▲ 2015年07月22日のカナダ CBC より。
昨年、南極海で、ロシアの砕氷船「アカデミック・ショカリスキー」が氷に阻まれ身動きが取れなくなり、その乗客の救助に向かった中国の砕氷船「雪龍」もまた身動きがとれなくなったという出来事がありました。
▲ 2014年01月06日の AFP 南極海、ロシア船乗客救助の中国船も立ち往生より。
結局、アメリカなど各国の協力で救出されたたのですが、皮肉だったのは、このロシアの調査船には「地球温暖化の調査をするために南極に向かった科学者たち」が乗っていたのでした。
「どれほど温暖化が進んでいるか」という調査に向かう途中、かつてないほどの量の氷の中で立ち往生してしまったのです。
このことについては、
・南極の氷の中から立ち昇った炎 : 科学誌ネイチャーが地球温暖化調査団のリーダーによる擁護記事を掲載。そしてそこで知る真実
2014年01月07日
という記事に書いたことがあります。
今回ご紹介するのは、カナダの砕氷プログラムの調査船が、出港直後に「かつてないぼとの量の氷に阻まれて立ち往生した」という報道です。
北極圏の海氷も増え続けているのかもしれません。
ツイッターに投稿されたCCGSの周囲の様子
・CBC.ca
カナダ CBC の報道をご紹介します。
CCGS Amundsen re-routed to Hudson Bay to help with heavy ice
CBC (カナダ) 2015.07.22
砕氷船 CCGS アムンゼンは、極端に多い氷のためにハドソン湾へのルートを変更しなければならなくなった
砕氷研究プログラムの 20年の中で過去最悪の氷の状態による変更
慎重に計画された 115日間に及ぶ科学探検調査船 CCGS アムンゼン( CCGS Amundsen )は、ハドソン湾の極端な量の氷により立ち往生したことにより、補給ができないでいる。
これは計画に大きな影響を与えると、この研究をコーディネートするアークティック・ネットのエグゼクティブディレクターは述べる。
「いらいらする状況が続いています」
CCGS アムンゼンは、夏の間、1日 24時間の実験をおこなう海上研究センターとして働く。
今年は北太平洋での実験が予定されていた。
現在、砕氷船は、ハドソン湾東部での補給をおこなうために、ルートの変更を強いられている。
20年間で最悪の条件
カナダ沿岸警備隊のアシスタント・コミッショナーは、7月21日、この 20年間で見てきた中で、最悪の氷の状態だと述べた。
北極で利用可能な砕氷船は、カナダに2つだけで、そのうちのひとつ CCGS ピエラ・ラディッソン( CCGS Pierre Radisson )は、すでに、他の海域で補給船の護衛をしているため、選択肢としては、アムンゼンを再配備するしかない。
しかし、ミッションに戻るには、立ち往生しているアムンゼンを氷から救出する必要があり、もう一台の砕氷船が必要だとアシスタント・コミッショナーは述べる。他の計画が検討できないかどうかが話し合われている。