
▲ 2014年9月14日のオーストラリア ABC ニュースより。
今年5月の、
・南極の海氷が観測史上の過去最大量を日々更新。日に約7万平方キロのペースで氷面積が拡大中
2014年05月21日
という記事で、南極の海氷面積が観測史上の記録を更新して過去最大になったことを記したことがありました。
その後も、南極の海氷面積の拡大は続き、最近では下のグラフのように、急速にその海氷量が増加しているような状態となっています。

・sunshine hours
記録に関しては「独走状態」で、これまで同時期で最も海氷面積の多かった 2013年を大きく上回っています。
1981年から 2010年までの平均からは 137万 2,000平方キロメートルもその面積が上回っていて、これが「寒冷化」のせいなのどうかはともかく、南極の氷の面積が増えていることは事実のようです。
冒頭の ABC ニュース の記事をご紹介します。
Extent of Antarctic sea ice reaches record levels, scientists say
ABC News 2014.09.14
南極の海氷の広さが記録的な水準に達していると科学者たちは言う
科学者たちは、南極での海氷面積の観測が始まって以来、南極で海氷に覆われている面積が観測史上で最も高い水準にあると言う。
衛星画像は、南極大陸の周囲が 20,000,000(2000万)平方キロメートルの面積の海氷に覆われていることを明らかにした。

・衛星から撮影された南極大陸周辺の海氷の状況
「南極の気候と生態系の共同研究センター」( Antarctic Climate and Ecosystems Cooperative Research Centre / CRC )のジャン・リーサー氏は、この画像は 9月 12日に撮影されたものだと述べた。
「これは、かつて私たちが前に衛星から見たことがないほどの海氷の面積です。 30年前に始まった衛星からの海氷の観測ですが、こんな多かったことはこれまでありませんでした」とリーサー氏は語る。
そして、現在の海氷面責の広さは、
「大ざっぱにいえば、南極大陸の約2倍の大きさがあり、オーストラリアの約3倍の 大きさに相当します」
というほどのものだという。
しかし、CRC の 代表であるトニー・ウォービィ氏によると、この海氷の増加の原因は、「暖かい大気が風のパターンを変え、それにより南極の海氷が増えた」によるものだと語っている。
ウォービィ氏は、海氷の面積が拡がっていることが、南極全体の生態系に影響を与えるかどうかを注視しているという。
特に、海氷面積の変化は、多くの海洋生物の食糧となっているオキアミの生息にとって重要な要素となると氏は述べる。
また、増加した氷のために、今後数ヶ月、世界中の南極調査船が危険な条件と対峙する可能性がある。