▲ これはアメリカ・アリゾナ州にある巨大クレーターです。直径1.2キロメートル。 今回、オーストラリアで発見されたものは、このクレーターの約 400倍の直径があります。pi.usra.edu より。
オーストラリア国立大学が「世界最大の隕石(あるいは小惑星)クレーターを発見した」というニュースリリースを発表しました。
▲ 2015年3月23日のオーストラリア国立大学 ニュースリリース より。
これは、衝突跡の直径が 400 キロメートルという、とてつもない巨大なクレーターです。
これまで見つかった中で、世界最大だった隕石クレーターは、南アフリカにあるフレデフォート・ドームというものでした。
フレデフォート・ドーム - Wikipedia
フレデフォート・ドームはヨハネスブルグの南西120kmの位置にある。隕石の衝突跡の直径は約190kmと世界最大。隕石の衝突跡は、中央のドーム(直径約50km)とそれを取り囲むリングからなる。
今から約20億2300万年前に直径10から12kmの小惑星が速度約20km/sで衝突し、フレデフォート・ドームが生成されたと考えられている。衝突時のエネルギーはTNT火薬に換算して87Tt(テラトン、広島型原爆が約15kt、即ち58億倍) にのぼる。
ということで、今回、オーストラリアで発見された 400キロメートルというクレーターの巨大さがどれほどのものかおわかりになるかと思います。
ちなみに、400キロメートルというのは、日本を例にとりますと、下のような範囲に及ぶような広さです。
オーストラリアで発見されたクレーターのサイズ
これが現代社会での出来事なら、壊滅的な出来事になってしまうことがわかります。国土面積が小さな国なら、その国すべてが一瞬にして全滅するほどのものでもあります。
そして、そのエネルギーもすごいです。これまで世界最大のクレーターだった南アフリカのフレデフォート・ドームの衝突時のエネルギーが、
広島型原爆の 58 億倍
単位が「億」倍です。
そのようにすさまじいものだったと予測されていますが、今回のオーストラリアのクレーターはその倍ほどの大きさを持つわけで、衝突時のエネルギーは予想できないほど、すさまじいものだったことが予想されます。
詳細は調査中ということのようですが、概要としては、
・クレーターの衝突跡の直径は 400 キロメートル
・2つの小惑星(ひとつの小惑星がふたつに割れたと考えられる)の衝突によってできている
・小惑星の大きさは 10 キロメートルを越えていた可能性がある
・衝突の年代は今のところわからないが3〜6億年の間と推測される
・ところが、その時期の「生物の絶滅事象」が見当たらない
・なので、衝突時期はさらに古いかもしれない
となるようです。
まあ、ここまでの天体事象は、数千万年〜数億年に一度程度しか起こりえないものではあるとはいえ、「現実にかつて起きていた」という事実を知らされることになりました。