▲ 2014年9月17日の Local10 より。
南米ベネズエラで「謎の病気」が流行しています。その病気により、すでに 10名の方が亡くなっているのにも関わらず、いまだに病気の正体は特定されていません。
▲ ベネズエラの位置。
ちなみに、冒頭の記事の男性は、ベネズエラの首都マラカイのあるアラグア州の知事で、これは記者会見に出席している様子ですが、知事が手にしている「写真」は今回の病気の写真ではない「とされている」ものです。
どういうことかというと、ベネズエラでは現在、この病気の「存在」をめぐり、医師と政府が対立しているようなのです。
ベネズエラの医師たちは、今回の病気は大変に危険なものかもしれないと、政府に警告を出すよう求めていましたが、ベネズエラ政府は「そういう病気そのものの存在を否定する」というような態度であるようなのです。
つまり、上の写真もその一貫のようで、「こういう写真がインターネットのソーシャルネットワークを通じて出回り、市民の恐怖心を煽っている」として、知事は憤怒を表明していますが、ベネズエラ医療連盟がすでに病気で 10名の方が亡くなっていることを表明しているわけですから、病気そのものが存在していることは事実だと思われます。
ベネズエラ政府が、なぜこれほどまでに病気の存在を否定したいと思うのかということ自体がわかりませんが、その問題はともかくとして、問題はその「症状」です。
報道でその病気の症状を読んでみると、
「エボラ出血熱と共通している部分」
を感じてしまいます。
報道に書かれている症状を書きますと、初期症状として、
・発熱
・発疹
などがあった後、
・皮膚に大きな水ぶくれができる
・外部の出血
・体内での出血
という症状が出て、その後、重症化すると、
・肝不全
・腎不全
・呼吸不全
という状態となっていくという、かなり厳しい症状を見せる病気のようです。
患者は、各地からベネズエラの首都マラカイにある、多分、ベネズエラで最大規模の施設を持つと思われるマラカイ中央病院へと搬送されているようです。
▲ マラカイ中央病院( Hospital Central de Maracay )。
そのうち病気の正体はある程度わかってくると思いますけれど、もし、これが「西アフリカのエボラとは関係のない感染症」もだとすると、症状がエボラと似ているだけにむしろ恐ろしい感じがします。
つまり、現在、同じような出血熱が世界中に出現しているのかもしれないという意味での恐ろしさです。
冒頭に貼りました記事をご紹介いたします。
Venezuela on alert over mysterious, deadly disease
Local10 2014.09.17
ベネズエラで謎の致死性の病気に対して警報を発令
首都カラカスを含むベネズエラのいくつかの都市で、謎の病気によって、過去1週間に 10人が死亡している。
このことにより、集団パニックを引き起こす懸念もあり、医師たちは当局から市民に対して警告を発するよう求めているが、ベネズエラ政府は警告を最小化している。
政府の無関心とは別に、ベネズエラの医師たちは原因不明の病気と直面しているという非常に危険な状況にある。これが伝染性のある病気である懸念が十分にあるからだ。
ベネズエラ医療連盟の代表であるダグラス・レオン・ネテラ( Duglas Leon Natera )会長は、「現段階で、私たちにはこの病気が何であるのかわからない」と認めた。
最初の患者の症例は、アラグア大学に提出されたデータによれば、初期症状で発熱を示し、その後、皮膚に発疹ができた後に、皮膚に巨大な水ぶくれができ、体内と体外の両方での出血が始まる。
その後、非常に迅速に、患者は、肝不全、腎不全および呼吸不全に苦しむ。
ベネズエラの医師たちはこの病気と戦うための方法がわからず、そして、病気の正体が何であるかを判別することができていない。
検査の中で考えられるいくつかの可能性としては、新しいタイプの非常に深刻な症状を呈するデング熱やチクングニア熱であるということ。そして、もうひとつは、エボラウイルスがベネズエラに出現したという可能性だ。
しかし、ベネズエラ政府はこの「謎の病気」の存在を否定し、この情報は医者から出された「ベネズエラ政府に対するメディア・キャンペーンだ」と非難している。