
▲ 2014年9月16日のアイスランド RUV より。写真は、アイスランド北部のミーヴァトン湖という火山湖の周辺の様子ですが、全体的に火山による大気汚染で空気がよどんでいます。
先月8月に書きました、
・200年間以上噴火していないアイスランドのバルガルブンガ火山で、噴火を示唆するかもしれない異常な数の群発地震が発生中
2014年08月18日
という記事でご紹介しました、アイスランドにおいての異常な数の群発地震の発生の後、バルガルブンガ火山という氷河の下にある巨大火山が噴火を起こしました。
そして、9月に入ってからは、下のような壮絶な噴火の光景を現しています。

・In Deep 火山性ガスを噴き出すアイスランドの火山より。
地震は最高時には 48時間で 1,000回を越えるような激しい群発地震を起こしていましたが、噴火した後も、ある程度落ち着いたとはいえ、今でも毎日 100回を越えるような地震が起きています。
また、地震の規模が依然とし比較的大きなところも特徴的で、下は現在 9月26日の過去 48時間のアイスランドでの地震の発生状況です。

・Icelandic Met Office
このように現在でも頻繁に地震が発生しているわけですが、この1ヶ月間のアイスランド全体での地震の発生回数は「2万回」に達したことが報じられています。
地震が継続しているということは、地下のマグマの活動が継続していることを意味するようで、今後、バルガルブンガ火山以外の火山での噴火が起きる可能性も指摘されています。
アイスランドの RUV の記事をご紹介いたします。
20,000 earthquakes in one month
RUV 2014.09.16
1ヶ月で 20,000 回の地震
バルガルブンガ火山での地震活動が8月に記録されてから 9月 16日で1ヶ月目となる。アイスランド気象庁によれば、この1ヶ月のアイスランドでの地震の発生回数は少なくとも2万回に達したという。
そのうち、マグニチュード 3.0から 3.9の地震は 186回。
マグニチュード 4.0〜 4.9の地震は 43回。これはほぼ、バルガルブンガ火山の領域内で発生している。
マグニチュード 5.0以上の地震も 23回記録されている。
最大の地震は、8月 26日に発生したマグニチュード 5.7の規模の地震だ。
なお、観測史上でアイスランドで発生した最大の地震は、2008年にレイキャビク東部で発生したマグニチュード 6.3の地震だ。
現在噴火しているバルガルブンガ火山の噴火の溶岩は、住民への直接的な危害の可能性はないとはいえ、噴火で排出される二酸化硫黄による大気汚染に、アイスランド北部、および東部の住民たちは悩まされている。
今後考えられる3つのシナリオは、まず最も可能性が高いと考えられるのが、バルガルブンガ火山のカルデラの地盤沈下が停止することにより、噴火が徐々に終息に向かうという見方だ。
第2のシナリオは、地盤の沈下と噴火が継続することにより氷河の下で新たな噴火が発生する可能性だ。この場合、噴火はひとつではなく複数で発生することもあり得るため、噴火が長く続く可能性がある。
また、氷河噴火が発生した場合、爆発的噴火による氷河洪水が予測される。
第3の可能性は、バルガルブンガ火山のカルデラ噴火だ。このような強力な噴火が起きた場合、大量の氷が溶け、巨大な氷河洪水を引き起こす可能性があると科学者たちは指摘する。そして、氷が溶けた上で噴火が継続する場合、噴火による降灰の影響が予測されるという。



