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2015年01月03日


壮絶な量の噴煙を噴出するイタリアのエトナ火山と19世紀以降で最長期間の噴火を続けるアイスランドのバルダルブンガが招くかもしれない欧州の寒冷化



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▲ 12月28日の噴火の瞬間の様子。イタリアのエトナ観測サイト INGV より。


12月28日に噴火したイタリアのエトナ火山がその激しさを増していて、噴煙の増大により、航空路火山灰情報センター( VAAC )により、航空警報コードが「赤」と最高警戒レベルとなっています。

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▲ エトナ火山の噴煙の様子。


航空路火山灰情報センターによれば、現地時間の 1月2日午前の時点で、噴煙は、4.5キロメートルほどの長さにまで広がっているとのこと。

そして、このエトナ火山の活動の今後の状況ですが、火山性地震のグラフを見てみますと、噴火した 12月28日が急激に上がっているのはわかるのですが、それ以降も「徐々に火山性地震が増加している」ことが示されているように見えます。

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INGV


この感じで火山性地震が増加し続けていく場合は、噴火と、それによる噴煙がさらに激しくなっていく可能性もあるかもしれません。


ヨーロッパでは、アイスランドのバルダルブンガ火山の噴火がいまだに続いていますが、アイスランドの地質についてのメディアサイト Iceland Geology によりますと、このバルダルブンガの噴火は、

アイスランドの噴火の歴史の中で、19世紀以来、最も長期間に渡る噴火となるかもしれない

ということが記されていて、そして、噴火の規模も相変わらず激しいわけでして、ヨーロッパの気候を寒冷化に導く影響を与える可能性が大きくなっています。

バルダルブンガ火山の噴火と噴煙

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Daily Mail


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Market Watch


火山の噴火が寒冷化と関係する理由については、

太陽と火山噴火の増加が作り出す地球冷却のシステム
 In Deep 2014年11月08日

という記事で、アメリカのローレンス・リバモア国立研究所の気候科学者などの意見をご紹介していますが、

過去 14年間、火山の噴火による大気中への灰の噴出は増加し続けており、これは地球寒冷化の原因のひとつとなり得ることを最近の科学的研究は示唆している。

研究者たちは、1998年から 2012年までの間の 17の噴火の後の、地球の上層大気の二酸化硫黄の分子の分布状況を調べた。

結果、火山灰の分子は、むしろ地球の表面よりも、太陽光の背後に液体粒子を作っていることがわかったのだ。これは火山灰の分子が太陽光の地球への到達を遮っていること示唆している。

とあり、噴火による大気中の火山灰が増えることで太陽光が遮断されるということなどが説明されています。

イタリアのエトナ火山も現在のような大量の噴煙を排出し続ける状態が、もし長く続いた場合、同じようにヨーロッパの気候に影響を与える可能性があります。

また、上の記事には、

地球全体での火山噴火の数は着実に増え続けている。火山噴火の年間の平均数は 50から 60であり、たとえば、1990年には 55の噴火が記録されたが、 2013年は 12月5日の時点までだけで 83の噴火を記録した。

という部分もあり、今年 2015年は、火山噴火の頻発にも注目したいところです。

2013年から2014年に増加した噴火ですが、これ以上に増えるようだと、いよいよ世界的にも影響が出始めるような気がします。

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