・2014年11月21日 の In Deep より。
先日の、
・小氷期の入口のような米国ニューヨーク州の大雪の凄さ
2014年11月23日
などの例に見られますように、アメリカやヨーロッパをはじめとして、世界各地で今年は非常に寒い冬を早くから迎えているのですが、その一方で、
世界の海水の表面温度が観測史上最高の高さとなっている
という事実があります。
冒頭の図は、アメリカ海洋大気庁( NOAA )による9月の世界の海水温度の平年との差異です。
この図ではアメリカ周辺の高さを指摘していますが、全体して、黄色からオレンジ(平年より海水の表面温度が高い)が目立つということがおわかりかと思います。
また、 NOAA の下のグラフで見ると、2014年は、太平洋でも世界全体でも 1880年からの観測史上でもっとも海水の表面温度が高いことがわかります。
・NOAA
特に、アメリカ西海岸側の太平洋の海水温度の上昇はすさまじく、「異常」といっていいものです。
ハワイ大学の研究では、このアメリカ西海岸の太平洋の異常に高い海水温度が、太平洋の他の海域にも影響を与えていて、それが結果として地球全体の海水温度の平均を押し上げているとしています。
しかし、なぜ、アメリカ沿岸の海の温度がこれほどまでに高いのかという理由は示されていません。
これに関してのハワイ大学の研究について記された IIAI の記事をご紹介します。
WARMEST OCEANS EVER RECORDED
IIAI 2014.11.15
観測史上最も暖かい海
「海水温の体系的な計測が開始されてからの歴史で、今年の夏は、これまで記録された地球全体の平均海面水温を更新しました。記録破りのエルニーニョだった 1998年も越えています」と、ハワイ大学 国際太平洋研究センターの気候学者アクセル・ティムマーマン( Axel Timmermann )教授は述べた。
海水温の上昇は、2000年から 2013年の間には一時停止していた。しかし、2014年になって、海水温は再び急速な上昇を店始めた。
教授は、2014年の全世界の平均海水温の上昇の主要な原因は、北太平洋の異常な海水温の上昇にあるという(下の図)。
「これは過去のすべての観測記録を超えています。そして、これが原因となり貿易風を弱め、また、ハワイのサンゴの白化にも繋がっています」と、教授は言う。
北太平洋の海水温は 2014年1月からすでに異常な上昇を見せていた。
数ヶ月後の 4月から 5月には、西風が異常に暖かい海水を西太平洋に進め、それは赤道沿いに日が東太平洋にまで至った。
この暖かい海水はアメリカの太平洋側沿岸全体に広がっており、大量の熱を大気中に解き放ち続けている。
この記録破りの海水温度の上昇は、2000年から 2013年の間止まっていた海水の表面温度の上昇が再び始まったことを示していると考えられる。