完全に枯れたグアテマラのバジャ・ベラパズにあるトウモロコシ畑

・Voice of America
中米グアテマラで、まったく雨が降らない激しい干ばつが続いていて、100万近くの人々が食料不足に陥っていることを国連が発表したことが報じられています。

▲ 2015年08月14日のトムソン・ロイター財団ニュースより。
現在、大きなエルニーニョ現象が続いていて、それが原因だと述べられていますが、来年の3月頃までは、この干ばつが終息する目処も立っていないようです。グアテマラは、地図では下の位置にある比較的小さな国で、人口は 1500万人ほどです。
グアテマラの場所

・Google Map
このエルニーニョは、これからの世界各地に様々な影響を与えていくことになると思われますが、最近の中南米のニュースでは、寒波や地殻変動のものが多かったのですが、場所により極端な干ばつも進行しているということのようです。
・ペルーの寒波によるアルパカなど動物の死亡数は「100万頭」に達し、同国史上、最悪の被害に
2015年08月14日
・南米の近く変動ラインでさらに起きる異変:「エクアドルの富士山」が大噴火し、ホンジュラスで地殻崩壊で住宅が次々となぎ倒される
2015年08月17日
グアテマラの干ばつと食糧危機について、トムソン・ロイター財団のニュースよりご紹介します。
Nearly 1 million people face food emergency in drought-hit Guatemala - U.N.
Thomson Reuters Foundation 2015.08.14
干ばつに見舞われたグアテマラで、ほぼ 100 万人が食料の緊急事態に直面している - 国連発表
中米グアテマラで、極端な少雨による干ばつにより、農産物の収穫状況が悪化しており、約 100 万人が飢餓に苦しんでいると国連食糧農業機関( FAO )は述べた。
エルニーニョ現象と関係すると思われる今年の干ばつは、中米のグアテマラ、エルサルバドル、ホンジュラス、ニカラグアなどの乾燥地域で農業に大きな被害を出している。
特に小さな農家では壊滅的な被害を受けている人たちも多い。
食糧農業機関によると、3年連続で干ばつの被害を受けたグアテマラでは、17万世帯の約 90万人が食料備蓄がまったくない状態だという。
「事態はゆっくりと進行しているように見えますが、すでに子どもたちの慢性的な栄養失調が増えているのです」と、食糧農業機関の職員は述べる。
農村部の最も貧しい先住民コミュニティの家族では、現在、1日に一食程度しか食べることができていない。
国連世界食糧計画( WFP )は、この干ばつが、グアテマラのの主食である豆、トウモロコシに壊滅的な被害を与えているとして、また、この日照りが 2016年の3月まで持続すると予測されており、大幅な収穫の減少につながると警告している。
いくつかの農家では、今月末までにトウモロコシの収穫量において、 50%から 100%を失うおそれがあるという。
グアテマラは、もととも中央アメリカで最も貧しい国の一つだ。人口 1500万人の約半数が貧困の中で生活し、同国は世界で4番目に高い慢性栄養失調率を持つ。
現在でも多くの世帯が、政府と国連の食糧配布に頼ることを余儀なくされている。
グアテマラ政府は、ブラジルからの寄付を使用して、121,000世帯の干ばつの影響を受けた家族に 4000トンのトウモロコシと小麦粉、豆の配給を 8月17日から開始すると発表した。
中央アメリカの乾燥地帯で繰り返し発生する干ばつの問題は、気候変動によってもたらされる極端で不安定な天候によって悪化していると援助機関は言う。