▲ 2015年05月31日の Dutchsinse より。
5月30日に、日本の海域で、マグニチュード8.1という大きな地震が発生しましたが、その 35分後、オーストラリアのニューサウスウェールズ州にあるオーストラリア首都特別地域の近辺で、マグニチュード 4.0の地震が記録されました。
この地震の記録は、オーストラリア連邦政府の管轄であるオーストラリア地質科学研究所(あるいは、ジオサイエンス・オーストラリア/ Geoscience Australia )のページに即時にデータが掲載されました。
2015年05月30日のオーストラリア地質科学研究所
・現在このページは存在しません。
ところが、翌日、上のページは削除されていて、検索すると、今も下のように「このデータはご利用いただけません」と表示されます。
・Geoscience Australia
しかし、この最初の地震データそのものは存在していたことが、 Google のキャッシュからわかります。
つまり、1度データとして掲載したものを、後に削除したことが判明してしまったわけです。データミスなら、その旨の説明があるはずですので、こっそりと消したということになりそうです。
さて、一体何があったのか・・・ということが、オーストラリアだけではなく、いろいろな国の人たちの間で囁かれているということになっています。
まあ、何があったのかはわかりようがないですが、最初のデータを元に地震のあった場所を特定してみますと、大体ですが、下のあたりになると思われます。
・Google Map
シドニーとキャンベラを結ぶあたりで、オーストラリアの首都圏に位置する場所でもあります。
ちなみに、どうして今回のようなことが大きな話題になるかというと、このオーストラリアという国は、極めて地震が少ない国でして、例えば、オーストラリアのワーキングホリデー関係のページには以下のような表記があります。
地震のない国 オーストラリア
「地震ってどんなものなの?」「どんな感じ?」オーストラリアで地震の話をすると決まって返ってくる反応がこれ。
雪を見たことがない子供達に、私の出身地での雪の話しをした時と同じような反応です。見たことも経験したこともない「未知の世界」への感覚なのですから、同じようなものなのかもしれません。
オーストラリア大陸には地震がない・・・国の歴史自体が浅いため地震被害の記録が残っていない事もあるのかもしれませんが、確かにオーストラリア大陸にはほとんど地震がありません。
かといって、皆無というワケでもなく、過去にはシドニーの北にある都市ニューカッスルで人的被害のあった地震があったほか、最近でも首都のキャンベラ近郊や大陸のずっと内陸部の砂漠の真ん中で地震が観測されています。
ただいずれも揺れが小さい上、人がほとんど住んでいない地域であるため、地震を体験した人はほとんどいないというのがオーストラリアの現状です。
もちろん、そんなオーストラリアですから、建物の耐震設計は「まったく」されていません。上のサイトにも、
> たとえばブロック塀で使用するブロックを使って3階建ての建物を建ててしまう、20階建ての高層マンションなのにその外壁にレンガが積んである
と書かれていて、「地震など起きるわけがない」という建物やライフラインであるようです。
もっとも、世界を見てみれば、耐震設計されていないのが普通で、アメリカなども西海岸の一部以外では、おそらくは「まったく」耐震設計はされていないと思われます。
・ニューヨークの地震
2009年02月05日
という記事に書いたことがありますが、高さ 443メートルで 102階建てのエンパイア・ステートビルは、地下階は 11メートルで 1階だけ、基礎工事はわずか 17メートルという構造です。
つまり、この高層ビルにしても、ただ地面の上に乗っかっているようなものなのです。
このようなところで、例えば、日本でいう震度6程度の地震が起きたら、もう何もかもどうにもならなくなってしいます。
それは高層ビルの立ち並ぶオーストラリアの首都圏でも同じはずです。
今回、比較的近くで地震が記録されたシドニーなど、高層ビルだらけです。
シドニーの夜景
・日経BP
今回の「データが消えた」ことについて、一体何があったのかはわかりませんが、5月30日の小笠原沖地震は、1900年以降のM8以上では世界最深の地震と気象庁が発表(報道)したりしていて、地震も変化してきています。