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2015年08月26日


アメリカで今年、ペストに感染する人が異常に増加中



plague-usa-2015.gif

▲ 2015年08月25日の米国ライブサイエンスより。


今年の 4月1日以来、アメリカでは 11人のペストの症例の患者が確認されていて、これは近年では非常に多いと、アメリカ疾病予防管理センター( CDC )が発表したことが、米国のメディアで報じられていました。

下のアメリカ疾病予防管理センターのグラフを見る限りでは、2006年の 17人に次ぐ数ですが、今年の場合、4月からの4ヶ月間だけで 11人となっているため、このペースでペスト患者が増え続けると、近年では最大ということになりそうです。

2000年から2014年までのアメリカでのペスト患者数
plague-2000-2014.jpg
CDC


また、今年のアメリカのペストを発症した 11人のうち 3人の方が死亡していますので、上のグラフを見る限り、死者の最大は 2人でしたので、死亡数は、現時点でも近年で最大となっているようです。

ちなみに、アメリカでは、ペスト患者の発生は西部に集中していて、下のように、過去 40年間でのペスト発生は下のような分布となっていて、ほぼ西部地域での発生となっています。

1970年から2014年のアメリカのペスト患者発生場所
US-Plague-map.gif
CDC


アメリカのペストの現状について、ライブサイエンスの記事をご紹介します。



Plague Cases in US Are Unusually High This Year
livescience 2015.08.25


今年のアメリカはペストの発生が異常に多い


アメリカ疾病管理予防センター( CDC )からの新しいレポートによると、アメリカでは、今年、ペストの発症例が異常に高い数字になっている。

4月1日以来、6つの州で 11例のペストの発症例があったと報告書は述べている。

アメリカでは、1970年から 2012年の間に、毎年平均7例のペストの発症が報告されているが、今年の8月の時点で 11例というのは、かなり多い。

2014年には 10例で、2012年と2013年には 4例だった。

2000年以降で、10例以上のペストの発症が報告されたのは 17例だった 2006年の例がある。

「今年のペストの症例数が通常より高くなっている理由は不明だ」と研究者たちは述べている。

これまでのところ、ペストの報告があったのは、コロラド州で4例、アリゾナ州で2例、ニューメキシコ州で2例、そして、カリフォルニア州、ジョージア州、オレゴン州でそれぞれ1例のペストの症例があったと報告書は述べている。

ペストは、げっ歯類(リス、ネズミなど)とそのノミによって運ばれるペスト菌と呼ばれる細菌によって引き起こされる。

この疾患は、アメリカでは主に西部の農村地域で流行することがある。

治療しない場合、ペストは、症例の約 60%から 90%が死亡するが、しかし現在では、抗生物質治療により、死亡率は約 16%に低下している。

今年のアメリカでは 11人のペスト患者のうち、3人が死亡している。

獣医学の専門家であり、カリフォルニア大学教授のブルーノ・ショメル博士( Dr. Bruno Chomel )は、カリフォルニアの干ばつがペストの症例の増加の原因となっている可能性があると推測している。げっ歯類が干ばつによって食料を得ることが難しくなっているため、動物たちがキャンプ場などで人間の食べ物に近寄っている可能性があるからだ。

CDC は、ペストの感染を防ぐために、病気が流行している地域で野外活動に参加する人たちは、長ズボンを着用し、虫除けを使用することと、病気で死んだ動物に触れたりしないことを勧告している。


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