現在のエボラウイルスが空気感染した場合、スマート博士の分析では「470万人が感染し、120万人が死亡する」という結果となったという。