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2015年05月21日


アメリカで「犬インフルエンザ」の大流行の懸念:シカゴからアトランタへと感染拡大



canine-flu-us.gif

▲ 2015年05月20日の 11 ALIVE より。


アメリカのこの春は、鳥インフルエンザが猛威を奮っていまして、過去記事、

米国アイオワ州で1600万羽以上への鳥インフルエンザの感染拡大により非常事態宣言
 2015年05月04日

などで取り上げたことがありますが、事態はさらに深刻化しているようで、5月18日までに、アイオワ州で「 2600万羽が感染」という状況となっています。

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USA Today


そんなアメリカですが、今度は「犬インフルエンザが蔓延の兆しを見せている」という報道がなされています。

犬インフルエンザというのは聞き慣れないものですが、


犬インフルエンザ - Wikipedia

犬インフルエンザは馬インフルエンザの原因となるH3N8亜型のようなA型インフルエンザウイルスのいくつかの亜型を原因とし、2004年に報告された。イヌはこのウイルスにこれまで曝露したことがないために自然免疫を持たない。

それゆえ、個体間に急激に伝播する。犬インフルエンザはいくつかの地域のイヌの集団にエンデミック(地方性流行)を引き起こす可能性がある。



というものだそうで、犬たちは自然免疫を持たない上に、ワクチンも存在しないので、1度流行が始まると、どんどん感染が広がっていくというもののようです。

上の Wikipedia にあります「エンデミック」という言葉は、「他の地域には感染が広がらない」という意味ですが、どうも、そうとも言えない面もあります。

というのも、犬インフルエンザは、今年4月にシカゴで報告されていて、今回は、そこから外の地域へと感染拡大している模様だからです。


米シカゴ周辺で犬インフル拡大、アジアから持ち込まれた型か
ロイター 2015.04.15

米イリノイ州クック郡は、シカゴ周辺で少なくとも1137件の犬インフルエンザの症状が確認され、うち6匹は死亡したと発表した。感染はさらに拡大している可能性がある。

コーネル大学の研究チームによると、この犬インフルエンザは2006年の確認以降、現在も中国南部や韓国南部で頻繁に症例が見られる型。北米では発症の前例はなく、今回の感染拡大のきっかけはアジアから持ち込まれたとみられている。

米国の他の地域でも感染があるかは不明。



これが、約1ヶ月前のニューなのですが、

「今回見つかったインフルエンザウイルスの株は、シカゴの株と同じ」

ということがわかったわけで、感染経路はわからないですが、アトランタにまで犬インフルエンザが「拡大した」ということになります。

シカゴとアトランタは、それほど近い場所にあるわけではありません。

シカゴとアトランタの位置関係
chicago-atlanta-map.gif
写真と旅行


もしかすると、感染拡大したのではなく、同時多発的に発生しているという可能性もあるのかもしれません。

もっとも、犬インフルエンザは、感染率は高くても致死率は低いようで(シカゴの場合では、最終的に 1,700頭が感染し、そのうち死亡したのは 8頭)、それほど心配されるものではないかもしれませんが。

アトランタの 11 ALIVE の記事をご紹介します。



Vets confirm no vaccine for dog flu found in Atlanta
11 ALIVE 2015.05.20

アトランタで、ワクチンの存在しない犬インフルエンザが獣医たちによって確認される

ジョージア州立大学獣医診断研究所によると、アメリカ中西部で何頭かのペットを殺した犬インフルエンザと同種の株が、アトランタの犬から検出されている。

アテネ獣医診断研究所は、5月15日にジョージア州の最初の犬インフルエンザに対しての陽性を確認したと述べた。

感染した犬は咳をして、発熱、倦怠感、食欲不振などの症状があった。

関係者によると、影響を受けた犬は、アトランタの寄宿施設で他の犬と接触していたという。当局は、その寄宿施設はどこかを明らかにしていない。

しかし、ウイルスを回避するための最も一般的な手段である予防接種については、今回のケースの株に対するワクチンが存在しないために、予防接種による予防法は使えないことを当局は述べた。

NBCニュースによれば、H3N2として知られる伝染性のこの犬インフルエンザ株は、シカゴで少なくとも 1,700頭以上が感染し、8頭の犬が死亡した。

ペットの犬の監視すべき症状は、咳、鼻水、元気のなさ、などがある。

飼い犬が、デイケアや公園、あるいは犬小屋に一日中つながれている場合は、「高リスク」だといえると獣医たちは言う。

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