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2014年11月11日


噴火の時代:バルダルブンガ火山の噴火による「火山ガス」で多くの国民の日常生活が追いつめられてきたアイスランド



バルダルブンガ火山の噴火の様子

Iceland-001.jpg
Mashable


今年8月から氷底噴火が続いているアイスランドのバルダルブンガ火山ですが、その噴火の勢いはまったく収まっていません。

そして、現在の最大の問題は「火山ガス」です。

ブルームバーグの11月10日の記事を引用した Ice Age Now の記事によりますと、火山ガスの汚染地域では屋外へ出ることを避けるようアイスランド気象庁から、毎日、警告が出ている他、11月4日にはガス濃度が高まったため、幼稚園の子どもたちが幼稚園から出られなくなったという出来事も起きています。

bardarbunga-volcanic-gases.gif
Ice Age Now


この火山ガスの中の成分のうち「二酸化硫黄」というのが強い毒性を持っていて、 Wikipedia によりますと、

二酸化硫黄は呼吸器を刺激し、せき、気管支喘息、気管支炎などの障害を引き起こす。0.5 ppm 以上でにおいを感じ、30-40 ppm 以上で呼吸困難を引き起こし、100 ppm の濃度下に50〜70分以上留まると危険。400 ppm 以上の場合、数分で生命に危険が及ぶ。高濃度の地域に短時間いるよりも、低濃度地域に長時間いる場合の被害のほうが多い。


ということで、

> 低濃度地域に長時間いる場合の被害のほうが多い。

とありますが、8月から3ヶ月以上、火山ガスにさらされている地域も多く、その地域は「拡大」しているようにも見えます。

下はアイスランド気象庁による11月11日の「火山ガスの汚染地帯予測」ですが、これを見ると、アイスランドの広範囲を火山ガスが覆っていることがわかります。

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Iceland Met Office


アイスランド当局は「火山ガス警報」を毎日発令していますが、時期的にも長期化してきていて、先行きに不安を感じる人も増えているようです。

bardarbunga-lava.jpg

▲ 溶岩と共に火山ガスを噴出するバルダルブンガ火山。 Bloomberg より。


噴火の先行きに関しては誰にもわからないとはいえ、現時点でマグニチュード5を越える規模の地震が頻発していることを考えると、終息には遠い感じもします。

iceland-earthquake.gif
Iceland Met Office

上は11月9日から11月10日にかけてのアイスランドでの地震で、多くがバルダルブンガで発生しています。
マグニチュード5を越えた地震は数字で示されています。

そして、このような活動の活発化の中、ブルームバーグは、「1783年のラキ火山の噴火」との類似点を指摘しています。

この「1783年のラキ火山の噴火」については、 In Deep の、

英国史上最大の自然災害はアイスランドからやってきた: 1783年のラキ火山の噴火
 2011年09月07日

という記事に、英国 BBC の「殺人雲が英国を襲ったとき」という記事を翻訳したものを載せています。

殺人雲というのは、つまり火山ガスのことです。

その BBC の記事には、

この1783年のラキ火山の噴火では、アイスランドでは全人口の約3分の1が死亡したことが文書に残っている。

とあり、そして、死者の死因のほとんどが、火山ガスと、そして、それにより数ヶ月間降り続いた酸性雨によるものでした。

さらには、アイスランドだけではなく、

調査したグラタン教授は、イギリス全土で、ラキ火山の噴煙と火山ガスによって 23,000人の人が亡くなったと見積もった。これは、現代の英国史の中で最も大きな被害の自然災害となる。

というもので、この1783年のラキ火山の噴火は、ヨーロッパの近代史の中での最大クラスの自然災害でした。

今回のバルダルブンガ火山の噴火がラキ火山ほどの被害に発達していくとは考えにくいですが、しかし、ブルームバーグの記事では、噴火がさらに長期間にわたって続いた場合は、「アイスランドの人びとの健康被害が深刻になっていく可能性」について記しています。

主に、目、喉、肺などの炎症の可能性が高く、そして、火山ガス(二酸化硫黄)の影響を特に受けやすいのは「子どもである」という点も気になります。

なお、あまり関係ないことかもしれないですが、バルダルブンガ火山の噴火に関して、日刊ゲンダイが「専門家が警告 アイスランド火山噴火が日本列島を揺るがす」という11月6日の記事で、地震学者のである武蔵野学院大特任教授の島村英紀氏の話として、

「ユーラシアプレートと北米プレートは、アイスランドの周辺で誕生したプレート。両プレートがぶつかり合っているのが日本列島です。両プレートは、地震のもとになり、火山活動との関係も指摘されている。もし、アイスランドで大規模な火山噴火が発生し、プレートに力が加わったら、そのまま日本列島に影響を与えると考えられています」

という談話を載せています。

日本も御嶽山が噴火したばかりですが、もしかすると、遠く離れた国であるアイスランドも日本も共に「噴火の時代」に突入したのかもしれません。





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