
▲ 2014年12月24日の guoqing.china より。
中国最大の淡水湖である江西省のハ陽湖(ポーヤン湖/中国語表記:鄱阳湖)という湖があります。

この湖の水が最近急速に減少して、「湖だったところが大草原になってしまった」という報道がされています。この湖は、これ以前にも、この数年間ものすごい「干上がり」を見せていまして、3年以上前の In Deep の、
・今世紀最大の中国の干ばつで枯れ上がる揚子江と中国最大の淡水湖
In Deep 2011年05月27日
という記事で、アメリカの Epoch Times の「中国で進行する世紀の大干ばつ」という報道をご紹介したことがありました。
これは中国全体の干ばつについての記事でしたが、そこにポーヤン湖についての記述もありますので、その部分を抜粋します。
枯渇していく中国最大の淡水湖
中国最大の淡水湖であるポーヤン湖の水位は、 現在続いている「 100年で最悪の干ばつ」の影響を大きく受けた。現在のポーヤン湖の水位は昨年の水位のわずか 10分の1しかない。湖の一部は完全に干上がった。
この干ばつにより、「ポーヤン湖では多くの水生植物、魚類、カラスガイが消えた」と言うのは、28年間、ポーヤン湖で自然保護にあたってきたワン・カオロンさんだ。現在は渡り鳥も消えつつあるという。
この地域の米作も危機的な状況となっており、ほとんどの貯水池や湖が干上がっていると、ポーヤン郡の郡政府職員は当紙に語る。
「揚子江が干上がり、ポーヤン湖の水位も極端に下がっている。この先、雨が降らなければ、コメの収穫はまったく見込めないだろう。江西省は中国の主要な穀物生産地域のひとつだが、今年はほとんど見込めないだろう」。
職員はそう言った。
このように、ただでさえ、干ばつが進んでいたポーヤン湖ですが、この2ヶ月で、急速に「水が消えた」ことが判明したのでした。
下のように、水域の面積が、2ヶ月間で半分程度に減ってしまったのです。

・jiangxi.jxnews
12月27日の newsclip の「中国最大の淡水湖が“大草原”に、天然魚は7割減少」という記事には、
(ハ陽湖では)乾季が続く中で、特産のエビや魚の死骸が至るところで見られるなど、生態系が危機に瀕している状態。周辺の住民らの飲料水不足も深刻な問題となっている。
統計によると、ハ陽湖は2000年から水位が低下し続けており、それに伴って天然魚の量が大幅に減少している。魚の量は2007年時点で、2000〜2006年の年間平均のわずか4割。この1〜2年では3割にも満たなくなっている。魚の減少によって、これをエサとする渡り鳥もハ陽湖を避けるようになった。
また砂漠化状態という点から見ると、江西省全体で7万2500ヘクタールの砂漠化が見られるが、そのうちハ陽湖で3万8900ヘクタールと半分以上を占める。
とあり、中国の江西省全体は、全体として「砂漠化」が進んでいるようです。
先日書きました、
・中国 : 北京は大気汚染で「じきに人間が住める場所ではなくなる」という研究結果が発表される
2014年12月22日
という記事などにもありますけれど、本当に、中国は環境的に厳しい状態となっていて、このままでは本当に、中国は「人が住むことのできない大国」になりかねないかもしれません。
まあ、そういう場合、何億人の中国の人々がどこに押し寄せるのかと考えますと、なかなか気が滅入る部分もあります。



