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2015年04月13日


アメリカ東海岸の貝類に「致命的な伝染性のガン」が拡大している



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▲ 2015年04月09日の UT Sandiego Leukemia metastasizes among soft-shell clams より。


アメリカの沿岸では、この2〜3年ほど、海洋生物の大量死が頻繁に起きていますが、中でも、西海岸では「ヒトデが疾病により全滅に向かっている」ということは印象に残っている出来事です。

米国オレゴン州のヒトデは「絶滅の方向」へ…
 2014年06月06日

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KUOW


今度は、そのアメリカの東海岸で、「オオノガイ」という貝に「伝染性のガン」が広がっているという報道がありました。

オオノガイというのは、貝の図鑑によりますと、

オオノガイは国内の北海道から九州までの地域の海に分布しています。

ということで、日本にも広く分布している貝のようです。
食用の貝のようですが、一般的に流通しているようなものではないようです。

そのオオノガイにアメリカで「大規模なガンの流行」が起きているようで、しかも、この感染性のガンは、他の貝類にも広がる可能性があるのだそうです。

どうもこう、アメリカの海からいろいろな生き物たちが消えていっています。

アメリカの UT サンディエゴの記事をご紹介します。



Leukemia metastasizes among soft-shell clams
UT Sandiego 2015.04.09

オオノガイの間で白血病が転移している


アメリカの東海岸に沿って、オオノガイにとって致命的な疾病が広がっている。

この研究を率いたコロンビア大学のステファン・P・ゴッフ( Stephen P. Goff )教授によれば、この疾患は、最終的には、感染した貝のほとんどを殺してしまうだろうという。

ゴッフ教授は、微生物学、免疫、生化学と分子生物物理学の教授だ。

ロングアイランドからカナダのプリンスエドワード島に至るまで集められた貝たちは、正常な細胞とは遺伝的に異なる白血病細胞を持っていた。

そして、これは他の二枚貝の白血病細胞と遺伝的に同じものであったため、病気の感染源は単一のオオノガイからのものだと考えられる。

オオノガイの白血病は少なくとも 40年前から存在していることが知られていたが、今回の研究では、伝染の範囲が広いことから、その期間はさらに以前からのものだったかもしれないことを示す。

また、研究は、ハマグリ、ムール貝、カキなど他の貝類も同様の白血病の影響を受ける可能性があるとした。これは「感染性散布腫瘍( transmissible disseminated neoplasias )」と呼ばれる。

このガン細胞は、貝の体液の循環を遮断するのに十分なほど白血病の貝の中で増殖する。これは血液や脊椎動物のリンパ液と同様の役割を提供しているため、貝は栄養素が不足する。

その結果、貝は死ぬ。


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▲ 左は、通常のオオノガイのリンパ。右は、重い白血病に感染したオオノガイから採取したリンパ。


生物から生物に実際に悪性細胞を広める感染性のガンは非常に珍しい。

知られているたった2つの例は、噛むことによって伝染するタスマニアデビル(タスマニア島に生息する世界最大の有袋類)の顔面腫瘍と、交配によって広がるイヌのガンだ。

他のガンはウイルスによって引き起こされる可能性があり、貝のガンの研究では、今回のようなウイルスでのガンの発生を見たものとなる。






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