▲ シベリアのドゥディンカの住民によって Twitter に投稿された画像。
ロシアの閉鎖都市ドゥディンカで起きていること
シベリアのクラスノヤルスク地方に、ドゥディンカという町があります。ドゥディンカ - Wikipedia によりますと、人口 2万5000人ほどの小さな町なのですが、
2001年10月より閉鎖都市に指定され、外国人観光客の訪問が規制されており、ロシア人訪問者も訪問許可が必要となっている。
この「閉鎖都市」というのは、特に外国人は特別な許可がない限り立ち入ることのできない都市のことで、ロシアは、今でも閉鎖都市が多く存在しています。 現在でも 40から 50の閉鎖都市、あるいは、確認されていない都市があるとのこと。
閉鎖都市の多くが「核開発」に関わることが多いですので、このドゥディンカも、いろいろといわくある都市なのかもしれません。
それはともかく、そのドゥディンカで、「氷点下 40度の中で、停電が発生し、住民たちが暖房のない状態で過ごしている」ことが明らかになりました。
通常マイナス 4〜5度の気温の場所らしいのですが、1月中旬から、「マイナス 40度」という桁外れの寒気が流れ込み、非常事態が宣言され、しかも、電力線が崩壊して、停電となったのです。
普通でしたら、ロシアの非常事態省などが支援にあたり、すぐに報道されるような出来事ですが、このことが公になったのは、地元住民のツイッターでの投稿によるものでした。
冒頭のツイッターが、その住民による投稿ですが、それによると、当局から「今起きている出来事について、ソーシャルネットワークなどに書き込まないように」と通達があったようで、やはり、閉鎖都市で停電が起きたということが公になるのは問題があることのようです。
その後、下のようにロシアのメディアで報じられました。
▲ 2015年1月20日のロシア informing より。
ドゥディンカの場所は地図では下の位置になります。
現在復旧しているのかどうか、そのあたりの報道はないですが、氷点下 40度の街の壮絶な様子が写真から、うかがえます。
英字メディアの vocativ の報道をご紹介します。
Alleged Gag Order Placed On Iced-In Town With No Power
vocativ 2015.01.21
凍った町で暖房がない中、当局から発言の禁止を強要されているとの主張
シベリアにある町の住民たちは、致命的な寒波の中で停電に陥っていることについて、ロシア政府からの圧力により公にインターネット上に書き込むことができないと主張している。
シベリアにあるドゥディンカでは、強風により電力線システムが倒壊。それにより、町の共同給湯所などで深刻な電力不足が起きた。
ドゥディンカでは、先週より、予測されていなかった突然の大寒波に見舞われ、最低気温はマイナス 40度を下回っていたと予測される。1月14日に非常事態宣言が発令された。この地域で、マイナス 5度程度の気温は珍しくないが、現在の気温は、人々に危険な状態に達している。
マイナス 40度で暖房がないという状態で、ドゥディンカの住民たちは、この出来事について、ソーシャル・ネットワークなどに書き込むことを避けるように当局から要請された。
当局は、多くの場所で電力の復旧が進んでいるというが、ツイッターに投稿した町の住民によれば、いまだに多くの世帯が電気と暖房のない状態で過ごしている状態だという。
ドゥディンカ当局は、現在、「許可されていない内容の投稿をおこなった」ということにより、ツイッター上に匿名で投稿したユーザーの身元情報を追跡しているようだ。